隣人対談

一条真也です。

ブログ「隣人館の起工式」に書いたセレモニーを終えて、飯塚から小倉に戻りました。
そして、松柏園ホテル貴賓室で「隣人愛の実践者」ことNPO法人北九州ホームレス支援機構の奥田知志理事長と対談しました。司会はライターの橋本美佐子さんでした。


                      対談のようす


今回の対談は、株式会社サンレー45周年記念対談ということで、「無縁社会を乗り越えて、隣人の時代へ」というタイトルです。サブタイトルが「北九州で育まれた『縁』と『絆』が、これからの日本を変える」というものでした。
わたしは、魂の同志であると思っている奥田理事長と対談できて、本当に嬉しかったです。また、対談の内容は非常にスリリングなものとなりました。


                   活発に意見を交換しました


10月12日は、八幡のサンレーグランドホテルで「隣人祭り 秋の観月会」が開催されます。年間500回におよぶわが社の隣人交流イベントの中でも最大規模のものです。
わが社が開催サポートする「隣人祭り」は、どうやら北九州市で定着したようです。
北九州市は、いわゆる製造業の街として広く知られていますが、東日本大震災の被災者に対する積極的な取り組みでも全国的に注目されています。
東日本大震災の特徴の一つとして、多くの県外避難者が全国に散らばっていることがあります。岩手、宮城、福島の3県で、じつに約5万人近くに上るそうです。
慣れない土地では、どうしても孤立しがちになりますが、そんな被災者たちをどう支えるかが受入れる自治体の共通の課題となっています。


                  「絆」について語る奥田理事長


北九州市では、「絆プロジェクト北九州」という試みが始動しています。
奥田理事長の呼びかけに北橋健治市長が応え、住まいの提供から生活相談、就業支援まで官民協働のネットワークで被災者を支えることを目指しているのです。
詳しくは、ブログ「北九州へ!」を参考にされて下さい。
現在、北九州市は「ハートフル北九州」を謳っています。
その名に恥じない、思いやりにあふれた都市づくりを目指しています。
このような被災者の受け入れ支援などは北九州市の得意技ではないでしょうか。
全国の政令指定都市で最も高齢化の進む北九州市には、「助け合い」や「支え合い」の文化があるように思います。奥田理事長らが長年取り組んでこられた「ホームレス支援」活動は日本一の実績を残しておられます。また、わが社がサポートさせていただいている「隣人祭り」の開催回数も日本で最も多いのではないでしょうか。


                  奥田理事長の話に聞き入りました


わが社は、被災者の方々を前向きに雇用したいと考えています。
けっして、「当社の人員は間に合っているのだけど、困った時はお互い様だから採用しましょう」ではありません。わたしは、大震災の被災者だからこそ採用したいのです。
というのは、地震津波放射能で極限の体験をされた方々にとって、その体験は「強み」となりうると思っているのです。極限の体験をされたからこそ、他人の痛みがわかる方が多いのではないかと期待しています。
冠婚葬祭の業務ももちろんですが、今後ますます重要になっていくグリーフケア・サポートのスタッフとしても期待しています。愛する人を亡くした人々に接するとき、自分自身が経験してきた「悲しみ」や「苦しみ」が、他人への共感となって、「思いやり」となり、さらには「癒し」になるのではないかと思っています。



被災者の方々のみならず、日本中の高齢者も北九州市に来ていただきたいです。現在、全国には500万人近い独居老人が分散しています。
そういった方々に、ぜひ北九州に来て、余生を過ごしていただきたいのです。
高齢化先進都市である北九州市は、高齢者が多いことを「強み」として、日本一、高齢者が安心して楽しく生活できる街づくりを目指すべきだと思います。そこで、大事なポイントは「孤独死をしない」ということです。隣人祭りをはじめとした多種多様なノウハウを駆使して、孤独死を徹底的に防止するシステムを構築することが必要です。そうなれば、「北九州にさえ行けば、仲間もでき、孤独死しない」という意識が生まれます。
全国の独居老人には、どんどん北九州に移住していただきたいと真剣に願っています。



もともと、わたしは北九州市を「高齢者福祉特区」にするべきだと訴えてきました。
そして「人は老いるほど豊かになる」というコンセプトに基づく「老福都市」をイメージし、そのモデルとして高齢者複合施設「サンレーグランドホテル」を北九州市八幡西区に作りました。いわゆるセレモニーホールと高齢者用のカルチャーセンター、スポーツクラブ、ミュージアムなどが合体した前代未聞の施設として大きな話題になりました。
老い」と「死」に価値を置く施設であるサンレーグランドホテル北九州市に誕生したことは多くの方々から評価されました。なぜなら、高齢化が進む日本の諸都市、世界各国の都市にとって北九州市とは自らの未来の姿そのものだからです。こういった考え方も、すべてドラッカーの「強みを生かす」という思想をベースにしています。


                北九州市を「隣人愛都市」にしたいです


わたしは、北九州市は「老福都市」を、「助け合い都市」を、そして「隣人愛都市」を目指すべきだと確信します。平たく言えば、それは「社会福祉都市」ということになるかもしれません。そんな都市が日本にできるなんて素敵ではありませんか!
ぜひ、被災者の方々は安心して北九州に来ていただきたいと思います。
また被災者のみならず、独居老人でも、どんな方でも結構です。
日本のどこかで困っておられる方、これからの人生に不安を抱いている方がおられたら、ぜひ北九州へ来ていただきたいです。


              奥田理事長、今日はありがとうございました!


そして本日、絶対に孤独しないための有料老人ホーム「隣人館」の起工式を執り行いました。住居費・食費・光熱費などがすべて年金の範囲内に収まる夢の高齢者専用賃貸住宅の建設を予定しています。いよいよ、社会福祉都市であり相互扶助都市としてのハートフル・シティ建設をめざすサンレーグループの新たな旅路の始まりです!
「人間尊重」を掲げるサンレーの「天下布礼」は大きく前進します。
奥田理事長、今日は、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
なお、この対談は11月初旬に「朝日新聞」で2面にわたって大きく掲載されます。


2011年10月8日 一条真也