「スミスの本棚」

一条真也です。

東京に来ています。
テレビ東京に出向いて、取材を受けました。
番組は、「ワールドビジネスサテライト(WBS)」です。
金曜コーナーとして人気の高い「スミスの本棚」の番外編として、読書の基礎に戻り、本の読み方や定義、役に立った経験などを話してほしいとのことでした。
拙著『あらゆる本が面白く読める方法』(三五館)を読んで取材を申し込まれたそうです。
ということならば、編集者である「出版界の青年将校」こと三五館の中野長武さんと一緒に、東京は港区虎ノ門テレビ東京本社に向かいました。


                テレビ東京の本社を訪れました


テレビ収録でも話ましたが、わたしは、これまで読書によって人生のさまざまな難関をくぐり抜けて来たように思います。
社長に就任してすぐ読んだのは、ドラッカーの『ネクスト・ソサエティ』でした。
非常に感銘を受け、『ハートフル・ソサエティ』というアンサー・ブックまで書いたほどですが、その後、ドラッカーの全著作を読破しました。40歳になる直前には、『論語』を読み、これまた感ずるところ大で、一気に40回も読み返しました。
孔子ドラッカーは私に大きな影響を与え、わが社の経営もこの2人の思想に沿って行ってきました。そのことをインタビューでお話しました。


              読書についてテレビ取材を受けました


当然ながら、読書は金のためにするものではありません。
その最大の目的は、自分を高めることにあります。
生物のなかで人間のみが、読書によって時間を超えて情報を伝達できるのです。
人間は経験のみでは1つの方法論を体得するのにも数十年かかる。でも、読書なら他人の経験を借りて1日でできるわけで、読書はタイム・ワープの方法に他なりません。
特に歴史の本は他人の経験や知恵の宝庫と言えます。プロイセンの鉄血宰相ビスマルクに「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という有名な言葉があります。
西欧の人々は主にローマ帝国の衰亡史などを参考に人間理解をしてきました。
日本人は『十八史略』や『三国志』などの中国の歴史書で人間研究してきました。
「驕る平家は久しからず」という言葉がありますが、歴史を知れば傲慢にならず、さらには非常識な行為や馬鹿な真似をすることもないはず。つまり、知恵がつくのです。
わたしは、社員や学生に対して、いつも、「西洋史でも中国史でも日本史でも、ぜひとも、すぐれた歴史の本を読んで、賢者になって下さい」と語りかけています。


今回の収録は、23日(金)の22時54分から「ワールドビジネスサテライト(WBS)」拡大版としてテレビ東京系で全国放映されます。
スミスの本棚」は23時半頃からの放映予定です。
よろしければ、御覧下さい。


2010年4月21日 一条真也