黄色い旗

一条真也です。

おはようございます。今日は、「体育の日」ですね。
今朝のフジテレビ「とくダネ!」では、「黄色い旗は、元気のしるし。」というCMを紹介していました。かのAC(公共広告機構)の2011年度地域キャンペーンCMです。


舞台は、わが社の営業エリアでもある大分県国東市です。
この街で、黄色い旗を毎朝、玄関先に掲げて近隣の家庭に安否を知らせる「黄色い旗運動」が広がっています。もともとは、高齢者の孤独死を防ぐことが狙いでした。
しかし、寂しくなった高齢者が人に会いたくて旗を出さなかった例もあったとか。
小学生が通学途中に旗を確認する仕組みも設けており、地域住民全体で声掛けを通した会話が増えているそうです。この運動を機に住民相互のふれあいが増えているわけで、地域力の向上にも一役買っているのですね。


                  「黄色い旗は、元気のしるし。


「黄色い旗運動」は昨年12月に同市の吉広地区、全124世帯でスタートしました。
その後、下山口地区(約90世帯)、諸田地区(約40世帯)をはじめ、他の地区も続々と旗の伝達式を行い、早速、玄関先などに旗を掲げました。
吉広地区では、始めてすぐ高齢者単身世帯の旗が出ておらず、近隣住民が親類に連絡して無事を確認したことがあったそうです。
このCMでは、「気にしあって、声かけあって、つながりあって」というキャッチコピーが使われていますが、まさに「隣人の時代」ですね。



わたしは、『隣人の時代』(三五館)の「あとがき」に、「黄色い旗運動」ならぬ「黄色いハンカチ運動」のことを書きました。やはり、わが社が冠婚葬祭事業を展開している宮崎県の延岡市では、独居老人は毎朝、自宅の玄関先に黄色いハンカチを掲げます。
それを地域の人々が見て、安否確認をするのです。
ハンカチが掲げてあれば、「今日も元気だな」と安心します。
掲げていなければ、「何かあったのでは?」と思って、すぐに駆けつけるのです。映画「幸せの黄色いハンカチ」から着想を得たそうですが、素晴らしいアイデアです。
「黄色い旗運動」は、「黄色いハンカチ運動」がルーツだったのですね。
延岡市の「黄色いハンカチ運動」については、「ここ」をクリックして御覧下さい。

               
                    有縁社会のつくり方


わたしは、高齢者の安否確認は、地域住民の役割だと思います。
昨年、日本では「無縁社会」という言葉が流行しました。
ぜひ、これを「有縁社会」へと変えなければなりません。
人間には、家族や親族の「血縁」をはじめ、地域の縁である「地縁」、学校や同窓生の縁である「学縁」、職場の縁である「職縁」、趣味の縁である「好縁」、信仰やボランティアなどの縁である「道縁」といったさまざまな縁があります。
その中でも、「地縁」こそは究極の縁ではないでしょうか。
なぜなら、ある人の血縁が絶えてしまうことは多々あります。
かつての東京大空襲の直後なども、天涯孤独となった人々がたくさんいたそうです。
また、「学縁」「職縁」「好縁」「道縁」がない人というのも、じゅうぶん想定できます。
しかし、「地縁」がまったくない人というのは基本的に存在しません。
なぜなら、人間は生きている限り、地上のどこかに住まなければいけないからです。
地上に住んでいない人というのは、いわゆる「幽霊」だからです。
そして、どこかに住んでいれば、必ず隣人というものは存在するからです。
それこそ、「地球最後の人類」にでもならない限りは・・・・・。



すべての人間には「つながりあう」「支え合う」「助け合う」という本能があります。
人とつながり、支え合い、助け合うから、人間なのです。
このことも、わたしは『隣人の時代』に書きました。
延岡市にしろ、国東市にしろ、わが社の営業エリアです。九州で地縁再生の取り組みが進んでいるのは素晴らしいことです。九州を地盤とするわが社では、「隣人祭り」などによって、さらなる地縁再生のお手伝いをしたいと考えています。
ということで、明後日は「隣人祭り〜秋の観月会〜」を開催いたします。


2011年10月10日 一条真也