天下布礼のDNA

一条真也です。

クリスマス・イブの今日、「財界九州」の2012年新年号が送られてきました。
同誌は九州を代表する経済誌として、非常に影響力を持っています。
例年通りに、九州・沖縄の経営者たちが1ページずつ紹介されています。


「財界九州」2012年新年号



わたしは、「介護事業へ参入し、全国展開をめざす」というタイトルで、以下のような内容となっています。
「2011年10月、社長就任10年の節目を迎えた。12年は既存事業の拡大を図るべく、葬祭会館を5施設、結婚式場を福岡県飯塚市大分県中津市に開設する予定だ。
こうした既存事業とともに、新規事業として施設型介護事業に参入する。当社の住宅型有料老人ホーム『隣人館』の特徴は、1ユニット18室で、低所得者公的年金の範囲内で安心して暮らせるよう月額使用料金を7万8000円に設定したことだ。これまでの高齢者施設は、金銭的余裕のある人でないと入居できなかったり、比較的料金が安い公共の老人施設でも空き部屋がなく、何年も入居できないなどの問題があった。隣人館はこれらの課題を解決し、低所得者の方々が、安心して入居できるようにした。12年3月、福岡県飯塚市に1号館がオープン予定であり、当社の第3の基幹事業と位置づけ、全国展開を目指していく。
また、食事の用意が困難な高齢者世帯向けに『宅配給食事業』への参入も視野に入れており、今後も、有縁社会づくりの一助を担い、地域に密着したトータルライフサービス事業を推進したい」


「財界九州」2012年新年号



わたしは2001年10月に社長に就任しました。
そして、2002年新年号から掲載していただいています。
まだまだ若輩者ですが、今回で11回目の掲載ということになります。
いつも父である佐久間進サンレーグループ会長と一緒に掲載されているのですが、年ごとに掲載の順序が繰り上げられてきており、身の引き締まる思いです。
「会社は社会のもの」と唱えたのはドラッカーです。
やはり、社会の公器を預かる者として大きな責任を感じます。


「財界九州」2012年新年号



同誌には佐久間進会長も登場し、「“日本型GNH”を探求し、新たな日本を創造」というタイトルで、以下のような内容になっています。
東日本大震災後、経済的な繁栄を最優先するこれまでの価値観、生き方が問い直されている。今こそ、我々日本人は『本当の幸福とは何か』を真摯に捉えるべきだ。
南アジアの小国ブータンでは、国王がGNH(国民総幸福)という国民全体の幸福度を示す尺度を提唱し、世界的に注目されている。また、昨年の国連総会では『幸福の追求は基本的な人類のゴールである』とし、物や金で測るGDP(国内総生産)は人々の真の豊かさを表す指標として十分ではなく、GNHこそ国連の目指す開発課題に貢献できるとしている。
世界的な潮流がある今こそ、我が国では、経済の復興のみならず、心の復興を目指すため『幸福立国』をテーマに、日本型GNHを探求すべきである。
震災直後、日本人の『助け合い』『支え合う』姿に各国から賞賛の声が寄せられたが、弊社では創業より『相互扶助』を理念とし事業展開をしてきた背景がある。
今後も世界に誇るべき日本人の精神文化を尊重することで、日本の新しい国づくりに大いに貢献できるものと確信している」


これからも「天下布礼」をめざします!



会長とわたしは、テーマは一見違うようでも、じつはまったく同じことを語っています。
そう、2人とも「人間尊重」の大切さについて語っているのです。それは「礼」の一字に集約され、その考え方を世に広めることを「天下布礼」といいます。
わが社は1966年の創業時から、「天下布礼」の旗を掲げてきました。
わが社は、本業の冠婚葬祭以外にもさまざまな活動に取り組んでいますが、それらはすべて人間関係を良くする、あるいは「有縁社会」を再生する試みなのです。
今年、佐久間会長は『佐久間塾』(日本儀礼文化協会)を、わたしは『ホスピタリティ・カンパニー』(三五館)を上梓しましたが、それらの内容をお読みいただければ、わたしの考え方のほとんどは父である会長から受け継がれたものであることがわかるでしょう。
サンレーグループは、これからも「天下布礼」をめざして歩んでいきます。


2011年12月24日 一条真也