隣人館の竣工式

一条真也です。
昨日までの悪天候がウソのように、今日は見事な晴天です。わが社は、今年から高齢者介護事業に進出しました。本日、その最初の施設となる有料老人ホーム「隣人館」の竣工式が行われました。場所は、福岡県飯塚市伊川です。「隣人館」を建設することが決定してから、じつに多くの新聞や雑誌で取り上げられました。これから、もっと取材が多くなるでしょう。


ついに完成した「隣人館」1号館

竣工式のようす

感謝状を贈呈しました


今日は、地元の皇祖神社から禰宜の方に来ていただきました。清祓之儀の後、玉串奉奠佐久間進会長、わたし、「介護イノベーター」ことエヌ・ビー・ラボの清原社長、蓮建築研究所の山王社長、坡平産業の坂平社長、そしてわが社の橋本常務の順で行われました。撤饌、昇神之儀を行って神事は終了。その後、感謝状の贈呈が行われました。わたしが、設計を担当して下さった蓮建築研究所の山王社長、施工を担当して下さった坡平産業の坂平社長のお2人に金一封を添えて感謝状をお渡ししました。


主催者を代表して挨拶しました


そして、感謝状の贈呈式を終えた後、主催者を代表してわたしが挨拶しました。わたしは、以下のようなことを申し上げました。まず最初に、「これまでは社会に良いことをすると儲からないと言われていましたが、社会に良いことをしないと儲からない時代、企業が存続していけない時代になりました」と発言しました。現在、日本の高齢者住宅は、さまざまな問題を抱えています。民間施設の場合、大規模で豪華なものが多いですね。数千万円単位の高額な一時金など、金銭的余裕のある人しか入居できていません。また、公的施設の場合、比較的安価で金銭的余裕のない人でも入居はできます。しかし、待機者が多くて入居するまでに相当な年数がかかるなどの問題があります。さらに、高齢者はそれまで暮していた愛着のある地域を離れたがらない傾向があり、地域に根ざした施設が必要とされているのです。


わが社の隣人館の月額基本料金は、78000円となっています。その内訳は、家賃:33000円、管理費:5000円、食費:40000円です。まさに究極の地域密着型小規模ローコストによる高齢者専用賃貸住宅なのです。飯塚市の次は、北九州市八幡西区折尾に2号店を計画しています。当初は自社遊休地へ建設しますが、将来的には伊藤忠商事をパートナーとして全国展開を図ります。
また、食事の調理が困難な、1人暮らし、あるいは夫婦のみの高齢者世帯などへの「宅配給食事業」への参入も検討しています。その際は、塩分を控えた高血圧食、糖分を控えた糖尿病食など、健康を意識したメニューの開発をめざします。


今さら言うまでもありませんが、わたしは孔子を尊敬しています。孔子の説いた教えの2大ポイントは、「人は儀礼を必要とする」ということ、そして「人は老いるほど豊かになる」ということだと思います。前者のほうは従来の冠婚葬祭事業がそのまま実践になっていますが、後者のほうはまさに高齢者介護事業がそれに当たります。その意味で、この事業は「人は老いるほど豊かになる」という長年の考えを実現するものであり、人間尊重を実行するという意味「天下布礼」の一環であることをお話しました。大事なポイントは「孤独死をしない」ということです。隣人祭りをはじめとした多種多様なノウハウを駆使して、孤独死を徹底的に防止するシステムを構築することが必要です。「隣人館にさえ入居すれば、仲間もできて、孤独死しなくて済む」を常識にしたいです。全国の独居老人にも、どんどん隣人館に入居していただきたいと真剣に願っています。わが社は、「礼」の心で介護事業で取り組んでいく覚悟です。


この地より新たな一歩踏み出さん 天下布礼の介護の道を


「礼」とは、わが社の事業である冠婚葬祭の根本となるものです。それは「人間尊重」の心であり、その心を世に広めることが天下布礼ということです。天下、つまり社会に広く人間尊重思想を広めることがサンレーの使命です。わたしたちは、この世で最も大切な仕事をさせていただいていると思っています。かつて織田信長は、武力によって天下を制圧するという「天下布武」の旗を掲げました。しかし、わたしたちが目指すのは天下布礼です。武力で天下を制圧するのではなく、「人間尊重」思想で世の中を良くしたいのです。これからも冠婚葬祭を通じて、良い人間関係づくりのお手伝いをしていきたいものです。また、わが社が隣人祭りを開催するのも、わたしが執筆をしたり大学で教壇に立ったりするのも、すべては天下布礼の一環であると考えています。その新たな第一歩として、わが社は「隣人館」をオープンしました。施主挨拶の最後、わたしは「この地より新たな一歩踏み出さん 天下布礼の介護の道を」という短歌を詠みました。


黒田施設長より決意表明を受ける


その後、黒田美和子施設長より決意表明を受け取りました。その書状には、以下のように書かれていました。「私たち、隣人館職員一同は、入居者の皆様、また職員も『ひとりぼっちにしない』ことを目標に、ホスピタリティ精神を発揮し、「隣人館」発展の為、努力することを誓います」


伊藤忠商事の園田氏と

エヌ・ビー・ラボの清原社長と


本日の竣工式を無事に迎えられたのは、ひとえに伊藤忠商事の園田氏、エヌ・ビー・ラボの清原社長のお力添えのおかげです。お2人に心より感謝いたします。園田氏は、わたしの早稲田大学の先輩でもあり、公使ともにお世話になっています。


直会での佐久間会長挨拶

なごやかな直会のようす

最後は「末広がりの五本締め」で


竣工式の後は、集合写真を撮影して、直会(なおらい)に移りました。佐久間進会長が挨拶した後、皇祖神社神職の乾杯の発声で宴がスタート。最後は、橋本常務の音頭でサンレー名物「末広がりの五本締め」を行いました。


この道のプロフェッショナルである黒田施設長のもと、笑顔の素晴らしいスタッフの方々も集まってくれました。「隣人館」が誇る、ザ・ハートフル・スタッフです!なお、今月24・25日には内覧会を開催。入居スタートは3月1日です。住宅型有料老人ホームとともに、通所介護事業ならびに訪問介護事業も同時にスタートさせます。かつて、「介護革命」を唱えて時代の寵児となりながら道を踏み外した経営者がいましたが、わたしは本当に「介護革命」を成功させたいと思っています。わたしたちは、介護道という天下布礼の新たな一歩を踏み出しました。


2012年2月20日 一条真也