人間の証明

一条真也です。

歌手・俳優のジョー山中さんが亡くなられました。64歳でした。
本日の午前6時56分、肺がんのため神奈川県横須賀市の病院で死去されました。
山中さんは、ボクサーを経て芸能界に入り、ロック歌手や俳優として活躍されました。


                  「Yahoo!Japanニュース」より


ずっと闘病生活を続けておられましたが、とても他人に優しい方だったそうです。
音楽プロデューサーの山田廣作氏は、「ジョー山中はミュージシャンとしても超一流だけど、人間的にも最高の男なんだ。アフガニスタンを中心に難民キャンプを回ってボランティア活動を続けているんだ」と語っています。



山中さんといえば、映画「人間の証明」の主題歌「Mama,Do you remenber・・・」を歌ったことで有名です。この歌は大ヒットしました。
歌詞は西條八十の詩を英訳したもので、その中の「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね ええ、夏、碓氷峠から霧積へ行くみちで 渓谷へ落としたあの麦藁帽ですよ…」
は映画公開時のCMにも用いられて、とても有名になりました。



わたしは1977年の映画公開当時、中学2年生でした。
原作も読んでおり、この映画を1人で観に行ったことを記憶しています。
そして、山中さんが歌う主題歌を一発で気に入りました。
ブログ「人間のうた♪」でも紹介したことがあります。
角川映画人間の証明」のテーマ曲です。
舞台となるホテルは、東京のホテルニューオータニでしたね。
原作者の森村誠一氏は、ニューオータニのホテルマンとして働いていたそうです。
「Mama,Do you remenber・・・」というフレーズが今も耳に残っています。
ジョー山中さんの歌唱力は、とにかく絶品でした。


山中さんは、米黒人兵と日本女性との間に生まれたハーフでした。
現在と違って“昭和”の日本社会には差別感情が根強く、想像を絶する過酷な人生を送ってきました。しかし、決して差別に屈せず、山中さんは前向きに生きました。
きっと、「なぜ、人間は差別をするのか」、「なぜ、人間は憎むのか」、そして「なぜ、人間は愛するのか」と考えながら生きてきたのではないでしょうか。
そんな山中さんにとって、アフガンでのボランティア活動こそは「人間の証明」だったのかもしれませんね。心より御冥福をお祈りいたします。合掌。



                  「スポーツ報知」8月8日号


2011年8月7日 一条真也