家族の絆を守る

一条真也です。

今日は、月初で総合朝礼や各種の会議ラッシュです。
でも、わたしは気分が高ぶっています。
なぜなら、早朝、ついに『先祖とくらす』を脱稿したからです。
血縁の意味と大切さについて心をこめて書きました。
また、日本民俗学の父である柳田国男の名著『先祖の話』へのオマージュとして書きました。9月15日に、『葬式は必要!』と同じ双葉新書から刊行予定です。乞うご期待!
今回も、「出版寅さん」こと内海準二さんに編集プロデュースをやっていただきました。



先祖とは何か。それは、死者のことです。
わたしたちは、死者を忘れてはなりません。
わたしたちは死者とともに生きているのであり、死者を忘れて生者の幸福など絶対にありえません。最も身近な死者とは、多くの人にとって先祖でしょう。
先祖をいつも意識して生きることが必要です。



もちろん、わたしたちは生きているわけですから、死者だけと暮らすわけにはいかない。
ならば、誰とともに暮らすのか。
まずは、家族であり、それから隣人ですね。
考えてみれば、祖父母や両親とは生ける「先祖」です。
そして、配偶者や子どもは最大の「隣人」です。
 


現代人はさまざまなストレスで不安な心を抱えて生きています。
ちょうど、空中に漂う凧のようなものです。
そして、凧が安定して空に浮かぶためには縦糸と横糸が必要ではないかと思います。
縦糸とは時間軸で自分を支えてくれるもの、すなわち「先祖」です。
また、横糸とは空間軸から支えてくれる「隣人」です。
この二つの糸があれば、安定して宙に漂っていられる、すなわち心安らかに生きていられる。これこそ、「幸福」の正体ではないかと思います。
ブータンの人々は宗教儀礼によって先祖を大切にし、隣人を大切にして人間関係を良くしている。だから、しっかりとした縦糸と横糸に守られて、世界一幸福なのです。



冠婚葬祭業とは、まさに「先祖」と「隣人」を大切にするお手伝いをする仕事です。
人間が心安らかに生きていくための縦糸と横糸を張る仕事です。
すなわち、「幸福」そのものに直結している仕事です。
『先祖とくらす』の次は、『隣人とくらす』を書きます。
版元は、三五館。編集者は「出版界の青年将校」こと中野長武さんです。
こちらも、乞うご期待!



さて、今日の「産経新聞」朝刊に連載中の佐久間進サンレーグループ会長の一代記「念ずれば花ひらく」に、父とわたしの写真が出ていました。
もう、10年以上も前に石垣島の砂浜で撮影した写真です。
「家族の絆を守る企業に」とのタイトルで、わが社の創業の理念が書かれています。
わたしも、わが社を、さらに家族の絆を守る企業にしたいと願っています。


               8月2日付「産経新聞」朝刊より


2010年8月2日 一条真也