葬式と仏教

一条真也です。

今朝、銀座駅のKIOSKを見たら、新しい「週刊 東洋経済」が発売されていました。
言うまでもなく、日本最古の伝統ある雑誌です。
「新春合併特大号」ということで、特集は「2011 大予測」です。

 
               「週刊 東洋経済」12/25−1/1号


最後は「社会・暮らし」の大予測として、「葬式はいる? いらない?」というテーマで見開きページが組まれ、またしても(笑)島田裕巳氏と一緒に小生が登場しました。
今年は、本当によく島田氏と一緒に取り上げていただきました。
島田氏は「今の仏式葬式は無意味だ 一層簡素化が進むだろう」というタイトル。
わたしは「葬式は『人らしさ』の証明 死を弔わぬ文化は日本の恥」というタイトル。
それぞれが、著書の内容をベースに持論を語っています。


                     またしても激突!


ただ、わたしの発言で事実と違う点がいくつかありました。
記者の方が非常に若かったせいか、葬儀についての基本的な勘違いがあったのかも。
たとえば、「マンション坊主」と「グリーフケア」が結びつけて論じられています。
でも、本来、これらの問題には関係がありません。
東京に多いマンション坊主が手がける葬儀は、遺族の悲しみを癒すグリーフケアどころか基本的な儀式の部分さえ満足に提供できていない現実があります。
また、「しのぶ会」や「おわかれ会」などが実はあまり行われていないという発言も記憶にないのですが、記者の方は何か勘違いをされたのかもしれません。
でも、全体的に、葬儀について真摯に考え、よくまとまった記事だと思います。
さすが、伝統ある「週刊 東洋経済」の記者だなと感心しました。日本最古の雑誌の今年最後で来年最初の号に登場させていただき、まことに光栄でした。



なお、わたしは「島田氏の指摘する仏教界への提言には賛同できる点も多い」と述べています。これは誤解でも勘違いでもなく、本当にそう発言しました。
わたしは現在、仏教界のオピニオン・ペーパーである「中外日報」の1面コラムを連載しており、日本仏教について考える機会が多いです。
また本日は、映画「手塚治虫ブッダ」の試写会にも行きました。
東映の本社で、(財)全日本仏教会の方々にもお会いしました。
ブッダが開いた仏教、そして聖徳太子が道をつくった日本仏教は、これからどうなるのでしょうか? クリスマス・ソングが流れる銀座の街で、そんなことを考えました。


2010年12月20日 一条真也