尾道空き家再生プロジェクト

一条真也です。

今日は尾道に来ています。
ブログ「3つの記念日」にも書いたように、今日は「一条真也」の23歳の誕生日です。
それから、わたしの22回目の結婚記念日でもあります。
そんなワケありの今日ですが、出張が入りました。
朝、小倉駅から新幹線「ひかり」で福山駅まで。
福山駅からはJR山陽本線に乗り換え、尾道駅に着きました。


                     尾道にやって来ました!


尾道に来たのは、生まれて初めてです。
今日は、(社)全互協の広報・渉外委員長として来ました。
そうです、社会貢献基金助成金を届けに来たのです。
ブログ「助成金交付式」ブログ「互助社会に向って」ブログ「ぴーす」、さらにはブログ「隣人愛と勇気」などで社会貢献基金については書いてきました。
今回は、「NPO法人 尾道空き家再生プロジェクト」さんへ助成金を交付に来ました。
本当は、3月中旬に交付式を行うことを予定していました。
しかし、あの東日本大震災によって、今日まで延期になったのです。


                これが尾道の和製ガウディハウスだ!

                    交付式を行いました

               一級建築士の先生から説明を受けました


尾道空き家再生プロジェクト」は、高齢化やライフライン未整備などにより空き家が急増している尾道市の山手地区を中心に、「尾道らしい町並みや家並みを可能な限り長く守り続け、未来の子どもたちに残していきたい」という思いからスタートした団体です。
代表理事の豊田雅子さんは地元では非常に有名な方ですが、昭和初期に建てられた尾道駅裏の通称「和製ガウディハウス」を自ら購入されました。
そして、その保存・再生に着手したのが直接のきっかっけだそうです。
今日は、その和製ガウディハウスの前で交付式を行いました。
一級建築士尾道大学非常勤講師である渡邉義孝さんが立ち会って下さいました。渡邉さんは、同施設の保存・再生に関わっておられます。
また、読売新聞大阪本社の福山支局・尾道通信部の布施勇如主任、中國新聞社の尾道支局の山成耕太記者が取材に来て下さいました。

 
                和製ガウディハウスの「かまど」で

                  新聞社の取材を受けました


交付式の後、和製ガウディハウスの中に入って、渡邉さんから説明を受けました。
まるで宮崎駿監督のアニメ映画「千と千尋の神隠し」に出てくる湯屋のような斜面地に建つ不思議な建造物です。尾道は三軒家町の旧和泉家別宅だそうです。
中に入った瞬間、わたしは言いようのないデジャ・ヴ(既視観)を経験しました。それもそのはず、1932年(昭和8年)に着工されたという木造2階建て(一部地下室)の和製ガウディハウスは、築80年以上の超ボロ家であるわが家にそっくりだったからです。
出窓とか洗面所の飾り窓などのデザインも似ていました。漆喰塗りで天井まで仕上げた洋室が「和洋併設」時代の証とされているそうですが、このへんもわが家と同じです。
わたしは呆然としながら、和製ガウディハウスの中を見て回りました。
千と千尋の神隠し」に出てきたような「かまど」もありました。
この建物は、「さびしんぼう」や「ふたり」など、大林宣彦監督の映画でも登場するとか。


                    北村洋品店の前で
 
                  つるけんたろう氏の仕事場


和製ガウディハウスを出た後は、やはり空き家再生プロジェクトの」成功例である「北村洋品店」や「三軒家アパートメント」などを視察しました。
アパートメントには、漫画家・つるけんたろう氏の仕事場もありました。
「天狗プレイ場」という名で、卓球台を仕事机にされているのには驚きました。
その他にも、カフェとか手芸工房とか、いろいろな空間が同居しています。
全国各地から、さまざまな人々が、この空き家を再生したアパートメントに集い、支え合い、助け合いながら、「坂道のある暮らし」を楽しんでいます。
その姿に、わたしは、新しい「隣人の時代」を感じてしまいました。


                  空き家を利用したカフェで

            三軒家アパートメントの前で、代表の豊田さんと


尾道空き家再生プロジェクト」は、いくつかの空き家を取得あるいは借りてアートイベント、チャリティバザーなどを行って再生事業の費用に充てたり、建築技術者・職人・建築士・大学教員などと協力して建築・都市景観などに関する講座も実施することで、市民の関心を高めていくことも計画されているとか。
代表理事である豊田さんの個人的なネットワークから生まれ、発展したわけですが、2007年に任意団体として設立され、翌08年にNPO法人の認可を受けられたそうです。
このプロジェクトを見て、昨日訪れた門司港などにも参考になると思いました。
ちょうど補修工事中のわが家も、小倉の「和製ガウディハウス」にできないかな?


2011年5月20日 一条真也