「いっぱい大好き」

一条真也です。

東京に来ています。
今日、全互協の広報・渉外委員会が開催されるのです。
その他にも6つの打ち合わせが入っていて、忙しい一日になりそうです。
今朝、テレビ朝日の「モーングバード!」で、「いっぱい大好き」という曲が紹介されていました。11歳の小学生シンガーソングライター・水谷ゆうちゃんのデビュー曲です。


わたしは、小学生で芸能活動するタレントやその親御さんがちょっと苦手なのです。
でも、この曲はなかなか興味深く感じました。番組では「究極の親孝行ソング」などと言われていましたが、わたしは「スピリチュアル・ソング」だと思いました。
というのも、「自分は生まれてくる前に空の上にいたんだけど、お母さんが優しそうだから、お母さんを親に選んで生まれてきたんだよ」という内容の歌詞なのです。
「いっぱい大好き」を聴いて、この考えに驚く人が多いようです。
しかし、じつはスピリチュアルの世界では非常に有名な話です。


赤ちゃんや幼い子どもたちは生まれる前のことを覚えているばかりか、自分たちが親を選んで生まれてくるという考え方は世界中で広まっています。
赤ちゃんは生まれる前に、お母さんと約束して、今度の人生ではどういった使命を果たすのかを心に決めているというのです。でも、彼らが地球に到着した時点で、宇宙はその記憶を消してします。ごくたまに、記憶が残っている子どもが存在する。そのような考えを信じている人々がたくさんいます。
お母さんをえらぶ赤ちゃん〜ママ、またボクを生んでくれる?ジョナサン・ケイナー著(説話社)、『ママのおなかをえらんできたよ。』池上明著(リヨン社)などの本に詳しい内容が書かれています。わたしも読みました。



昨日から「秋の読書週間」がスタートしましたが、「勇気の人」こと矢作直樹先生からスピリチュアル関係の本をたくさんメールで紹介していただきました。今度、矢作先生にお会いしたら、この「親を選んで生まれてくる子ども」について意見交換したいです。
じつは、この考え方はメーテルリンクの『青い鳥』にも登場します。
青い鳥を求めて、チルチルとミチルが最後に訪れる「未来の王国」では、これから将来生まれてくる子どもたちが出番を待っています。
彼らは、人間が長生きするための妙薬を33種類も発明するとか、誰も知らない光を発見するとか、羽がなくても鳥のように飛べる機械を発見するとか、とにかく人類のために何か役立ちたいという大きな志を抱いています。
運命の支配者である「時」のおじいさんの言葉も興味深いです。彼は、子どもたちの生まれる時は運命によって決まっており、それを変えることはできないというのです。
また、人間は地上に生まれるとき、たとえ発明などではなく、罪でも病気でもよいから何か一つは土産を持っていかなければならないというのです。これは人間の使命というものについて考えさせてくれます。
神秘学や心霊主義にも詳しかったメーテルリンクは、このような思想をどこかで学んだのかもしれません。以上の話は、『涙は世界で一番小さな海』(三五館)に詳しく書いていますので、関心がある方はお読み下さい。



それにしても、子どもが親を選んで生まれてきたという考え方は素敵ですね。
特に、親のほうにとっては、とても嬉しい気持ちになります。
横浜に住んでいる長女も、今月25日に12歳になったばかりの次女も、わたしたち夫婦を両親として選んで生まれてきたと考えると、幸せな気持ちになります。同時に、わたし自身も、自分の両親に深い感謝の念が湧いてきます。
テレビでは、ゆうちゃんにレポーターが「お母さんの娘として生まれてきてよかった?」と質問しました。すると、ゆうちゃんは「よかったところもあるけど、怖い」と答えました。
この子どもらしい正直なレスポンスに、わたしは笑いました。
そして、この歌がいっぱい大好きになりました。


2011年10月28日 一条真也