ザ・リッツ・カールトン大阪

一条真也です。

今夜は大阪に泊まりますが、宿は「ザ・リッツ・カールトン大阪」です。
言わずと知れた日本を代表する超高級ホテルです。
しかし、けっして贅沢のためではありません。わが社はホテルや冠婚葬祭施設をいくつも運営しているので、最高のサービスに触れて学習する必要があるからです。
また、今度新しく建設する結婚式場の参考にしたいという目的もあります。


                   ザ・リッツ・カールトン大阪

                       エントランス


ザ・リッツ・カールトン・ホテルは、揺ぎない理念とサービスを追求する確固たる姿勢で、ホスピタリティ業界において輝ける存在です。
世界最高のサービスを提供すると言われるホテルです。 東京の六本木ミッドタウンにもオープンしましたが、やはり日本におけるリッツ・カールトンといえば大阪です。
わたしは東京、大阪ともに宿泊しましたが、高層ビルのテナントとして入っているリッツ・カールトン東京よりも、18世紀英国風のコンセプトで固められたリッツ・カールトン大阪のほうがはるかに良いホテルであると思いました。


                      ロビーにて

                  コンセプトは18世紀の英国


世界中には70以上のリッツ・カールトンが存在します。そのいずれもが最高レベルのサービスで知られていますが、それには大きな秘密があります。
従業員が常に携帯しているという有名な「クレドカード」です。 
クレドカードの表面には「モットー」、リッツ・カールトンの基本的理念をあらわす「クレド」、「従業員への約束」、「サービスの3ステップ」が記されています。裏面には、リッツ・カールトンで働く従業員にとって指針となる「サービス・バリューズ」の12項目が記されています。詳しく知りたい方はネットでも見れますし、関連書籍もいろいろと出ています。


                     客室のようす

                  なかなか落ちつく空間です

                  角部屋で眺めが良かったです


リッツ・カールトンの「クレド」は今やとても有名ですが、その語源はラテン語です。
カトリックのミサの信仰宣言(Credo)の初めの句、「われは信ず」に由来しています。
リッツ・カールトンの「クレド」の全文は以下の通りです。
リッツ・カールトンはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだそして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束いたします。リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは、感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です」
この「クレド」は、いわゆるリッツ・カールトンにおける理念、使命、そしてホスピタリティの基盤を凝縮したエッセンスと呼ぶべき信念です。
この思想を実践しているゆえにリッツ・カールトンは世界最高のホスピタリテイ企業と認められているわけです。まさに、リッツ・カールトンの命ですね。
わが社の経営理念である「S2M」も決して負けてはいないと自負してはいるのですが、あとは、どう実践に移すかですね。ここが一番難しいところです。


                   やはりデザインは秀逸です

                     シャワー・ブース

                   アメニティ・グッズも充実


いま、『リッツ・カールトンの究極のホスピタリティ』四方啓暉著(河出書房新社)という本を読んでいるのですが、その中で興味深かったのがハードについての考え方でした。
リッツ・カールトンについて語る時、有名な“クレド”をはじめとする「ソフト」面が常に取り上げられます。しかし、リッツ・カールトンには最高の「ハード」も備えていることを忘れてはなりません。著者は、「リッツ・カールトンの哲学・理念を実践し、お客さまに喜んでいただくうえで、ソフトと同じようにホテルという帯に美しい縦糸・横糸として織り込まれているのが、建物、そしてインテリアといった、一般には『ハード』と言われている部分です。ハードとソフトが一体になって初めて、真のリッツ・カールトンの素晴らしさがお客さまに伝わるのだと、私は信じています」と述べています。
ホテルというものは、けっして単なる「ハコ」であってはなりません。
ザ・リッツ・カールトン大阪のハード・コンセプトは「18世紀英国風の憧れの我が家」です。「憧れ」でありながら「我が家に帰ったようにくつろげる」というのは一見、矛盾しているようにも思えます。まさに2つの相反するコンセプトを弁証法的に止揚(アウフへーヴェン)したのがザ・リッツ・カールトン大阪であると言えるでしょう。
ベッドもフカフカ快適で、今夜は熟睡できそうです・・・zzz・・・。


2011年9月15日 一条真也