コカ・コーラからの手紙

一条真也です。

先日のブログにも書きましたが、京都から天河に向かう途中で立ち寄った自動販売機が故障していました。

その件では、多くの方々にご心配をおかけしました。
ゴルフ5橿原店に設置されてある日本コカ・コーラ社の自動販売機で、1本150円の緑茶ペットボトル「綾鷹」を3本買うために450円を投入したところ、商品も金銭も出てこなかった一件です。
ゴルフ5橿原店の池田隆史店長と話し合ったところ、わたしの連絡先を控えて、コカ・コーラ社から連絡させるとのことでした。
そこで、わたしは名刺に携帯番号を書いて渡したのですが、今日まで何の連絡もありませんでした。


昨今、大手の生命保険会社が2万件もの保険金を未払いにしていたという事件を報道で知り、非常に陰鬱な気分でした。
そのことを「出版寅さん」こと内海準二さんに電話で告げたところ、「世の中はアンフェアなことが多すぎる」と憤慨していました。
なんでも、東京の地下鉄では、不正に改札を通り抜ける行為、いわゆる「キセル」行為をよく見かけるそうです。
でも、一度も不正なキセル行為者が捕まったところを見たことがないとか。
まさに、「正直者は馬鹿を見る」というのです。
わたしは、それを聞いて、またしても自動販売機のことを思い出して嫌な気分に・・・。
よく考えたら、日本全国に置いてある自動販売機をかたっぱしから故障させて商品もお金も出さずに済ませたらどうなるでしょうか。
多くの消費者は、たとえば120円の缶ジュース代、150円のペットボトル代を惜しいと思いながらも、泣き寝入りするのではないでしょうか。
そうなると、儲かるのは飲料会社です。
毎日、何もしなくとも馬鹿にならない大金が転がり込んでくるはずです。



そう考えていたら、「義を見てせざるは勇なきなり」という孔子の言葉が浮かびました。
はっきり言って、450円は惜しくありません。
でも、けっして今回は泣き寝入りしてはいけないと思ったのです。
450円でわたしの魂を売るわけにはいかないと言っては大げさかもしれません。
でも、目の前に置いてある「天下布礼」の旗を見ているうちに、企業倫理のため、いや日本人の「信用」のためにも、日本コカ・コーラ社に連絡をしようと思いました。
もちろんクレイマーとしてではなく、1人の消費者として、コカ・コーラ社に忠言しようと思ったのです。
また、わたしも経営者の端くれですから、コカ・コーラ社がどうのような対応をするのか非常に興味があります。
場合によっては、その対応をわが社の経営に活かしたいとも思いました。
そこで、コカ・コーラ社のお客様相談係の連絡先を調べていた矢先に、秘書の織田さんが、「コカ・コーラから現金書留が届きました!」と社長室に飛び込んできたのです。

                    立派な対応でした


差出人はコカ・コーラウエスト株式会社で、中にはワープロで打たれたお詫びの手紙と現金550円が入っていました。
手紙の文面を読むと、「この度は、自動販売機の故障のため、大変ご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした」という謝罪の文章とともに、「投入いただきました代金分とお電話代を同封させていただきますので、お受け取りください」と書かれていました。
あっぱれ、コカ・コーラ
コカ・コーラ社は、わたしのことをウヤムヤにしたわけではなかったのです。
それどころか写真の通り、3月25日、つまり当日きちんと対応していたのです。
まあ、当日すぐに電話の一本でもくれれば安心できたのですが、直接電話はしないとか、いろいろ社内のルールがあるのでしょうね。
でも、立派な対応でした。
さすがは、スカッと爽やかな飲料を売る会社です。
ゴルフ5橿原店の池田店長も、ありがとうございました。
「大道廃れて仁義あり」とは老子の言葉ですが、この日本、まだ大道までは廃れていないようです。よかった!
550円−450円=100円。
でも、100円どころか100万円分くらいの「こころの豊かさ」を感じました。
なんだか喉が渇いたので、コカ・コーラ社のジョージア・ヨーロピアン微糖ではなくて贅沢ドリップを会社の自動販売機で買って飲むことにします。
関係ないですが、CMで「ようこそジョージアへ・・・」とささやく片瀬那奈、好きです!


最後に、わたしは基本的に会社の就業時間中はブログを書かないことにしているのですが、今回は社員のみなさんをはじめ心配されている方が多かったため、またコカ・コーラ社およびゴルフ5橿原店の名誉のためにも、一刻も早くお知らせした次第です。
悪しからず。では、これにて一件落着!


2010年3月29日 一条真也