ホームレス支援

一条真也です。

昨夜飲みすぎて、今日は二日酔いです。
昨日、わが社に新しい企画部長が誕生したので、その祝賀会を開いたのです。
午後7時に小倉は鍛治町のセブンイレブン前で2人の社員と待ち合わせしました。
わたしがタクシーから降りて、彼らとの距離が5メートルほどになったとき、突然1人の中年男性が間に入ってきました。
そして、わたしにこう言うのです。
「おたく、地の人?」と。
わたしが、「ええ、そうですが・・・」
と答えると、その人はこう言いました。
「わしは大分から出てきた者ですが・・・」
彼の話によれば、小倉に出てきたものの住む場所も仕事もない。
そして、朝から何も食べていないというのです。
しかも、20円しか持っていないそうです。
彼は、わたしに「セブンイレブンで何か食べ物を買ってくれませんか」と言いました。
一瞬、「この人の言っていることは本当かな?」と思いました。
なぜなら、彼の身なりはなかなか立派なものだったからです。
でも、わたしは上着のポケットに入っていた小銭をそのまま彼に渡しました。
たぶん500円か600円ぐらいでしょうか。
それで、おにぎり、パン、弁当などが買えるはずです。
すると、彼は小銭を受け取ると、「ありがと」と言ってセブンイレブンの中に入っていきました。拍子抜けするほど、あっけない別れ方でした。
その人は、いわゆるホームレスの人だったのでしょうか。
それとも、ただの寸借詐欺師でしょうか。
それは、わかりません。
ただ、昨日の午前中に開催した本部会議で「ホームレスの支援」について話し合ったばかりだったので、その偶然に驚きました。
会議に参加していた2人の社員も驚いていました。
それにしても、数分前からその場所にいたという2人の社員には声をかけずに、その人はなぜわたしにだけ声をかけたのでしょうか。
なんとなく、お金を渡してくれそうな顔に見えたのでしょうか。それとも?

   
                ホームレス自立支援のために


先だってNHKで放映された「無縁社会をどう乗り越えるか」という討論番組に、NPO法人北九州ホームレス支援機構の奥田知志理事長が出演されました。
奥田理事長は、同じNHKの「プロフェッショナル〜仕事の流儀」にも出演されたことがあるそうです。その縁からか、同番組のパーソナリティである茂木健一郎氏も北九州ホームレス支援機構の活動に関心を寄せているそうです。
無縁社会」とホームレスの問題は切っても切り離せません。



ホームレス支援では、弁当や物資の配布による「出会い」が支援の基礎だそうです。
わが社でも、ぜひ何かホームレス支援のお手伝いができないかと思いました。
わが社の担当者がNPO法人北九州ホームレス支援機構に連絡を取り、先方の担当者と面談しました。
すると、亡くなったホームレスの方々の葬儀をあげる葬儀社が少なくて困っているというのです。ホームレスの方が亡くなった場合、行政からいくばくかの葬儀費用が出るのですが、小額のため大手の葬儀社や互助会は引き受けたがらないというのです。
それを聞いて、まさにわが社の出番というか、お役に立たねばならないと思いました。
そして、昨日の会議でホームレスの方の葬儀を無料で提供させていただくことを決定したのです。
わが社では、「死は最大の平等である」との理念を大事にしています。
死のセレモニー、すなわち葬儀も平等に提供されなければなりません。
青臭い理想と言われるかもしれませんが、今の社会や企業に最も必要なのは、まさに「青臭い理想」ではないでしょうか。
「あんたもわしもおんなじいのち」という北九州ホームレス支援機構のHP扉のコピーが心に突き刺さります。


2010年5月2日 一条真也