一条真也です。
「出版寅さん」こと内海準二さんからメールが来ました。
ひとこと「佐野元春の詩に感動しました。」とだけ書かれ、「佐野元春オフィシャル・ファンサイト」のアドレスが貼り付けられていました。
開くと、最初にデビュー30周年記念の東京コンサートを中止する旨が告げられ、次いで地震発生直後の自身の誕生日に佐野さんが作った詩が掲載されていました。
ブログ「SOMEDAY」にも書いたように、わたしにとって佐野さんは特別なアーティストですが、この詩にはわたしも感動しました。
余計なコメントを加えずに、そのまま紹介させていただきたいと思います。
それを「希望」と名づけよう
街が揺れた夜、君はひとり無断で、
市営プールに潜りこみ、身体を水に浸たし
そして暗がりの中、瞑想した
人は時に、光に水に、雨に風に、感謝し、
人は時に、光に水に、雨に風に、屈服する
この闇の向こうに震えるのは
誰か、嘆きの声
同胞の不在は確かに不可解だ
それはそうだ
しかしどうだろう
君は偽善の涙など流さないと誓ってくれ
決まりきったお悔やみなど無用だと言ってくれ
夜が明けて、そこにいつもどおりの太陽が照り、
草木は首をもたげ、
鳥たちは空を往く
あぁ、美しくも残酷なクリシェ!
一方で、
君の身体の細胞ひとつひとつに染みいる光はどうだ
傷だらけではあるが依然雄々しいその筋肉はどうだ
そうさ、君は同胞の不在を気にかけているんだろうが、
たとえば、
偶然にも生き残った君の生を讃えてみてはどうだ?
たとえば、
生き残ったことへの幸運を噛みしめてみてはどうだ?
不謹慎だとわめく偽善者を後に残し
君が光を放つことで、友を弔うんだ
それを「希望」と名づけていいんだよ
余震は続く
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2011年 誕生日に寄せて
ブログ「桑田佳祐の祈り」にも書いたように、わたしは桑田佳祐さんを「祈り」のアーティストだと思っていますが、佐野元春さんもそうであることに気づきました。
だって、「SOMEDAY」とは「希望」の別名に他なりません!
「君が光を放つことで、友を弔うんだ」というフレーズが心に残ります。
いつか、曲付きのこの歌を聴きたいです。
2011年3月26日 一条真也拝