冠婚・衣装責任者会議

一条真也です。

今日は、サンレーグループ「全国冠婚・衣装責任者会議」を松柏園ホテルで開催。
各地から、わが社の誇る“むすびびと”たちが集結しました。
わたしは、恒例の社長訓話を1時間ほど行いました。


社長訓示のようす


冒頭、いよいよ来月オープンする大分県中津市の結婚式場「ヴィラルーチェ」の話をしました。みんな、ブログ「ヴィラルーチェ視察」を読んでいたようで、興味津々でした。
それから、ビジネスの話題を超えて、社会についての話をしました。
ブログ「なぜ結婚しにくい?」に書いたように、結婚や出産をめぐる社会的環境は厳しいままです。その厳しい状況の背景には、不安定な雇用情勢や結婚への意識の変化があるようです。今年1月末に発表された人口推計では、出生率の見通しが前回の1.26から1.35へ上方修正されていました。これは、30歳代半ば以降の「駆け込み出産」傾向を反映したためとしています。
今後は、出産可能な女性の人口が減少していきます。
そのため、出生率が大幅に改善しない限り、子供の数は増えません。
不安定な雇用状況が続いていることも、結婚・出産への高い壁になっています。



少子高齢化」と言われ始めてから、どれぐらいの時間が経過したでしょうか?
「人は老いるほど豊かになる」と信じるわたしは、社会の「高齢化」はわりと肯定的にとらえています。しかし、やはり「少子化」は大きな問題であると思っています。
本業である結婚式も減りますしね(苦笑)。わたしも、これまで「高齢化」については色々と発言してきましたが、今後はぜひ「少子化」についても考えをまとめてみたいです。
わたしたちは、無縁社会を乗り越え、有縁社会を再生しなければなりません。
そのためには、「孤独死」の問題だけでは片手落ちです。
「晩婚」や「非婚」の問題も解決しなければならないと痛感しています。
ブログ「婚活パーティー」にも書いたように、わが社ではさまざまな婚活サポート活動を行っています。わたしは、いつも「結婚というのは、なんという驚異か」と思います。
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、「哲学は驚きから始まる」という言葉を残しています。わたしは、結婚ほど驚くべき出来事はないと思っています。
「浜の真砂」という言葉がありますが、数万、数十万、数百万人を超える結婚可能な異性の中からたった一人と結ばれるとは、何たる驚異でしょうか!
結婚式のお世話をさせていただく“むすびびと”たちは、奇跡的な出逢いや運命の偶然に日々驚いています。“むすびびと”たちは、大いに哲学しているのです!


“むすびびと”たちにメッセージを伝えました



さらに哲学の実践者である“むすびびと”たちは、驚くだけではなく、じつはものすごいことをしています。なんと、世界を「平和」にしているのです。
わたしたちは、結婚式のお世話をさせていただくにあたって、「結婚は最高の平和である」という言葉を大切にしています。トルストイの有名な小説の影響もあってか、「戦争」と「平和」は反対語だと思われています。「平和」という語を『広辞苑』などの辞書で引くと、意味は「戦争がなくて世が安穏であること」となっています。
平和とは戦争がない状態、つまり非戦状態のことなのです。しかし、戦争というのは状態である前に、何よりもインパクトのある出来事です。単なる非戦状態である「平和」を「戦争」という強烈な出来事の反対概念に持ってくるのは、ちょっと腑に落ちません。
また、「結婚」の反対は「離婚」と考えられていますが、これも離婚というのは単に法的な夫婦関係が解消されただけのことです。
「結婚」は「戦争」同様、非常にインパクトのある出来事です。戦争と結婚にともに共通しているのは、別にしなくてもいいのに、好き好んでわざわざ行なう点です。つまり、戦争も結婚も、ともに人間の強い意志をともなう「出来事」であり、「事件」といえます。
結婚には、異なるものと結びつく途方もなく巨大な力が働きます。
ドイツの文豪ゲーテは、それを「親和力」と呼び、「ひとりの人間をほんとうに心の底から愛すれば、ほかのすべての人にも好感を持てるようになる」という言葉を残しています。
まさに、ゲーテは結婚の平和性に気づいていたのです。
一方で、戦争が起こるときにも、ある力が働きます。それは、異なるものを破壊しようとするマイナスの力です。つまり、「結婚」とは親和の極致であり、「戦争」とは敵対の極致なのです。まったくの赤の他人同士であるのもかかわらず、人と人とが認め合い、愛し合い、ともに人生を歩んでいくことを誓い合う。
まさに、結婚とは「最高の平和」ではないでしょうか。
結婚は最高に平和な「出来事」であり、「戦争」に対しての唯一の反対概念になります。
わが社では、日々お世話させていただくすべての結婚式が「世界平和」という崇高な理念を実現する営みであるととらえ、社員一同が心からのサービスに努めています。
そして、一組でも多くのカップルが誕生するお世話をさせていただくことによって、世界をますます平和にしたいと考えています。


今日は、夫婦の相性についても話しました



また、今日はブログ『相性』で紹介した俳優の三浦友和氏の著書を取り上げて、夫婦の相性ということも話しました。
「まえがき」の冒頭には、「夫婦円満の秘訣はなんですか?」と書かれています。
この質問を著者はよく受けるそうです。「理想の有名人夫婦」という調査で、何年も続けてトップの三浦友和・百恵夫妻は、たしかに「円満」という言葉がぴったりです。
その問いに対して、三浦氏はいつも「相性です」と答えるそうです。
この「相性です」という答えについて、三浦氏は次のように述べています。
「身も蓋もない言い方かもしれないが、自分ではかなり合点がいっている。仕事、上司、仲間、親、教師、恋人、妻、子供・・・・・相性が良ければこんな素晴らしいことはない。相性の良い人間とは人生で共有する時間が長くなっていく。互いに欲するからだ。友人、恋人などは相性が合わなければ自然と距離ができ、互いに遠ざかっていく」



そして三浦氏は、次のように堂々と述べるのでした。
「私は、素晴らしく相性の合う女性と出会い結婚できたといえる。出会いから三十数年倖せに暮らせているのだから、たぶん勘違いではなさそうだ。
私たち夫婦は本当に喧嘩をしたことがない。共に喧嘩で引きずる空気感が嫌いなのと、喧嘩をして初めて深くわかり合えるなどという説を、はなから信用していないからだと思う。夫婦喧嘩は犬も喰わないのだ」
いやあ、ここまで言い切ることは、なかなかできることではありません。
倖せな夫婦生活を続けていく上で、著者はさまざまなことを積み重ねています。
たとえば、10年ごとの結婚記念日に結婚指輪を新しく作り直しているそうです。
だから、著者夫妻の手元には結婚指輪が3つあるのだとか。
そして、2020年の結婚40年目に4つめの結婚指輪を作って、百恵夫人と2人で「振り返って見ると、倖せだったね」と言い合いたいのだそうです。



相性の良いパートナーに会うのは人智を超えた世界です。
この人智を超えた出会いのことを「縁」と呼び、良い縁のことを「良縁」と呼びます。
著者のいう「相性が合う」とは、「良縁」の別名に他ならないのです。
「良縁」は、結婚相手だけにあるのではありません。それは、上司、部下、同僚、仲間、親、教師、恋人、子ども・・・・・この世のすべての人間関係において「良縁」というものが存在するのです。本書には、その良縁を引き寄せるための人間のギリギリの努力のあり方が示されています。あとは、「人事を尽くして天命を待つ」しかありません。
以上、今日は「結婚」にまつわるさまざまな話をしました。改めてブライダル・ビジネスが人間の幸福に直結していることを痛感した社員も多かったようです。

                  
最後は末広がりの五本締め



その後は、総勢50名での懇親会を開催し、親睦を深めました。
最後は、サンレー・オリジナルの「末広がりの五本締め」で締めました。
わが社オリジナルの文化は色々とありますが、この「末広がりの五本締め」もそのひとつです。今夜は、マリエールオークパイン金沢の大塚総支配人が音頭を取り、全国の“むすびびと”たちの心が結ばれました。
さらに懇親会の後は、松柏園のラウンジで二次会も開かれました。
大いに交流の輪を広げた夜となりました。



2012年2月22日 一条真也