おのみち映画資料館

一条真也です。

尾道は「坂の街」、「文学の街」、そして「映画の街」。
「文学のこみち」を通り、千光寺を通り、下界へ降りてきました。
そこから、「おのみち映画資料館」へ行きました。


                  「おのみち映画資料館」の前で

                      館内のようす


ここは、20席あるミニシアターなど、映画の街である「尾道」、スクリーンの中の「尾道」を感じることができる施設でした。
入口を入るとすぐ、小津安二郎監督の「東京物語」に関する展示コーナーがありました。
東京物語」以外の小津映画も多く紹介・解説されています。
ブログ「小津安二郎展」にも書いたように、わたしは小津映画についての本を執筆する準備を進めていますので、非常に興味深く観賞しました。


                入口を入ると「小津安二郎コーナー」が

                     小津映画の一覧

                   「尾道ロケ映画」の前で


館内には、尾道でロケが行われた映画のスチール写真も多く展示されていました。
2階にある展示室は、なんと「新藤兼人コーナー」となっていました。
わたしの大好きな「裸の島」や「鬼婆」のポスターも発見!
ブログ「映画人」で紹介した新藤さんとお会いした日のことを思い出しました。
多くの展示物を見ながら、わが国の現役最年長監督である新藤兼人氏が膨大な数の映画を作っておられることを改めて痛感しました。


                 2階は「新藤兼人コーナー」でした

                   「裸の島」には感動しました

                   「鬼婆」には震撼しました


残念だったのは、「おのみち映画資料館」に大林宣彦監督の映画についての展示がゼロだったことです。大いに期待していただけに、これにはガッカリでした。
受付の方に尋ねると、大林監督サイドから許可が下りないので展示できないそうです。
大林監督といえば、『尾道三部作』であり、『新・尾道三部作』です。
なぜ、尾道で唯一の映画資料館での展示を許可しないのでしょうか?
大林監督にとっても、そのような行為は得策ではないと思うのですが・・・。
詳しい事情はわかりませんが、ぜひ考え直していただきたいものです。
トルストイではないですが、芸術は個人のものではなく万人のものだと思います。


2011年5月21日 一条真也