旅縁の集い

一条真也です。

昨夜、小倉の松柏園ホテルで「隣人対談」を終えた後、わたしは八幡の千草ホテルに向かいました。ここで開かれた飲み会に参加するためです。
「2002 北九州商工会議所欧州経済事情視察調査団」の参加者の集いです。
毎年10月に開催されるので、「オクトーバー会」と呼ばれます。


                   オクトーバー会のようす


昨夜の参加者は、当時の団長を務められた岡野バルブ製造(株)の岡野社長、副団長を務められた(株)タカミヤの高宮社長、北九州商工会議所副会頭である(株)スピナの竹澤元社長、九州電力(株)の元執行役員・北九州支店長の緒方さん、(株)九電工の取締役常務執行役員で電力本部長の長木さん、西鉄バス北九州の久保元社長(現在は相談役)、(株)豊川設計事務所の豊川社長、北九州商工会議所の産業観光推進室の北野室長、そして、わたしの9人でした。
本当は、(株)ゼンリンの中村元会長も参加の予定でしたが、急用で来られなくなりました。その他、オクトーバー会のメンバーには、西部ガス福岡銀行など、地元の経済界を代表される方々がいらっしゃいます。



わたしは2001年10月、株式会社サンレー代表取締役社長に就任しました。
その翌年の2002年10月にみなさんと一緒にヨーロッパに行かせていただきました。
当時のわたしは、39歳。参加者の中で最年少でしたし、社長になったばかりということもあり、地元を代表するオーナー経営者や大企業の役員の方々に囲まれて緊張の連続でした。それでも、みなさんは非常に親切にして下さいましたし、経営のことをはじめ、人生のいろいろな問題について教えて下さいました。暗中模索していた若造経営者にとって、それらのアドバイスは何よりの宝物になりました。
わたしは、よく「本を読め、人と会え、旅をしろ」と若い人に言っているのですが、本を読んでいるだけでは得られない情報というのが確かにあります。



そして、旅とは、何よりも人と人との「縁」を生み、深めるものです。
わたし個人の場合を考えても、ずいぶんと旅行で築いた人間関係が多いように思います。ときどき各種の経済団体や業界団体が主催する海外視察に参加するのですが、そこで知り合った社長さんや大企業の幹部の方々との御縁を深めてきました。
講演の講師として招かれたり、具体的なビジネスにまで発展したこともあります。
たとえば、「グレート・ダディ」こと伊藤忠商事の九州支社長だった高嶋さんとイスタンブールとドバイに行ったことがきっかけで、同社の講演会で講師を務めさせていただき、同社の丹羽宇一郎会長も紹介していただきました。
また、ブログ「石原進氏」に書いたように、同じくイスタンブール&ドバイで御一緒したJR九州の石原会長からも講演を依頼していただきました。



海外視察団というのは、帰国後、交流会が開かれることがあります。
会食しながら旅の思い出を語り合い、近況報告をしたりするのです。
わたしも多くの視察団、そして交流会に参加してきましたが、この「オクトーバー会」ほど長く継続している会はありません。非常に珍しいと思います。
ひとえに、岡野社長と高宮社長のお人柄によるものだと思います。お2人とも尊敬申し上げている経営者ですが、ともに北九州商工会議所の副会頭を務められました。
岡野バルブ製造(株)さんといえば、社員の方々が福島第一原発の事故現場で危険をかえりみずに活躍し、「フクシマの英雄」と呼ばれたことで知られます。
本当に、心から尊敬すべきだと思います。
(株)タカミヤは釣り用具製造・販売の最大手で、高宮社長ご自身も「釣りの達人」として有名です。最近も、麻生太郎・元首相や大前研一氏などと一緒に釣りを楽しまれたそうで、その写真を見せていただきました。それにしても、すごい釣り仲間!
高宮社長は「釣り」という本業を通じて、多くの方々との御縁を結んでおられるのです。
これもまた、本当に素晴らしいことだと思います。



2002年10月19日、福岡空港から関西空港を経て、パリへ。パリからユーロスターでロンドンへ向かい、そこから空路ベルリンへ、さらに空路ミラノへ。ミラノからは空路ローマへ行き、そこから成田空港を経て、28日に福岡空港へ戻ってきました。
その間、さまざまな都市の再開発地区や企業やショッピングモールなどを視察し、現地の経営者のプレゼンテーションを聞きました。
忘れられない思い出といえば、岡野社長に誘われて、ベルリン・オペラを初体験したことです。旅の途中で岡野社長の御尊父が危篤になられ、急遽帰国されたことも憶えています。結局、御尊父はお亡くなりになられ、小倉紫雲閣で葬儀が盛大に行われました。



オクトーバー会の幹事は、いつも北野秀幸さんが務めて下さっています。
ブログ「観光イベント」で紹介した、日本商工会議所と北九州、下関両商工会議所による「関門観光振興大会」でも、北野さんには大変お世話になっています。
そこで「新しい時代の観光〜多様化するニーズへの対応」というテーマのパネルディスカッションが行われるのですが、わたしもパネリストとして参加するのです。
昨夜は、そのイベントについても北野さんから案内がありました。
わたしは、「がんばれよ!」との励ましのお言葉をたくさん頂戴しました。



それにしても、みなさん、旅の細かい出来事までよく記憶されていることに驚きました。
一番若いわたしがすっかり忘れていたようなことが多かったので、人間の記憶力というのは年齢には関係ないのだなと思いました。
というより、一流のビジネスマンには記憶力のすぐれた方が多いのかもしれませんね。
昨夜は、久々になつかしい方々とお会いし、旅の思い出に花を咲かせました。
直前に「縁」についての対談を行ったばかりでしたが、旅によって結ばれる「旅縁」のありがたさを噛みしめました。やはり、この世は「有縁社会」です!



2011年10月8日 一条真也



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