日本人の「こころ」のために

一条真也です。

今日は、サンレーの本社にお客様が来られました。
仏壇製造・販売の最大手である株式会社はせがわの長谷川房生社長です。
長谷川社長は、わたしの大学の先輩でもあります。
現在、わが社は、はせがわさんと仏壇販売におけるアライアンス契約をしています。


              お仏壇の“はせがわ”の長谷川房生社長と


わたしは、日本人の精神生活で仏壇の果たす役割はとても大きいと思っています。
その仏壇を自宅に置く日本人が減る一方とのことで、大変憂えています。
仏壇とは何でしょうか。
一般には仏像を安置し礼拝や供養を行う壇のことですが、現在の日本では、仏像とともに祖先の位牌を安置する家の中の厨子をさします。
そこには、わたしたちの先祖が住んでいます。
仏壇とは、わたしたちと先祖をつなぐメディアなのです。
わたしたちは、先祖、そして子孫という連続性の中で生きている存在です。
遠い過去の先祖、遠い未来の子孫、その大きな河の流れの「あいだ」に漂うもの、それが現在のわたしたちに他なりません。
その流れを意識したとき、何かの行動に取り掛かる際、またその行動によって自分の良心がとがめるような場合、わたしたちは次のように考えるのです。
「こんなことをすれば、ご先祖様に対して恥ずかしい」
「これをやってしまったら、子孫が困るかもしれない」
こういった先祖や子孫に対する「恥」や「責任」の意識が日本人の心の中にずっと生き続けてきました。
その意識が切れると、数々の不祥事や凶悪犯罪が増えることは言うまでもありません。
そんなことを考えて、『先祖とくらす』という本を書き上げました。
7月に双葉新書から刊行予定です。ご期待下さい!



長谷川社長は、「月刊 仏事」4月号で、公益社の古内耕太郎社長とわたしの対談を熟読しておられ、「とても感銘を受けました」と言って下さいました。
ブログ「葬式は要るさ!」に書いた対談の掲載誌のことです。
なんと巻頭17ページにわたり、葬儀業界の「今」と「これから」を語り合っています。
長谷川社長以外の多くの方々からも反響がありました。
互助会・葬祭・霊園・墓石・仏壇・仏具といった仏事業界のみならず、広く仏教界の方々にも話題を呼んでいるようです。
わたしは、けっこう仏教界に対する過激な発言もしています。
でも、すべては日本人の「こころ」を守り、豊かにするためだと思っています。
わたしは、日本人の「こころ」の大きな柱である仏教には大いに期待しているのです。
仏教という平和宗教には、日本はおろか世界を救う力があると信じています。
「月刊 仏事」4月号をお求めの方は、鎌倉新書(TEL:03-3662-2256、FAX:03-3662-2259)まで、どうぞ。


                    「月刊 仏事」4月号



日本人の「こころ」を守り、豊かにするためには、「かたち」が必要です。
つまるところ、葬儀も仏壇も、その「かたち」なのです。
そして、その「かたち」を提供するわたしたち自身は何よりも「こころ」を大切にしなければなりません。
「これからも、日本人の“こころ”のために業界を超えて頑張りましょう!」
そう言って、長谷川社長とわたしは固い握手をして別れました。


2010年4月12日 一条真也