水嶋ヒロのテーマ

一条真也です。

俳優の水嶋ヒロの処女作『KAGEROU』が、ポプラ社小説大賞を受賞しました。
本名の齋藤智裕名義で執筆し、ペンネームは「齋藤智」としたそうです。
芸能人であることを隠し、職業欄も無記名で応募したとか。
ということは、今回の受賞は完全に実力によるものです。すごいですね!


水嶋ヒロの会見をテレビで観て、まず思ったのは、彼の話す日本語の美しさです。
彼はスイスで育った帰国子女ですが、帰国当初は慣れない日本語に苦労したとか。
それで、なんとか正しい日本語をおぼえたくて、懸命に国語を勉強したそうです。
その結果、一般の日本人よりもはるかに美しい日本語の使い手となりました。
それから思ったのは、彼の「真摯さ」です。
絢香との婚約会見とのときも感じましたが、彼はその華麗なルックスからはちょっと想像しにくいくらい実直な人ではないでしょうか。いま、愛する女性を「守っていきたい」という、あれほどシンプルで力強い言葉を吐ける男性はいないのではないでしょうか。
婚約会見を観て、わたしも「カッコイイなあ!」と思ったものです。


水嶋ヒロは、怪我で断念しましたが、サッカー選手としても優秀だったそうです。
もちろん、俳優としても若手のホープ的な存在でした。
「天は二物を与えず」と言いますが、彼は二物も三物も与えられたわけですね。
一部では、彼を「パーフェクト・ボーイ」などと呼んでいるそうです。
でも、日本人は基本的にマルチな才能を嫌うという国民性なのが気になります。
2000万円の賞金を辞退した背景には、やっかみを避ける目的もあったのでしょう。
くれぐれも、彼の才能が変な嫉妬に押しつぶされないようにしてほしいですね。
これからは、水嶋ヒロ絢香を守るごとく、ポプラ社がしっかり彼を守ってあげないと!
ポプラ社小説大賞の選考事務局は『KAGEROU』を「ジャンルを飛び越えた新しい小説」と高く評価する一方で、処女作らしく荒削りな面もあったとしています。
その内容の“斬新さ”ゆえに賛否両論もあったといいますが、最終的には「それをも凌駕する書き手のパワー」が大賞の決め手となったようですね。


                水嶋ヒロ君も来てくれないかな?


そして、水嶋ヒロの処女作のテーマは、ずばり「命」です。
彼は、3万人以上という日本人の自殺者の多さにとても驚いたそうです。
そして、なんとか自殺を少しでも減らしたいという思いで『KAGEROU』を書いたとか。
「自殺」といえば、5日の13時から、いよいよ「自殺のない社会づくり」をテーマにした公開フォーラムが東京・赤坂の日本財団大会議室で開催されます。
いわば、日本における「自殺」問題の専門家が集結するサミットみたいなイベントです。
わたしも、「隣人祭り」についての報告をします。ぜひ、ふるってご参加下さい!


                  「財界九州」11月号より


今日、九州を代表する財界誌である「財界九州」の11月号が届きました。
わが社のムーンギャラリーを取り上げてくれていました。
愛する人を亡くした人のための館であるムーンギャラリーのテーマも「命」です。
小説で、フォーラムで、ギャラリーで、いろんなスタイルで、1人でも多くの日本人が「命」について考え、自殺のない社会が実現することを願っています。


2010年11月2日 一条真也