ドラッカーへ・・・

一条真也です。

石川県私立大学協会から「学都」という雑誌の2010年9−10月号が送られてきました。「学術文化・都市と産業のオピニオン誌」と銘打たれています。
最終ページに7月6日にわたしが講演した記事が掲載されています.
講演のテーマは「孔子ドラッカー」でした。


                 「学都」2010年9−10月号より


わたしは、北陸大学未来創造学部の客員教授として、「孔子研究」と「ドラッカー研究」を教えています。ドラッカーを最高の経営通、孔子を最大の人間通としてとらえるわたしは、両者の思想に大きな共通点を発見しました。
ブログ「事業承継フォーラム」に詳しく書いていますが、この発見をもとにして、経営の源である人間の心を動かす法則集のようなものを書いてみたいと思いました。その結果が、拙著『孔子とドラッカー』(三五館)です。
古今東西の経営の智慧を渉猟し、人の心を動かす究極のツボを「仁」「徳」「愛」など、キーワード別のエッセイ・テイストでまとめてみました。実践的な体験談というより、あくまで私が一人前の経営者になるべく学んだ備忘録のようなものです。
いま、大いなる心の経営、つまりハートフル・マネジメントについて書きました。


                    ハートフル・マネジメント


それから、拙著『最短で一流のビジネスマンになる!ドラッカー思考』(フォレスト出版)の5刷が届きました。おかげさまで、多くの方々に読まれているようです。
100年に1度の世界不況。創業100年の世界最大の製造業であるGMの破綻。そして、ピーター・ドラッカーの生誕100周年。
昨年、これら3つの出来事が一度に重なったのは偶然とは思えません。
ましてや、ドラッカーはGMとはただならぬ深い関係にありました。
なにしろ、彼が世界中に影響を与えるそのマネジメント理論を完成させたのはGMで行なった調査がもとになっているのです。
そして、100年に一度の世界不況の原因はサブプライムローンに代表される強欲資本主義にありました。それが行き詰まり、世界経済が危機的状況に見舞われている現在、世界を救うことができるのは、社会への貢献を重視し人間を尊重するドラッカーの経営思想以外にありません。
世界中が蔓延した強欲インフルエンザに侵されているなら、ドラッカー思考はその特効薬としてのタミフルのようなものではないでしょうか。
今こそ、高らかにドラの鐘の音を鳴らす時が来たのです。
この秋から、今年も「ドラッカー研究」の講義をスタートします。


                 最短で一流のビジネスマンになる!


2010年8月29日 一条真也