出版界の青年将校

一条真也です。

昨日の夕方、三五館の編集者である中野長武さんとお会いしました。
「長武」は「おさむ」と読みます。
なんだか尚武の心を感じる名前ですね。
三五館は市谷にあるのですが、そこには自衛隊も駐屯しています。
ですから、わたしは彼のことを「市谷の青年将校」と呼んでいます。
さっぱりとした髪型も、なんだか2・26事件の青年将校たちを連想させてくれます。


                      中野長武さん


元挌闘家の前田日明さんは、かつてUWFを率いていた頃、古館伊知郎さんから「黒髪のロベスピエール」と呼ばれていました。
それにならえば、中野さんは「坊主頭のロベスピエール」かもしれません。
実際に、彼の本作りにかける情熱は誰にも負けません。
出版界を変革するパワーを秘めていると思います。
中野さんは、わたしの『孔子とドラッカー』『法則の法則』『あらゆる本が面白く読める方法』『涙は世界で一番小さな海』といった著書、あるいは編著である『むすびびと〜こころの仕事』を編集してくれました。『あらゆる本が面白く読める方法』などは、彼との語り合いの中から生まれた本であり、ある意味では共著かもしれません。
また、『孔子とドラッカー』も思い出深い本です。
この本の出版がきかっけとなって、わたしは北陸大学孔子学院」の開学記念講演の講師として2006年8月に招かれました。
そして、2008年4月からは同大学の未来創造学部客員教授として、「孔子研究」の授業を担当させていただいています。
中国人留学生を含む学生さんたちに「礼」の精神を説くことは、わたし自身、大変良い勉強となっています。何よりも、尊敬する孔子の教えを若い方々の前でお話できる幸せに心から感謝しています。
すべては、『孔子とドラッカー』を上梓したことが発端でした。
その他の本も、すべて大好きな、かわいい子どもたちです。
今も、中野さんと新しい本の企画を進めています。
中野さんはお酒はたしなまないのですが、そのかわり、よく食べます。
料理をオーダーするときは、いつも「大盛りでお願いします!」と言います。
その食べっぷりは、見ていて本当に気持ちがいいくらいです。出版に対する彼の強烈なエネルギーは旺盛な食欲から生まれているのかもしれません。
今日も、赤坂見附のコージーコーナーでビーフカレーの大盛りをペロリとたいらげていました。わたしも、ナスの辛味カレーの普通盛りを食しました。
腹ごしらえをすませた二人は、神田へと向かいました。
これから東京自由大学で、わたしの講演があるからです。
そのテーマは、中野さんと一緒に作った本の書名と同じ「法則の法則」でした。


2010年2月17日 一条真也