孔子文化賞授賞式

一条真也です。

28日、東京・目白の椿山荘で「第2回孔子文化賞」の授賞式が行われました。
椿山荘でも最も広い会場を埋め尽くす多くの参加者が集まりました。
最初に、「孔子の子孫」である世界孔子協会の孔健会長が挨拶しました。


孔子文化賞授賞式のようす

受賞者席のようす

世界孔子協会の孔健会長が挨拶



わたしは、孔健会長から表彰状を読み上げられて手渡されました。
続いて、『論語全集』と黄金の孔子像が手渡されました。
わたしは、感激で胸がいっぱいになりました。


孔健会長から表彰状を読み上げられる

孔子文化賞を正式に授与されました

孔子文化賞の表彰状文面



主催者から、今夜は受賞スピーチをしてほしいと言われていました。
それで、わたしは以下のような挨拶を用意しました。(以下、受賞挨拶)
一条真也でございます。わたしのような若輩が、このような名誉ある賞を頂戴し、身に余る光栄です。孔健先生をはじめ、関係者の方々には深く御礼を申し上げます。
わたしは、冠婚葬祭の会社を経営しています。日々、多くの結婚式や葬儀のお手伝いをさせていただいていますが、冠婚葬祭の基本となる思想は「礼」です。
「礼」とは、「人間尊重」ということだと思います。
ちなみに、わが社のミッションも「人間尊重」です。
また、わたしは大学の客員教授として多くの日本人や中国人留学生に「孔子」の思想を教えてきました。主宰する平成心学塾では、日本人の心の柱である神道・仏教・儒教を総合的に学び、日本人の幸福のあり方を求めてきました。さらに、これまで多くの本も書いてきました。孔子や『論語』にまつわる著書もございます。
それらの活動は、バラバラのようで、じつは全部つながっていると考えています。
それらは、すべて「天下布礼」ということです。
人間尊重思想を広く世に広めることが「天下布礼」です。


副賞の『論語全集』を手渡されました



昨今、日本人の「礼」は危機的状況にあるように思います。
親が亡くなっても葬式をあげない人が増え、『葬式は、要らない』などという本まで登場しました。わたしは、「このままでは日本人が大変なことになってしまう」と危惧し、『葬式は必要!』という本を書きました。
世界に数ある宗教の中で、儒教ほど葬儀を重要視するものはありません。
孔子が開いた儒教は、何よりも「親の葬礼」を人の道の第一に位置づけました。
人生で最も大切なことは、親のお葬式をきちんとあげることなのです。
逆に言えば、親のお葬式をあげられなければ、人の道から外れてしまいます。
わたしたちの仕事は、多くの方々に堂々と人の道を歩んでいただくお手伝いをしているのです。これほど、世のため人のためになる仕事はないと心から誇りを感じています。今日みなさまにぜひお伝えしたいことは、日本の冠婚葬祭業は、孔子が説いた「礼」の精神をしっかりと守っているということです。


黄金の孔子像を手渡されました



孔子文化賞を授与され、わたしは本当にこれ以上ない喜びに打ち震えています。
というのも、わたしは人類史上で孔子をもっとも尊敬しているからです。
ブッダやイエスも偉大ですが、孔子ほど「社会の中で人間がどう幸せに生きるか」を考え抜いた人はいないと思います。世に多くの賞あれど、自分が心から尊敬している人の名前が入った賞を授与される喜びはひとしおです。


受賞者全員で記念撮影



わたしは、39歳のときに『論語』の素晴らしさを知りました。
40歳を目前にして「不惑」という言葉の出典である『論語』を40回読んだのです。
すると、不思議なことが起こりました。もう何も惑わなくなったのです。「不惑」の出典である『論語』を40回読むことによって、わたしは実際に「不惑」を手に入れたのです。
わたしは来年、50歳になります。「50にして天命を知る」ということで、自らの使命を知るでしょう。それは、おそらく、「天下布礼」の道をさらに突き進み、孔子の人間尊重を広めていくことではないかと思います。


「礼」の思想を教えてくれた佐久間進会長と



最後に、今日はこの会場に来ておりますが、かつて幼いわたしに「礼」という素晴らしい人間尊重の思想を教えくれ、今も教え続けてくれている父に心から感謝したいと思います。今回の受賞を励みに、これからも世のため人のためのお役に立ちたいと心より願っております。本日は、誠にありがとうございました。謝謝(シェイシェイ)!


テレビをはじめ、多くの取材を受けました

日中映画賞を受賞した千葉真一氏と

野村克也夫妻も来られました

挨拶をされる野村克也



実際は、進行の手違いによる時間不足で満足な挨拶はできませんでした。
まことに残念です。正直、儀式の進行は日本人のほうが得意ですね・・・・・。
授賞式の後、わたしは次の短歌を詠みました。


     かねてより敬ひ慕ふ人の名の栄誉授かり嬉しからずや  (庸軒)


授賞式が終わると、テレビ局をはじめとする多くのメディアからの取材を受けました。
昨年の受賞者である野村克也夫妻も来られて、大いに盛り上がりました。
また、日中映画賞を受賞された俳優の千葉真一氏と記念撮影しました。
映画「キル・ビル」以来に拝む千葉氏の顔を見ていると、わたしの頭の中で、なつかしい「キイハンター」のメロディーが鳴り響きました。


左から、出版界の「寅さん」、「丹下段平」、「青年将校」と

中国政府の要人と

ファンの女性と



今日は、「出版界の丹下段平」こと三五館の星山佳須也社長、「出版界の青年将校」こと中野長武さん、「出版寅さん」こと内海準二さんらが駆けつけてくれました。
授賞式後の懇親会では、多くの中国人女性から「一条先生の大ファンです!」と言われて、当惑しました(微苦笑)。「一条先生は、中国ですごい人気なんですよ!」と言われて、さらに困惑しました。ほんまかいな?


稲盛財団の稲盛氏と

孔健会長と固い握手

カラオケ・スナック「DAN」でカンパイ!



今回は、尊敬する稲盛和夫氏との同時受賞ということで、生涯忘れられない思い出となりました。残念ながら稲盛氏はご病気のため欠席され、実弟である稲盛豊実氏(公益財団法人・稲盛財団 専務理事)が代理で授賞式に出席されました。
最後は、孔健会長と「これからも、世に孔子の思想を広めましょう!」と誓い合い、固い握手を交わしました。その後、みんなで赤坂見附まで出て食事をしました。
それから、「東京の止まり木」ことカラオケ・スナック「DAN」を訪れたところ、ブログを見て今日の出来事を知っていたマスターが「祝!孔子文化賞受賞」というラベル付きのシャンパンを用意して待っていてくれて感激しました。いや、嬉しかったなあ!
常連のみなさんも、拍手で迎えてくれました。そのシャンパンの美味かったこと!
この感激を生涯忘れずに、これからも精進したいと思います。


2012年2月29日 一条真也


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