上級心理カウンセラー

一条真也です。

いよいよ、師走ですね。
慌しい年末が訪れましたが、大変嬉しい報告がありました。
このたび、わが社のグリーフケア・サロンである「ムーンギャラリー」の主要スタッフ3人が「上級心理カウンセラー」の資格を取得したのです。


               「上級心理カウンセラー」の資格認定証



「上級心理カウンセラー」は、一般財団法人・日本能力開発推進協会(JADP)が認定するもので、さまざまな心理療法技術と高いカウンセリング能力を証明する資格です。
この技能審査の目的は、「心理的に悩める人またはコミュニティを社会的観点からもサポートできるようなカウンセラーを育成し、カウンセリング業務に従事する者の有する知識および技能の程度を審査し、証明することにより、職業能力の向上と社会的経済的地位の向上に資すること」だそうです。来談者中心療法に関する知識、カウンセリングに関する知識、カウンセリング能力に関する職業能力が審査の対象とされ、以下の学習を認定教育機関にて履修した後で受験します。
●来談者中心療法について     ●信頼関係の作り方
●共感について            ●かかわり技法
●反映技法               ●指示技法
●対決技法               ●交流分析
●フォーカシング            ●共依存アダルトチルドレン防衛機制
●カウンセリング技法について    ●インフォームド・コンセント


                実際に、カウンセリングしてもらう



今回この資格を取得したのは、愛する人を亡くした方々のお手伝いをしているグリーフケア・スタッフの3名の方々です。
わが社では、数年来、グリーフケアのサポート活動に力を入れてきました。
グリーフケア」を簡単に説明すると、「悲嘆からの回復」ということになるでしょうか。
「悲嘆」と言っても、さまざまな種類があります。
ブログ『悲しんでいい』に書いたように、わが国におけるグリーフケアの第一人者で、上智大学グリーフケア研究所の高城慶子所長によれば、「悲嘆を引き起こす7つの原因」というものがあります。それは、次のようなものです。
1.愛する人の喪失――死、離別(失恋、裏切り、失踪)
2.所有物の喪失――財産、仕事、職場、ペットなど
3.環境の喪失――転居、転勤、転校、地域社会
4.役割の喪失――地位、役割(子どもの自立、夫の退職、家族のなかでの役割)
5.自尊心の喪失――名誉、名声、プライバシーが傷つくこと
6.身体的喪失――病気による衰弱、老化現象、子宮・卵巣・乳房・頭髪などの喪失
7.社会生活における安全・安心の喪失



このように、わたしたちの人生とは喪失の連続です。
そして、それによって多くの悲嘆が生まれていきます。
あの阪神・淡路大震災が日本に「ボランティア」の時代を呼び込んだように、わたしは今回の東日本大震災が「グリーフケア」の時代を呼ぶのではないかと思っています。
を日本に根付かせるのではないかと思っています。
大震災の被災者の方々は、いくつものものを喪失された、いわば多重喪失者です。家を失い、さまざまな財産を失い、仕事を失い、家族や友人を失ってしまった。しかし、数ある悲嘆の中でも、愛する人の喪失による悲嘆の大きさは計り知れないと言えるでしょう。グリーフケアとは、この大きな悲しみを少しでも小さくするための仕事です。



ブログ「月あかりの会」に書いたように、2010年6月、わが社では念願であったグリーフケア・サポートのための会員制組織をスタートしました。
月あかりの会は、愛する方を亡くされた、ご遺族の方々のための会なのです。
あの阪神・淡路大震災が日本に「ボランティア」の時代を呼んだように、わたしは今回の東日本大震災が「グリーフケア」の時代を呼び込むのではないかと思っています。
「上級心理カウンセラー」の資格を取得した3人が、新しいグリーフケアの時代を拓いてくれることに大いに期待しています。
なお、わが社には200名の「1級葬祭ディレクター」の有資格者が在籍していますが、この中からも今後はどんどん「上級心理カウンセラー」 にも挑戦していってもらいます。
明日、『のこされた あなたへ〜3・11 その悲しみを乗り越えるために』(佼成出版社)の見本もいよいよ出る予定です。東日本大震災の悲しみを癒すために書いたグリーフケア関連書の最新刊です。12月8日から、全国の主要書店で一斉に発売されます。
グリーフケアの時代を拓くために、わたし自身も頑張ります!


2011年12月1日 一条真也