義兄弟

一条真也です。

今回、2人の義兄弟と久しぶりに会えて嬉しかったです。
わたしは「世直し」のために、宗教哲学者の鎌田東二さん、造形美術家の近藤高弘さんと義兄弟の契りを交わしたのです。
鎌田さんが長男、近藤さんが次男、わたしが三男という「だんご三兄弟」です。


       久々に揃った義兄弟(左から鎌田東二、近藤高弘、一条真也


鎌田さんは京都大学こころの未来研究センター教授。日本を代表する宗教哲学者であり、ジャンルにとらわれず、あらゆる「知」の領域を横断されています。また、神職の資格を持ちながら神道ソングライターでもあります。まさにマルチな才能の持ち主です。

近藤さんは、人間国宝近藤悠三の孫として陶芸家の道を歩みながらも、既存の芸術表現に飽きたらず、新時代のアーティストとして未知のジャンルに挑戦されています。
ニューヨークをはじめ海外主要都市でも個展が続々と開催され、「造形美術のプリンス」として、その評価は今や世界的です。



こんな凄い兄貴たちを持って、弟としては大変ですよ。何より、お二人とも地に足が着いている活動をされており、まったく浮わついていない点を心より尊敬しています。
また、お二人とも自らが歩まれている「道」に対してストイックなほど真摯です。
つまり、お二人とも「浅はか」ではないのです。
末弟のわたしは、どちらかというとオッチョコチョィなので、兄貴たちを見習いたいと思っています。わたしも、「浅はかな」人間には絶対なりたくないですからね。



それにしても、「義兄弟」などという言葉を聞いて、時代錯誤だと感じる人もいるかも。

安岡正篤の『人物を修める』(竹井出版)によれば、中国では古来、裸の付き合いが重要視されました。文学や演劇などにも義兄弟のよしみに関するものがよく出てきます。
現実面においても義交、つまり義の交わりが強く行われており、これが華僑の成功しているゆえんでもあるとか。彼らは同じ商売をしていても、日本人のように相手を商売仇などとは言わないそうです。同業者がみんな結束して助け合うのです。
これはすべて中国の歴史とその間に養われた産物ですね。

仁と義を結んで「仁義」と言います。「われら、いかに為すべきか」という規範や規則が「義」です。これに対して欲望を満足させるのを「利」と言います。
したがって、仁は必ず義と結ぶのです!




わたしたち義兄弟3人の共通の志は、「解器(ほどき)によって、新たな死生観を確立すること」です。それは、つまるところ、世の人々を幸せにしたいということ。
ちょっと変わった三兄弟の、大いなる挑戦が、いまスタートしました。
兄貴たち、不肖の弟をよろしくお願いしますよ!


2010年3月26日 一条真也