一条真也です。
東京に来ています。
今日は、全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)の社会貢献基金の助成金交付式が新橋で行われます。わたしは、全互協の広報・渉外委員長として出席しました。
社会貢献基金とは、地域のさまざまな災害の救済、社会福祉事業、環境保全事業、国際協力など 社会貢献活動を行う各種団体等への助成、並びに社会貢献に資する調査・研究を目的とした事業に対する助成を行うためのものです。
それによって、日本の生活文化と地域社会の発展に寄与することを目的としています。
互助会の全国組織である社団法人・全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は会員企業、さらには互助会会員からの募金による「社会貢献基金」を運営し、さまざまな団体に対しての助成を行っています。詳しくは、「全互協・社会貢献基金HP」をご覧下さい。
助成金交付式のようす
毎年多くの団体から助成金交付の申し込みがあり、審査の結果、交付するプロジェクトを選びます。「互助会」が「互助社会」への入口となるためにも、社会貢献基金による助成活動の意義は非常に大きいと言えます。
そして、今日は4団体と2人の研究者に助成金の交付を行いました。
交付式では最初に、わたしが簡単な挨拶をしました。
「互助社会を実現するために、みなさんの活動は非常に意義深く、全互協として応援させていただきました」と述べました。
それから、それぞれの方々に助成金の目録をお渡しし、その後はみなさんの活動内容および現状についてお話をお聞きしました。
緊急クラウンジャポンへの交付
日本点字図書館への交付
本日、交付を受けた4つの団体とは、以下の通りです。
●任意団体 森敦史君と共に歩む会
(盲ろう者である大学生・森敦史さんの支援活動を行っています)
●社会福祉法人 日本点字図書館
(点字で世界の名画を鑑賞できる画集を作成します)
●緊急クラウンジャポン
(クラウン=道化師によって「笑い」を通じたコミュニケーションを広く提供します)
●特定非営利法人 チャイルドライン支援センター
(18歳までの子どもがかける、子どものための電話 。悩みや悲しみや寂しさを電話で受けとめます)
また、以下の2人の研究者の方にも助成金を交付させていただきました。
●東京大学大学院総合文化研究科 超域文化科学専攻 博士課程 田中大介氏
●筑波大学大学院 人文社会科学研究科 歴史・人類学専攻 戸辺優美氏
東京大学大学院の田中大介氏と
今日は東京大学大学院の田中大介さんが来られており、いろいろお話ししました。
日本における「葬祭」を研究しているという田中さんは、わたしの著書をたくさん読まれているそうです。『のこされた あなたへ』(佼成出版社)も読まれていました。
そして、以前わが社で調査を行った鈴木光さん(当時、ハーバード大学大学院)と親しく、今度、鈴木さんと「葬祭」についての共著を刊行すると聞いて、驚きました。
なんでも、田中さんは三菱商事に勤務する商社マンだったのですが、どうしても葬祭業のことを学問的に研究したくて、大学に入り直して文化人類学を学ばれたそうです。
研究を始めたばかりの頃に方向性で悩んでいた時、『ロマンティック・デス』(国書刊行会)に出会って鮮烈な経験をされたそうです。加えて、鈴木光さんが貴社で行った調査をもとにしたエスノグラフィを読んで興味を掻き立てられたとか。
『ロマンティック・デス』といえば、この本を読んだハーバード大大学院の鈴木光さんがアメリカからはるばる北九州までやって来られたことも思い出しました。
昨夜、田中さんは「実際にお会い出来たらと長らく思いつつ果たせなかったため、本日やっとご挨拶できたことを私自身とても嬉しく思っています」とのメールを下さいました。
これから、ぜひ田中氏とさまざまな情報交換、意見交換を行っていきたいと思います。
交付式の終了後、みなさんからお話を伺いました。
みなさん、本当に素晴らしい活動をされています。みなさんの活動報告を聞いていると、「この社会もまだまだ捨てたものじゃない」と思えてきます。
まさに、「お互いさまの社会」「助け合い社会」に向けた互助会らしい事業ですね。
わたしも、NPO法人を通じて行っている「隣人祭り」の活動についてお話ししました。
みなさん、非常に興味深く「隣人祭り」の話を聞いて下さいました。
たしかに現実は過酷です。なかなか理想だけでは物事は進まないでしょう。
しかし、「自分がやっていることは社会のためになっている」と胸を張って言える活動をされているみなさんの顔は輝いていました。また、みなさんもお互いの報告を聞いて、自分の知らない世界を知り、とても興味を抱かれたようでした。
それぞれの団体がさらに相互扶助の関係になれれば素敵ですね!
そのお手伝いを、これからも、ぜひさせていただきたいです。
素晴らしきハートフル・ピープルの輝いている顔を見ていたら、「ハートフル・ソサエティ」の到来が近づいてきたような気がしました。
明日は、「東アジア冠婚葬祭業国際交流研究会」です。
わたしは、「東アジア葬祭事情」についての研究発表を行います。
2012年3月5日 一条真也拝