地震列島の隣人

一条真也です。

東京在住の知人のブログなどを読むと、いかに今回の地震が大きかったかがよくわかります。東京でこれほどですから、東北での被害の大きさは想像もつきません。


わたしも、地震を体験したことがあります。
2005年の3月20日のことでした。
あの地下鉄サリン事件から、ちょうど10年目の日でした。
九州北部で大きな地震が発生したのです。おりしも全互協・九州ブロックでは、災害時における被災者への物資提供プロジェクトが進行中でした。
地震が発生したとき、わたしは北九州市の自宅にいました。
書棚から本や置物が落ちてくる光景を生まれて初めて見たことを記憶しています。



この四半世紀に世界で発生したマグニチュード6以上の地震は1800以上を数えるそうですが、そのうち一割強が日本で起きています。
やはりこの国では、大地震はどこででも起こると考えていた方がいいでしょう。
専門家や政府の備えは首都圏に向きがちでした。
予知が可能なのは東海地震だけといわれます。警戒の空白を突くかのように16年前には阪神を、7年前は新潟を、6年前は九州北部を、そして今回は東北を襲ったわけです。
2005年2月、政府・中央防災会議が首都直下地震についての被害想定をまとめました。それによると、死者1万3000人、避難者700万人。最悪の場合には、経済損失は国家予算を大きく超える120兆円にもなるとのことでした。四季を持つ「美しい島国」日本とは、美しい自然が時にキバをむく「地震列島」でもあるのです。



東北では家屋などの下敷きになった方もいるとされています。
今夜は雪が降るそうなので、なんとか一刻も早く助け出されてほしいものです。
テレビのニュースで専門家が言っていましたが、家屋の下敷きになった人の発見および救出は75%以上が隣人によるものだそうです。
わが家が倒壊して寒さに凍える人も多いはずです。2〜3日すれば、救援物資なども届くでしょうが、今夜はなんとか隣人たちが助け合ってほしいと願っています。
思えば、1995年の阪神淡路大震災のときに、日本に本格的なボランティアが根づきました。つまり、日本における「隣人の時代」の夜明けだったわけです。
今また、多くの方々が隣人の助けを必要としています。
無縁社会や孤族の国では、困っている人を救えません。
各地の隣人たちが「隣人愛」を発揮してくれることを願っています。


2011年3月11日 一条真也