助成金交付式

一条真也です。

四国の高松に来ています。
今日は、早朝から松柏園ホテルでの月次祭の後、リアル平成心学塾を開催しました。
そこで、ダウン症の天才書家である金澤翔子さんの「涙の般若心経」の話をしました。
翔子さんを紹介した映像を観ながら、彼女の人生と芸術について語りました。
ほとんどの塾生が感動して、涙ぐんでいました。


                平成心学塾金澤翔子を語る


その後、小倉駅から10時47分発の“のぞみ24号”に乗って岡山駅まで。
岡山駅から“快速マリンライナー31号”に乗り、高松駅に13時37分に到着しました。
高松駅には、社団法人・全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)の山村直毅さんが待ってくれていました。わたしは全互協の広報・渉外委員長として社会貢献基金助成金の交付式に出席するため、高松に来たのです。
社会貢献基金とは、地域のさまざまな災害の救済、社会福祉事業、環境保全事業、国際協力など 社会貢献活動を行う各種団体等への助成、並びに社会貢献に資する調査・研究を目的とした事業に対する助成を行うためのものです。
それによって、日本の生活文化と地域社会の発展に寄与することを目的としています。
互助会の全国組織である社団法人・全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は会員企業、さらには互助会会員からの募金による「社会貢献基金」を運営し、さまざまな団体に対しての助成を行っています。詳しくは、「全互協・社会貢献基金HP」をご覧下さい。
わたしは全互協の理事で広報・渉外委員長ですが、この社会貢献基金の委員も兼任しているのです。とにかく、世界中に実に多くの人々がNPOやボランティア・サークルを通じて、さまざまな支援活動を展開していることに驚かされます。
毎年多くの団体から助成金交付の申し込みがあり、審査の結果、交付するプロジェクトを選ぶのです。「互助会」が「互助社会」への入口となるためにも、社会貢献基金による助成活動の意義は非常に大きいと言えます。


                     交付式での挨拶

                   川上理事長に目録を贈呈


そして今回、高松にある“特定非営利活動法人ひかりエコ・エンジニアリング”さんに助成金を交付させていただくことになったのです。
同法人は、2004年に知的・精神障害者の雇用の受皿づくりとして設立され、現在は廃パソコン、廃パチンコ・スロットの手分解によるリサイクル事業を通じて、障害者自立就労支援事業を行っておられます。
高松駅に関係者の方が車で迎えに来て下さり、そのまま山村さんと一緒に現地に向いました。現地に到着すると、そのまま交付式です。同法人の川上敬理事長をはじめ、就労者の方々もみんな待っていて下さいました。
また、地元の地方紙である「四国新聞」の記者の方も来られていました。
わたしは挨拶の後で、助成金の目録を川上理事長にお渡ししました。


                     全員で記念撮影


その後、みなさんと記念撮影を行ってから、現場の見学をさせていただきました。パソコンやパチンコ・スロットの解体作業など初めて見たので、たいへん興味深かったです。
川上理事長は以前、北九州市のエコタウンでパソコンやコピー機の解体事業に障害者が参加している場面を見て、この事業を思いつかれたそうです。
わたしが北九州から来たことを告げると、とても喜ばれていました。
障害者の雇用を目的としたNPOは全国にありますが、なかなか苦戦しているところが多く、1ヶ月の1人あたり工賃が3000〜4000円程度のところもザラだそうです。
全国平均でも1万2000円ぐらいで、ここのところ下降気味ですが、この“ひかりエコ・エンジニアリング”さんは1万4000円以上と、非常に優良な法人となっています。
それというのも、事業性のある分野に着目されたからでしょう。


                    現地を視察しました

                 いろいろとお話をお聞きしました


わたしは、川上理事長が「障害者雇用」および「リサイクル」という、社会に役立つ2つの事業を見事にドッキングされていることに感銘を受けました。
理想だけでは、何事も長続きしません。障害者に雇用を提供するという志に、解体リサイクルという現実的な事業を当てはめたところに、初めて継続性が生れたのです。
その晩年、企業よりもNPOの経営について情熱を傾けたピーター・ドラッカーがこのことを知ったならば、きっと大いに絶賛したことでしょう。
川上理事長のようなNPO経営者が増えれば、日本はもっと住みやすくなり、互助社会の実現も近づくのではないでしょうか。
最後に、17名の就労者の中には、ダウン症の女性もおられました。
彼女は一生懸命に働いていました。その姿を見たとき、今朝話した金澤翔子さんの姿と重なって、わたしの涙腺が少し緩んでしまいました。
今日は、本当に良い経験をさせていただきました。


                10月19日付「四国新聞」朝刊より  


2010年10月18日 一条真也