新しい仲間たち

一条真也です。

サンレーグループにとって大きな出来事がありました。
19日に、創業100年を超える冠婚葬祭の名門企業である北九積善社の全施設を取得したのです。いずれも伝統ある荘厳な、また最新のモダンな、豪華施設ばかりです。


今夜は、(株)サンレー紫雲閣事業部の入社式を行いました



一度に6つもの高級会館が紫雲閣グループに加わり、これまで地域でトップを誇っていたサンレー北九州のシェアはさらにアップすることでしょう。
当然ながら、業界でも大きな話題を呼んでいます。わたしは、もともと北九積善社という会社を素晴らしい会社であると思っていました。今年2月にご逝去された故・越智信一会長は尊敬すべき業界の大先輩でしたし、越智英晶社長も立派な人格者です。
わが社が得たものは施設だけではありません。
北九積善社から、16名の社員がサンレーに入社しました。
その中には1級葬祭ディレクターも多く、紫雲閣の人材の層がいっそう厚くなりました。
また、生花業の(株)オラシオンが来月には事業譲渡され、こちらも4名が入社します。
数ヵ月前、生前の越智会長と越智社長にお会いする機会がありました。
その時、お二人から言われたことは、「当社の社員は他の会社にひけをとらぬと自負しております。自信を持ってサンレーさんにおまかせすることが出来るので、よろしくお願いします」とまで言われました。わたしは、身の引き締まる思いでした。


入社式で社長訓示を行いました



20日、松柏園ホテルで入社式が行われました。
司会進行は、わが社の黒木課長が担当しました。
黒木課長は、今回の出来事の最大の貢献者でもあります。
社長であるわたしが、全幅の信頼を寄せて、全権を黒木課長に委任したのです。
その記念すべき入社式で、わたしも社長訓示を行いました。
まず、わたしは「みなさん、入社おめでとうございます」と言いました。
それから、「本日は、みなさんがサンレーグループの一員となりましたことを非常にうれしく思います。みなさんは、突然のことで大変動揺され、不安な日々を経て、わが社に入社することを選択され、今日を迎えられたと思います」と述べました。


心を込めて、お話ししました



それから、日本文化のキーワードである「和」について話しました。
陽明学者の安岡正篤によれば、日本の歴史を見ると、日本には断層がないことがわかるといいます。文化的にも非常に渾然として融和しているのです。
いわゆる「征服」や「被征服」の関係においても、そのことが言えます。
諸外国の歴史を見ると、征服者と被征服者との間には越えることのできない壁、断層がいまだにあります。しかし日本には、文化と文化の断層というものがありません。早い話が、天孫民族と出雲民族とを見てみると、もう非常に早くから融和しているのです。
古事記』や『日本書紀』を読むと、日本の古代史というのは和の歴史そのものであり、日本は大和の国であることがよくわかります。
「和」を一躍有名にしたのが、かの聖徳太子です。
太子の十七条憲法の冒頭には「和を以って貴しと為す」と書かれています。



「天の時は地の利に如かず。地の利は人の和に如かず」とは『孟子』の言葉です。
天の時、つまりタイミングは立地条件には及びません。
しかし、立地条件も「人の和」には及ばないという意味ですね。
人の和がなかったら、会社の発展もありません。
組織の結束力を高めることは、仕事を成功させることにおいて非常に大事なのです。
いわば、「人の和」こそは最強であると言えるでしょう。



わたしの社長訓示に続いて、橋本常務と東常務が演壇に立ちました。
2人とも歓迎の意を表した後、橋本常務は「互助会」について、東常務は「葬祭」についての話をしました。みなさん、真剣な表情で聴き、メモも取っていました。
それから、紫雲閣事業部の祐徳部長の音頭で「和のこえ」をしました。
「和」といえば、わが社には「和のこえ」という企業文化があります。
全員で手をつなぎ、「がんばろう!」を3回唱和しながら両手を上下に動かします。



今ではすっかりサンレー名物となった「和のこえ」ですが、今から40年も前に北九州に中曽根康弘大勲位が来られたとき、佐久間進会長の挨拶の後に、みんなで手を組んで「和のこえ」を行ったそうです。それ以来、佐久間会長が中曽根大勲位にお会いするたびに、「あのときの盛り上がりは素晴らしかったね」と言われたそうです。
思えば、中曽根通産大臣時代に、冠婚葬祭互助会の法制化が成立したのでした。
この「和のこえ」をやると、本当にその場にいる人々の心が一体となります。
今日は、新しい仲間を迎えて、紫雲閣事業部の佑徳秀信部長の音頭で「和のこえ」を行い、サンレーグループのさらなる発展を誓い合いました。
入社式の後は、写真スタジオに移動して、全員で記念撮影をしました。


歓迎懇親会での佐久間会長の挨拶

みなさんに「よろしくお願いします」と言いました



その後は歓迎懇親会を開催し、新旧の社員が親睦を図りました。
最初に佐久間進会長が挨拶し、心からの歓迎の意を表していました。
続いて、社長のわたしが挨拶し、橋本常務が乾杯の音頭を取りました。みなさん、初めは緊張で硬くなっていたものの、お酒が入ると次第に打ち解けてきたようでした。
わたしは全員の席を回ってお酌をし、「これから、よろしくお願いします」と言いました。
みなさんも「これから、頑張ります」と言ってくれて、嬉しかったです。



話してみると、わが社のことやわたしのことをよく知っている人が多いので、驚きました。
聞くと、ほとんどの人が「一条真也のハートフル・ブログ」を読んでくれていました。
また、オフィシャルサイト「ハートフルムーン」で公開している「マンスリーメッセージ」を読んでいるという人もいました。今日初めて会ったようでも、HPやブログで以前からみなさんとつながっていたのだと思うと、まことに感無量です。
みなさん、社会人としても本当に素晴らしい人たちばかりでした。
企業の宝は、施設ではありません。企業の宝は、絶対に人です。
わたしは、素晴らしい仲間たちが新たに加わってくれて、本当にありがたく思います。
天下布礼を遂行するための強力な援軍を得た心境です。



懇親会の途中で、自己紹介の時間がありました。
新しく入社した社員の代表者が挨拶をしてくれました。
その方は、「わたしたちは辛い思いをして、不安でした。でも、今日はこんなに歓迎していただいて感謝しています。これから、サンレーの一員として会社の発展のために頑張ります」と言ってくれました。それを聞いて、涙を拭いている方もいました。
その姿を見て、わたしの胸にもこみあげるものがありました。
「この人たちに幸せな人生を送ってもらわないと」という責任を痛切に感じました。


最後は、「末広がりの五本締め」で



最後は、東常務の音頭で「末広がりの五本締め」を行いました。
和のこえ」と並ぶ、サンレーの企業文化の代表格です。
日頃は「鬼軍曹」のような東常務も、今夜は「生き仏」のように優しい表情でした。
丁寧に「末広がりの五本締め」について説明してから行いました。
1本、2本、3本、4本、5本・・・・・指の数が増えるたびに大きくなる手拍子の音を聞きながら、わたしは「さあ、天下布礼がいよいよ進むぞ」と思いました。
わたし自身、今夜は忘れられない一夜となりました。


2012年4月21日 一条真也