『独言』

一条真也です。

本名の佐久間庸和で書いた、新しいブックレットが完成しました。
タイトルは『独言』です。「互助会から互助社会へ」というサブタイトルがついています。
内容は、これまで業界紙に連載していたコラムをまとめたものです。


                     ブックレット『独言』


わたしは、2002年の8月より、社団法人・全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)が隔月で刊行している「互助会通信」の巻頭コラム「独言」を「一条」の名で書いています。
ブログ「つぶやき」に、ツイッターをはじめる予定はないと書きましたが、「つぶやき」ならぬ「ひとりごと」はずっと続けておりました(笑)。
コラム執筆を引き受けたのは、当時わたしが全互協の広報委員だった関係からでした。
全互協とは、冠婚葬祭互助会業界における最大の団体です。
互助会事業の法制化スタートに伴って、1973年に誕生しましたが、わが社の佐久間進会長が全互協の初代会長を務めました。

 
                   「互助会通信」の第1面


では、冠婚葬祭互助会、いわゆる互助会とは何でしょうか。
互助会はその名の通り、「相互扶助」をコンセプトとした会員制組織です。
終戦直後に横須賀市で生まれ、全国に広まっていきました。その歴史は60年ほどですが、実はきわめて日本的文化に根ざした「結」や「講」にルーツはさかのぼります。
「結」は、奈良時代からみられる共同労働の時代的形態で、特に農村に多くみられ、地域によっては今日でもその形態を保っているところがあります。
一方、「講」は、「無尽講」や「頼母子講」のように経済的「講」集団を構成し、それらの人々が相寄って少しずつ「金子」や「穀物」を出し合い、これを講中の困窮者に融通し合うことをその源流としています。
このような「結」と「講」の2つの特徴を合体させ、近代の事業として確立させたものこそ、冠婚葬祭互助会というシステムなのです。
日本的伝統と風習文化を継承し、「結」と「講」の相互扶助システムが人生の2大セレモニーである結婚式と葬儀に導入され、互助会は飛躍的に発展してきました。
そして、全互協加盟の互助会は、社会貢献基金を立ち上げ、育ててきました。
これは、地域のさまざまな災害の救済、社会福祉事業、環境保全事業、国際協力など社会貢献活動を行う各種団体等への助成、並びに社会貢献に資する調査・研究を目的とした事業に対する助成を行うためのものです。
それによって、日本の生活文化と地域社会の発展に寄与することを目的としています。
現在、全互協では、社会貢献基金助成金交付を各種のNPOやボランティア団体などに対して行っています。そう、「互助会」から「互助社会」へ。
それはまた、あらゆる人々を縁でつなぐ「有縁社会」のモデルでもあります。
無縁社会」が叫ばれ、生涯非婚に孤独死や無縁死が問題となる中、冠婚葬祭互助会の持つ社会的使命はますます大きくなると思っています。


                      『独言』の目次

                      『独言』の内容


「独言」は、2010年の8月25日号で、連載50回目を数えました。
その前月の7月より、全互協の広報・渉外委員長に就任することになり、これを記念に、「独言」全50回分を収録したブックレットを作成するはこびとなったのです。
コラムの話題は多岐に渡りますが、いずれも互助会の本来の意義、そして可能性を問うたつもりです。わたし自身、互助会の本質について考える良い機会となりました。
なお、このブログを読まれた方が希望されるなら、無料でお送りいたします。
ご希望の方は、わたしの公式サイト「ハートフルムーン」のメールをお使い下さい。


2010年12月16日 一条真也