金沢からの書評

一条真也です。

ブログ「金沢から」でご紹介した大浦さんからメールが届きました。
大浦さんのブログで『満月交感 ムーンサルトレター』(水曜社)を紹介して下さったという内容でした。早速、大浦さんのブログを拝見しました。


                    大浦さんのブログより


出版社の紹介に「満月の夜、宗教哲学者 “鎌田東二” とハートフル作家 “一条真也” が交わす神話・儀礼・宗教・芸術・哲学・民俗・社会の話……。ドラッカーから村上春樹まで縦横無尽!一刀両断!」とあり、大浦さんは「ちょっと難しそうだなあ・・・」と思われたそうです。でも、「まえがき」の最後にある「満月に吠える二匹の狼が 世直しめざす人に化けたり」という短歌を読まれて、わたしの思いが伝わってきたそうです。
全部で60信におよぶレターですが、第1信が2005年10月でした。
大浦さんは、「ああ、郁代が旅立った2か月後に始まっている」と、亡くなられた娘さんを思い出されたとか。そして、読み始めるとすぐに「折口信夫」の名が出てきました。
大浦さんは、わたしが鎌田東二先生のことを「現代の折口信夫」としてイメージしていたことを知り、これだけでもう、引き込まれてしまったそうです。
というのも、大浦さんは七尾市中島町の実家への行き帰り、羽咋市一ノ宮町にある、折口博士父子の墓を何度か訪れていたからです。


                    大浦さんのブログより


大浦さんは、折口信夫と養子の春洋のことを書かれていました。
それからは、まるで数珠つなぎのように、泉鏡花東茶屋街のこと、仲代達矢さんと「無名塾」のこと、五木寛之さんと『親鸞』のこと、星山佳須也さんと『1000の風』と山元加津子さんのこと、サン=テグジュペリ金子みすずのこと・・・・・・といった具合に、さまざまな話題に触れていただきながら、不思議で素敵な書評を書いて下さいました。
わたしは、大浦さんの教養の豊かさに心から敬意を抱くとともに、わたしを大浦さんにつないで下さった佐藤修さんと同じく、分厚くて文字数の多い二巻本を一気に読了されたことに驚きました。もちろん、とても嬉しかったです。



大浦さんは、「かっこちゃん」こと山元さんとも縁が深く、山元さんの『満月をきれいと僕は言えるぞ』(三五館)と本書『満月交感 ムーンサルトレター』という「満月」の本が同時期に出版されたことを非常に不思議に思われ、また喜んで下さいました。
そのことを「宇宙の約束」というブログ記事にも書いて下さっています。
ところで、その山元さんからも昨夜メールを頂戴しました。
それによると、山元さんの本棚の中に拙著『ユダヤ教vsキリスト教vsイスラム教』(だいわ文庫)を見つけられたそうです。
この本は人類の存続に関わる宗教対立についての本ですが、「対立」などとはまったく無縁の山元さんが読んでおられたとは少し意外でした。でも、とても嬉しかったです。
山元さんは、「わあ、私、ずっと前から、私も一条さんのご本を読んでいました。うれしくてうれしくて。なんだか泣けるくらいうれしいです。ずっと知らない間に、お互いにちゃんとつながっていたのかなって思えたから」と書いて下さいました。
本当に、山元さんとも、大浦さんとも、それから三五館の星山社長ともちゃんとつながっていたのだと痛感し、ありがたい気持ちでいっぱいになりました。



また、本日、江戸しぐさ語り部の越川先生からお手紙を頂戴しました。
それによれば、越川先生は22日(土)のわたしの東京自由大学での講義を聴きに行きたかったのだけれども、その日はご自身の講演が入っておられて残念だったということでした。そして、越川先生も東京自由大学で講義をされたことがあるとのことでした。
驚きました。これもまた不思議な御縁です。
山元さん同様に、わたしと越川先生の間にも、星山社長の存在があります。
どうも、星山社長がわたしの「縁」のコントローラーのように思えてきました(笑)。



わたしは、きっと、まだお会いしたことのない方々とも、つながっているのでしょう。
まだお会いしていないだけで、しっかりつながっているのだと思います。
そう、この世は見えない「縁」で、満ちあふれているのです。
それを少しづつ見える形にしていくことができれば、どんなに素敵なことでしょう!
おかげさまで、わたしの周囲には豊かな縁が満ち満ちています。
フェイスブックに頼らずとも、一条真也は人間関係に恵まれております(笑)。
大浦さん、心に染みる書評、どうも、ありがとうございました。
きっと、鎌田先生も喜んで下さることと思います。


2011年1月25日 一条真也