互助会保証講演

一条真也です。

東京に来ています。
今日は、神谷町の第40森ビルにある互助会保証株式会社を訪れました。
そして15時から、同社の幹部の方々に講演をさせていただきました。
テーマは、「これからの冠婚葬祭互助会〜有縁社会をめざして」でした。


                  互助会保証が入る第40森ビル

                   講演をさせていただきました


互助会保証株式会社は、経済産業大臣から指定を受けた指定受託機関です。
冠婚葬祭互助会に対する保証事業を行うために、互助会と金融機関の出資で設立されました。わが社をはじめ互助会各社が日頃から大変お世話になっています。
1972年(昭和47年)に「割賦販売法の一部を改正する法律」が成立し、互助会事業が同法の対象となるに伴い、互助会事業における加入者からの前受金保全措置としての供託委託契約の受託を事業目的として、73年に設立されました。
同社が設立された当時の互助会業界は、前受金が200億円、会員契約件数が4百万件程度でしたが、現在では前受金が2兆円、会員契約件数が2千万件を超えるなど、互助会業界は、飛躍的に成長してきました。
同社も、これとともに業容を拡大し、併せて、保証基盤の強化を図ってきました。
今後、互助会は、より一層会員(消費者)に向けた経営が必要な時代になっています。
同社は、互助会業界の健全な発展を支援し、会員(消費者)の権利保護を強化することで、会員(消費者)からの一層の信頼確保に積極的に取り組んでいきます。
互助会保証があればこそ、国民は安心して互助会に入会できると言えるでしょう。
藤島社長は元通産官僚、通商産業大臣官房審議官、駐パナマ大使、総合商社のトップなどを経て同社の社長に転進された方です。
わたしは、日頃より非常に教養豊かなエグゼクティヴとして敬愛しております。
その藤島社長は「開かれた互助会保証」というスローガンを掲げておられ、わたしのような一介の互助会経営者が講演させていただく機会を与えていただきました。


                 互助会の理念についてお話しました


そもそも、冠婚葬祭互助会とは何でしょうか。
互助会はその名の通り、「相互扶助」そのものをコンセプトとした会員制組織です。
終戦直後に横須賀市で生まれ、全国に広まっていきました。その歴史は60年ほどですが、実はきわめて日本的文化に根ざした「結」や「講」にルーツはさかのぼります。
「結」は、奈良時代からみられる共同労働の時代的形態で、特に農村に多くみられ、地域によっては今日でもその形態を保っているところがあります。
一方、「講」は、「無尽講」や「頼母子講」のように経済的「講」集団を構成し、それらの人々が相寄って少しずつ「金子」や「穀物」を出し合い、これを講中の困窮者に融通し合うことをその源流としています。
このような「結」と「講」の二つの特徴を合体させ、近代の事業として確立させたものこそ、冠婚葬祭互助会というシステムなのです。
日本的伝統と風習文化を継承し、「結」と「講」の相互扶助システムが人生の二大セレモニーである結婚式と葬儀に導入され、互助会は飛躍的に発展してきました。


                    無縁社会から有縁社会へ


いま、日本は「無縁社会」などと呼ばれています。
ぜひ、これを「有縁社会」へと変えなければなりません。
この世にあるすべての物事や現象は、みなそれぞれ孤立したり、単独であるものは一つもありません。他と無関係では何も存在できないのです。すべてはバラバラであるのではなく、緻密な関わり合いがあります。この緻密な関わり合いを「縁」と言うのです。
人間には、家族や親族の「血縁」をはじめ、地域の縁である「地縁」、学校や同窓生の縁である「学縁」、職場の縁である「職縁」、業界の縁である「業縁」、趣味の縁である「好縁」、信仰やボランティアなどの縁である「道縁」といったさまざまな縁があります。
今言った「縁」を結んだ人々は、いずれも自分の葬儀に参列してくれる可能性のある人たちです。つまりは、「おくりびと」になってくれる人たちです。
これらの「縁」がいずれも希薄化しているために社会が「無縁化」し、通夜や告別式を行なわずに火葬場に直行する「直葬」なども増えているわけです。
しかし、あきらめるのは早いのではないでしょうか。わたしは、それらの絆をもう一度強く結び直す具体的な方法があると思っています。
すなわち、血縁を結び直す「法事・法要」、地縁を結び直す「隣人祭り」、学縁を結び直す「同窓会」、職縁を結び直す「OB会」、業縁を結び直す業界の「勉強会」、好縁を結び直す「サークル」、道縁を結び直す各種の「集会」、新たな血縁を作り出す「婚活」です。
血縁、地縁、学縁、職縁、業縁、好縁、道縁……一口に「縁」といっても、じつにさまざまな「縁」があるのです。そして、それらすべての「縁」に関連しているものこそ、「冠婚葬祭」ではないでしょうか。すべての「縁」という川は、「冠婚葬祭」という大河あるいは海に流れ込むのではないかと思います。


               互助会の社会的使命についてお話しました


わたしたちは「無縁社会」にどう向き合えばよいのか。
さらに言うなら、どうすれば「無縁社会」を乗り越えられるのか。
わたしは、その最大の方策の一つは、「隣人祭り」だと思います。
隣人祭り」とは、地域の隣人たちが食べ物や飲み物を持ち寄って集い、食事をしながら語り合うことです。都会に暮らす隣人たちが年に数回、顔を合わせます。
隣人祭り」のキーワードは、「助け合い」や「相互扶助」です。
それなら、多くの人は日本に存在する某組織のことを思い浮かべるのではないでしょうか。そう、互助会です。正しくは、冠婚葬祭互助会といいます。「互助」とは「相互扶助」を略したものなのです。わたしはフランスで起こった隣人祭りと日本の互助会の精神は非常に似ていると思っています。そして、わが社の「隣人祭り」開催サポート活動などを紹介しながら、「豊かな人間関係」こそ冠婚葬祭事業のインフラであり、冠婚葬祭互助会は「有縁社会」を再構築する力を持っているのだと訴えました。
冠婚葬祭互助会の持つ社会的使命はますます大きくなると思っています。


                  多くの質問が寄せられました


わたしが話し終えると、じつに多くの質問を寄せていただきました。
講演終了後は、懇親会が開かれ、藤島社長をはじめ同社幹部のみなさんと意見を交換させていただきました。今日は、日頃からお世話になっている互助会保証さんで講演することができ、思い出深い日となりました。わたしは全互協の広報・渉外委員長として、また全互連の副会長として、サンレーの社長として、今後とも互助会が真に社会から必要とされる存在となるためのお手伝いをさせていただきたいと願っています。
今日は、その志を再確認することができ、非常に有意義な時間を持てました。
互助会保証のみなさん、貴重な機会を与えていただき、ありがとうございました。
今後とも、どうぞ、よろしくお願いいたします。


                      藤島社長と

                    互助会保証のみなさんと


2011年8月26日 一条真也



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