田川西紫雲閣竣工式

一条真也です。

福岡県田川市に、わが社の新しいセレモニーホールが完成しました。
名称は「田川西紫雲閣」です。今日、その竣工式が行われました。
おかげさまで、サンレーグループで46番目、福岡県では22番目のホールになります。


                     田川西紫雲閣  


これまで田川紫雲閣がありましたが、広い田川市全域をカバーするにはキャパシティが足らず、多くの会員様、お客様にご不便をおかけしていました。ずっと新セレモニーホールに最適な土地を探していましたが、ようやく見つかり、オープンに至った次第です。
近くにある風治八幡宮から2名の神官に来ていただき、滞りなく神事を終えました。
神事終了後の施主挨拶で、わたしは「田川西紫雲閣  の完成によって会員様のお役に立てることができて嬉しいですが、心の中は被災地のことでいっぱいです」と述べました。
「この会館は田川の“西”にありますが、わたしの心は“東”に向っています。田川の“東”ではなく、はるか日本の“東”、つまり東日本です」とも言いました。


                    式典で挨拶しました

           「紫の雲ぞ来たれり田川西 はるか東の御霊を偲び」


宮崎駿監督の言葉のように「埋葬もできないままがれきに埋もれている人々を抱えて」おり、25%が身元不明という大量の遺体が火葬ではなく土葬されているのが現状です。
葬式は必要!』(双葉新書)にも書いたように、葬儀とは「人間の尊厳」を守ることに他なりません。わたしは、「何よりも大震災の犠牲者の亡骸が1人でも多く人間らしく弔われてほしいと祈りつつ、わたしたちは一件一件のお葬儀を『人間の尊厳』を守るという強い使命感をもってお手伝いしたい」と述べ、次のような短歌を披露しました。
「紫の雲ぞ来たれり田川西 はるか東の御霊を偲び」


                  支配人より決意表明を受ける



施主挨拶の後は、支配人による「決意表明」です。
山形支配人より、この地で多くの方々の人生の卒業式を心をこめてお世話させていただき、地域に愛される会館をめざしますという力強い決意を受け取りました。
セレモニーホールというのは、いまや地域のインフラであると思います。
そして、そのことが再確認されたのが、今回の大震災でした。
葬儀が華美である必要など、ありません。
しかし、やはり人並みに葬儀をあげることが大切です。
人間らしく人生を卒業していけることがいかに幸せなことか。
そのことを、いま、多くの方々が噛みしめています。


                  直会で挨拶する佐久間会長


その後、簡単な「直会」が行われました。
佐久間進サンレーグループ会長の挨拶に続いて、神酒の乾杯です。
風治八幡宮の若い禰宜さんが音頭を取りました。
その禰宜さんは、乾杯の前に以下のような挨拶をされました。
自分は神主なので、祝い事に呼ばれることが多い。当然ながら、「おめでとうございます」と祝いの言葉をかける。しかし、最近は大震災の悲惨なニュースに毎日触れて、「おめでとう」と言い続けることが悪いことにように思えてきた。神主の仕事をいったん休んで被災地にボランティアに行くことも考えた。しかし、あるとき、ラジオ番組で「今の自分の仕事をしっかりすることが大切」という話を聞いて、吹っ切れた。自分は、今日のこの良き日に、神主として、堂々と祝いの言葉を言いたいと思う。
そして、「田川西紫雲閣の竣工、誠におめでとうございます。乾杯!」と発声されました。若い禰宜さんの真摯な言葉を聞いて、一同、胸が熱くなりました。
そう、各自が自分の職務をしっかり務めること、それが日本復興への第一歩でしょう。


                    サンレー本社の玄関


日本復興といえば、サンレー本社に戻ってすぐ、社長室に一本の電話がありました。
内閣官房の内閣情報分析官の方からでした。
じつは昨日の夕方も電話をいただいたのですが、わたしが不在だったのです。
その方は、『隣人の時代』(三五館)を読まれて、感銘を受けられたそうです。
そして、わたしの話を直接聞きたいということで、わが国が抱えている多様な問題について意見を求められました。かなりの時間を電話で話しましたが、その方の示される問題がすべて、いつもわたしが考えているテーマばかりだったので驚きました。
わたしは、それらの問題について、自分なりの解決案を持っています。
今日はそのサワリだけお話しましたが、今度は上京して内閣官房を訪問し、直接申し上げたいと思います。わたしの考えていること、わが社が実践していることが少しでも日本国のお役に立てれば、こんなに嬉しいことはありません。
そして、わたしには、この国を救う具体策を提案する自信があります。
今後の展開を、どうぞ、お楽しみに!

                    
                   「ふくおか経済」5月号



2011年3月29日 一条真也