クリスマスツリー

一条真也です。

メリー・クリスマス!
横浜に住んでいる長女が帰省しました。
久しぶりにお姉ちゃんが帰ってきて、次女も嬉しそうでした。


玄関のバタフライ・ツリー



長女はわが家のクリスマスツリーを見て、とても喜んでいました。
わが家のクリスマスツリーは、すべて妻の手作りです。
玄関には、白い蝶々が舞う「バタフライ・ツリー」を飾っています。


イングリッシュ・アンティーク・ツリー

ジャーマン・ツリー

シェル・ツリー

エッグ&フェザーツリー



応接間には古典的な「イングリッシュ・アンティーク・ツリー」を飾っています。
また他にも、ドイツ風の「ジャーマン・ツリー」、貝殻を散りばめた「シェル・ツリー」、それに妻が自分で製作したエッグ・アートと羽根をアレンジした「エッグ・アンド・フェザー・ツリー」などを家の中の各所に飾っています。
長女も、今までは一緒に飾りつけを手伝ったものでした。
今年は、小学6年生の次女が飾りつけを手伝いました。クリスマスツリーの飾りつけを通して、母親と娘のコミュニケーションを図っていたようです。



クリスマスツリーといえば、キリスト教と密接な関係にあると思われています。
しかし、クリスマスツリーの原型は、北欧に住んでいた古代ゲルマン民族が使っていた樅の木です。彼らの「ユール」という冬至の祭で使われていたのです。
樅の木は冬でも葉を枯らさないので、生命の象徴とされていました。
祭りごとを行う際に樅の木を飾る習慣は、ドイツに伝わって、その後はキリスト教の普及とともにキリスト教の宗教行事に取り込まれていきました。
1419年のクリスマス、ドイツのフライブルグでパン職人の信心会がツリーを飾りました。これが、クリスマスツリーをクリスマスに飾る行為の最初とされています。



1600年代には、ドイツ各地で記録が残されています。
1800年頃には、ベルリンにもツリーが飾られました。
イギリスへは夫がドイツ人であったヴィクトリア女王を通じて伝わりました。
アメリカでは、1746年にドイツ移民によって飾られました。
ただし、アメリカ建国当初からいたイギリス系清教徒アメリカ人からは、「クリスマスツリーは異教の文化」と反発されたこともあったようです。
ロシアでは、新年を祝う「ヨールカ」としてクリスマスツリーが飾られました。
ヨールカは、ちょうど日本の「門松」に相当します。


「クリスマスマーケット in 横浜赤レンガ倉庫」のツリー



日本で初めてクリスマスツリーが飾られたのは、1860年のことです。
プロイセン王国使節だったオイレンブルグが公館に飾ったのです。
1874年には、明治学院の前身である築地大学で行われたクリスマス・パーティーにおいて、日本初のサンタクロースとともに登場しました。
日本におけるクリスマス文化の紹介は、明治学院が大きな役割を果たしているのです。
1885年に横浜で明治屋が開業しましたが、1900年に東京・銀座に進出したのに伴って、銀座のクリスマス飾りが広く行われるようになりました。


「ホテル・リッツカールトン東京」のツリー



1928年には、「クリスマスは今や日本の年中行事となり、サンタクロースは立派に日本の子供のものに」と「朝日新聞」に書かれるほどになりました。
戦時中は敵国の文化として影を潜めましたが、戦後すぐに復活しました。
1948年には東京駅にもクリスマスツリーが飾られています。
しかし、当時は国営鉄道であったために宗教活動ではないかと問題にされました。
運輸省は「季節的な装飾のひとつで宗教活動ではない」と釈明したそうです。その後、各地でクリスマスツリーが飾られるようになり、冬の風物詩として定着しました。


今年は東日本大震災による福島第一原発の事故がありました。
その福島県葛尾村の日山で、hosiyasさんという方がクリスマスツリー星団を撮影され、「天空のクリスマスツリー」としてYouTubeにアップされています。
クリスマスツリー星団は、一角獣座にある冬の星座です。hosiyasさんは、「放射線量のやや高い地域でしたが、とても美しい星空が広がっていました。震災や原発事故からの復旧復興を願い、祈る思いで今回の撮影にのぞみました」とコメントされています。


日本中で、いや世界中で、多くの人々や家族や友人や恋人たちとクリスマスツリーを飾りながら、楽しい会話を交わしていることでしょう。
クリスマスはけっして、無駄遣いをしたり、馬鹿騒ぎする日ではありません。
それは、自分にとってかけがえのない大切な人と一緒に過ごす日です。
そして、今はもう側にいない愛する人を思い出す日でもあります。
そう、クリスマスとは一年中で最もハートフルな日なのです。
よろしければ、ブログ「クリスマスの秘密」もお読みいただければ幸いです。
それでは、みなさん、素敵なクリスマスをお過ごし下さい!


2011年12月25日 一条真也