営業・相談室責任者会議

一条真也です。

21日の午後、 サンレーグループ全国営業・相談室責任者会議が開催されました。
営業の各種表彰を行った後、わたしが60分ほど社長訓話をしました。
孔子文化賞」の受賞記念ということもあって、今日は「孔子」について話しました。


最初に、営業優績者の表彰をしました

営業・相談室責任者会議を開催しました



最初に、日本人の「こころ」の三本主柱としての神道・仏教・儒教について話しました。
日本人の「こころ」は、明らかに神道と仏教と儒教という三大宗教によってデザインされています。それは宗教編集者としての聖徳太子によってデザインされたものですが、その後、三大宗教は融合して、「武士道」や「心学」や「冠婚葬祭」を生み出しました。
じつは、日本の冠婚葬祭には儒教の影響が強く見られます。
神前結婚式にも、仏式葬儀にも儒教は大きく入り込んでいるのです。


儒教と冠婚葬祭について説明しました



日本人の精神風土は、神道も仏教も儒教も、その体内に取り入れています。
そのことを、わたしは本当に素晴らしいことであると思います。
別に無宗教とか宗教の世俗化ということで卑屈になる必要はまったくありません。
一神教の世界では戦争が絶えませんが、日本人はあらゆる宗教を寛容に受け入れます。その広い心の源流をたどれば、はるか聖徳太子に行き着きます。憲法十七条には、神道も仏教も儒教も、そして道教の思想までもが全部込められているのです。
「あれも、これも」が「ええとこ取り」に昇華されて、多様な宗教思想が仲良く共存しています。まさに「和をもって貴しとなす」という太子の思想の核を見ることができます。


孔子について語りました



儒教の開祖こそ、孔子です。孔子は、紀元前551年に中国の山東省で生まれました。
ブッダとほぼ同時期で、ソクラテスよりは八十数年早い誕生でした。
孔子ブッダソクラテスにイエスを加えて、世界の「四大聖人」です。
孔子は学問に励み、政治の道を志しましたが、それなりのポストに就いたのは50歳を過ぎてからでした。試みた行政改革が失敗に終わって、「徳治主義」という自らの政治的理想を実現してくれる君主を求めて、諸国を流浪したのです。
春秋戦国時代の末期であった当時は、古代中国社会の変動期でした。
つねに「天」を意識して生きた孔子は、混乱した社会秩序を回復するために「礼」の必要性を痛感し、個人の社会的道徳としての「仁」が求められると考えました。
多くの弟子を教えた孔子は、74歳で没します。
死後、彼の言行録を弟子たちがまとめたものが『論語』です。
論語』は、千数百年にわたって、わたしたち日本人の先祖に読みつがれてきました。
意識するしないにかかわらず、これほど日本人の心に大きな影響を与えてきた書物は存在しません。特に江戸時代になって徳川幕府儒学を奨励するようになると、必読文献として教養の中心となり、武士階級のみならず、庶民の間にも普及したのです。


論語』の内容についても触れました



論語』には次の有名な言葉が出てきます。
「われ十五にして学に志し、三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳従う。七十にして心の欲する所に従って矩を踰えず」
これらは、一般に「志学」「而立」「不惑」「知命」「耳順」「従心」と呼ばれます。
60になって人の言葉が素直に聞かれ、たとえ自分と違う意見であっても反発しない。
70になると自分の思うままに自由にふるまって、それでいて道を踏み外さないようになった。ここには、孔子が「老い」を衰退ではなく、逆に人間的完成としてとらえていることが明らかにされています。人は老いるほど豊かになるのです。


五倫五常」についても説明しました



孔子が残した教えを具体的に見てみると、儒教の実践道徳として「五倫」と呼ばれるものがあります。これは、『孟子』の中にある「父子親あり、君臣義あり、夫婦別あり、長幼序あり、朋友信あり」をさします。ただし、『中庸』では、この五倫は「五達道」と称され、君臣・父子・夫婦・兄弟・朋友の順になっています。
父子を第一とする『孟子』に対して、『中庸』では君臣を第一とするのです。
家族主義的な『孟子』と国家主義的な『中庸』と対比させることもできますが、どちらも具体的な人間関係において道徳を説いている点は同じです。
まさに、これこそが儒教の特色であると言えるでしょう。
このような具体的な人間関係における倫理規範としての「五倫」の他に、儒教には「五常」と呼ばれる徳目もあります。すなわち、仁・義・礼・智・信です。
もちろん「五倫」や「五常」は後世の弟子が定めたものですが、その根本思想は儒教の開祖である孔子の精神に基づいています。



そして、最後に、わたしは「営業や相談室の仕事は、仁・義・礼・智・信のすべてを総動員して取り組むべき仕事です。すなわち、総合的な人間力が求められるのです」と述べ、さらなる努力・精進を訴えました。
わたしの訓話の間、みんな真剣な表情で話を聴き、メモを取っていました。
孔子の思想をしっかりと学んだわが社の営業・相談室の責任者たちは、コンプライアンスの意識を高く持って仕事に取り組んでくれると信じています。


懇親会での佐久間会長による挨拶

会長に続いて、わたしも挨拶しました



社長訓話後は、サンレー本社から松柏園ホテルに移動して、懇親会が開催されました。最初に佐久間進会長が挨拶し、続いてわたしが挨拶しました。
それから橋本洋介常務の音頭で乾杯しました。


懇親会のようす

お造りの中に金環日食が!!



懇親会は和やかに進みましたが、料理で出された「お造り」の中に「金環日食」を発見したときは、会場のあちこちで「おおっー!」という感動の声が上がりました。
松柏園も粋な演出をするものですが、なんでも調理長が今朝のわたしのブログを読んで思いついたとのことです。「雨で金環日食が見れなかった社長たちに、料理で金環日食を見せてあげよう」と思ったというのです。
いやあ、嬉しいじゃありませんか! これぞ、ホスピタリティです。
ブログといえば、懇親会で話した社員全員がわたしのブログを楽しみにしていると言ってくれました。営業員さんや相談員さんたちも、毎朝必ずチェックしてくれているとか。
お客さんとの会話をするときに、「じつはウチの社長が・・・・・」という具合に、話題を提供できるというのです。それを聞くと、疲れた体で書くブログにも張り合いが出ます。



懇親会の最後は、松田哲男部長が中締めの挨拶をしました。
松田部長は、「世界孔子協会の孔健会長から『世界一の礼の実践者』と社長が呼ばれたことは、われわれ社員にとっても大きな誇りです。わが社は世界一の礼の実践集団として頑張りましょう!」と述べ、「末広がりの五本締め」を行いました。
わたしたちは「天下布礼」を生業とする礼業の会社として、胸を張って冠婚葬祭互助会の営業や相談室の業務を行っていきたいです。


2012年5月22日 一条真也