人間関係 よりよくするには・・・

一条真也です。

今朝は、七草粥を食べました。
年末・年始の御馳走の連続で疲れた胃に優しくて、美味しかったです。
さて、今朝の「日本経済新聞」の「日経プラス1」で、「人間関係 よりよくするには・・・」という特集が組まれていました。


「日経プラス1」1月7日号



特集記事の冒頭には、次のように書かれています。
「ちょっとした言動で信頼されることもあれば、信用を失うこともあるのが人間関係の難しさ。人との付き合い方を見直すなら、一年の始まりはいい機会だ。良好な人間関係を築くために何が重要か、インターネット調査で聞いた」
調査の対象は20〜60代の勤務経験のある既婚男女で、「一般的な人間関係」「家庭での関係」「職場での関係」を良好に保つために何が重要かをそれぞれ30の選択肢から選んだそうです。有効回答は1000人(男女同数)だったとか。
そして、1位から15位まで、以下のようなランキングが発表されています。



(1位)「ありがとう」と「ごめんなさい」は必ず言う
(2位)笑顔で明るくあいさつする
(3位)了解した約束は守る。実行できない約束はしない
(4位)嘘を言わない。ごまかさない
(5位)自分がされて嫌なことはしない
(6位)必要な情報はしっかり共有する
(7位)相手の立場になって考え対応する
(8位)話を聞くときは相手の顔を見る
(9位)本人がいないところで悪口やうわさ話をしない
(10位)親しき仲にも礼儀ありを徹底する
(11位)感情的になったり、すぐに怒らない
(12位)相手を追い詰めるような言い方をしない
(13位)自分の意見を押し付けない
(14位)偏見や思い込みで話をしない
(15位)家族や部下のミスは反省を促し、カバーする



以上は、「総合」ランキングですが、「家庭」と「職場」のランキングもあります。
それぞれのランキングは以下のようになっています。
【家庭の部】
(1位)「ありがとう」と「ごめんなさい」は必ず言う
(2位)「いただきます」「お休み」などを忘れない
(3位)最終的には家族を信用し味方になる
(4位)嘘を言わない。ごまかさない
(5位)なるべく食事を一緒にとる
【職場の部】
(1位)仕事に関する期日は必ず守る
(2位)報告・連絡・相談を徹底する
(3位)「ありがとう」と「ごめんなさい」は必ず言う
(4位)笑顔で明るくあいさつをする
(5位)了解した約束は守る。実行できない約束はしない



「なるほど」と思えることばかりですね。
「今年こそ、人間関係を良くしたい」と考えている人は多いでしょう。
わたしは、『人間関係を良くする17の魔法』(致知出版社)を2009年の1月に上梓しました。そのときも「今年こそ」と思った読者がたくさんいらっしゃったようです。
この記事の内容に直結した本ですので、興味のある方はお読み下さい。
つくづく思うのは、このランキングの内容は、けっして新しいものではないこと。
たとえば、総合5位の「自分がされて嫌なことはしない」は、『論語』の「衛霊公篇」に出てくる「己の欲せざる所は、人に施すこと勿れ」という言葉とまったく同じです。
そう、すでに、孔子は人間関係を良くするための言葉を多く残しているのです。


伝統と文化に基づく究極の“人間関係”



わたしは冠婚葬祭の会社を経営しています。
冠婚葬祭の根本をなすのは「礼」の精神です。では、「礼」とは何でしょうか。
それは、2500年前の古代中国で孔子が説いた大いなる教えです。
平たくいえば、「人間尊重」ということです。この「人間尊重」は、わが社の大ミッションとなっています。そして、より具体的に表現した小ミッションは「冠婚葬祭を通じて、良い人間関係づくりのお手伝いをする」です。
わたしたちは、「良い人間関係づくりのお手伝いをする」ことが仕事なのです。


孔子は最大の「人間通」だった!



わたしは、人類が生んだあらゆる人物の中で孔子をもっとも尊敬しています。
孔子こそは、人間が社会の中でどう幸せに生きるかを考え抜いた最大の「人間通」であると確信しています。その孔子が開いた儒教とは、ある意味で壮大な「人間関係学」といえるのではないでしょうか。わたしは、そのように考えています。
人間関係学の具体的な内容については、新刊『世界一わかりやすい「論語」の授業』(PHP文庫)に書きました。まだ読んでおられない方は、ぜひ御一読を!
初めて『論語』の世界に触れられたあなたは、そこに記されている人間関係学が21世紀の現代日本にも大いに通用することに驚かれることでしょう。
論語』の人間関係学は、現代日本の家庭や職場を明るくすると確信します。


2012年1月7日 一条真也