クレーム対応講演

一条真也です。

熱海に来ています。
いま、熱海後楽園ホテルの宴会場にいます。
13時30分から、全互協の「経営者研究会」が開かれました。


経営者研究会が開催されました



今日の講師は、三輪康子氏(元大手ホテルチェーン新宿歌舞伎町支配人)でした。
三輪氏には『日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人』(ダイヤモンド社)という著書がありますが、今日の講演のテーマも同じでした。


講演する三輪康子氏



新宿駅は乗降客の数が世界一だそうですが、その近郊に立地する繁華街が歌舞伎町です。そこに350室444人収容の大手ホテルチェーン新宿歌舞伎町店があります。
三輪氏が支配人として初めて着任したとき、ロビーにはヤクザがたむろし、最上階はヤクザの定宿、汚水槽には覚醒剤の注射器が浮かんでいたそうです。


経営者研究会の資料より



このような状況にあっても三輪氏は、素性がヤクザと知れば宿泊を断り続けました。
怒り狂って日本刀を振りかざしてきたヤクザには一歩前に踏み出し、「お客様に、私は殺せません」と迫ったそうです。毎朝、朝礼では「必ず守る」とスタッフたちを励ましながら、「お客様を命がけで信じる」を信条としたとか。
1人の退職者も出さず、結束した組織を作り上げ、荒れ果てた状況を改善もしました。
売上では全国240店舗あるグループ内で2004年から2010年の7年連続「売上日本一」となりました。高稼働率、チームワーク、そして地域への貢献が評価され、MVP賞を受賞されました。これは、クレーム対応がうまいだけでは決して不可能な快挙です。


熱弁をふるう歌舞伎町のジャンヌ・ダルク



三輪氏は「歌舞伎町のジャンヌ・ダルク」と呼ばれているとか。
しかし、ご自分では「歌舞伎町のマザー・テレサ」であると思っているそうです。
なぜなら、三輪氏は誰にでも大きな愛を示すことができるからだそうです。
そして、経営者には何よりも「愛」と「勇気」が必要であるとし、「サービスはマネージャーを作り、ホスピタリティはリーダーを作る」と述べていました。
壮絶なヤクザとの対決をはじめ、じつに聴き応えのある講演でした。


2012年7月17日 一条真也


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