日本人の尖閣上陸

一条真也です。

日本人が尖閣諸島魚釣島に上陸しました。
19日朝、尖閣諸島の周辺海域で行われていた戦時中に亡くなられた方々の慰霊祭に参加した日本人のうち10人が、船から泳いで上陸したのです。


産経新聞」8月20日朝刊



上陸した10人のうち5人は、東京都や東京の杉並区、荒川区兵庫県、それに、茨城県取手市の地方議員だとのこと。上陸した人々は、灯台付近で国旗を掲げたりした後、午前10時前までに全員が泳いで船に戻ったそうです。
慰霊祭には、国会議員や地方議員、それに、一般の人などおよそ150人が参加していました。政府に上陸許可を申請したそうですが、政府は、「政府関係者以外が上陸すると、島の平穏かつ安定的な維持管理が損なわれるおそれがある」として、申請を認めていませんでした。今月15日、中国の領土だと主張し、魚釣島に上陸した香港の活動家らが不法入国の疑いで逮捕されました。
17日に強制送還されたばかりですが、これを受けて中国では25都市で反日デモが行われ、日本料理店が襲撃されるなど一部で暴徒化しているようです。


産経新聞」8月20日朝刊



上陸した東京都荒川区議の小坂英二氏と茨城県取手市議の小嶋吉浩氏は「誰かが日本領土だと示す必要がある」と語ったそうですが、まさに同感です。
「日本が実効支配している島に泳いで渡っていって、どうするのか」「上陸した人々の行為を正当化するのは難しい」という声もあるようですが、わたしは彼らはよくやったと思います。どう見ても街のチンピラにしか見えない香港の活動家とやらが魚釣島に上陸して以来、また韓国大統領が竹島に上陸して以来、わたしは「どうして、日本の右翼は何も行動を起こさないのか」と思っていましたが、右翼などではなく、日本の地方議員たちが勇気ある行動を起こしてくれました。彼らの社会的立場を考えると、本当に「よく、やった」と思います。まさに、「義を見てせざるは勇なきなり」です。
彼らの行為は、軽犯罪法違反などとは比較にならないほど価値あるものでした。


尖閣諸島沖縄県ですが、わが社は沖縄本島でも石垣島でも冠婚葬祭事業を展開しています。沖縄といえば、成人式が毎年荒れるのが話題になりますが、わたしはこれを苦々しく思っていました。「守礼之邦」である沖縄のイメージを著しく損ない、また成人式という大事な通過儀礼を冒涜するものだからです。
それで以前、わたしは「守礼」と書かれた旗を持って会場に乗り込み、成人式を妨害する若者たちを叱責しようと考えたのですが、社員の猛烈な反対にあって断念したことがあります。今回も、本当はわたし自身が魚釣島に上陸したかったぐらいです。


朝日新聞」8月20日朝刊



中国大使も、丹羽宇一郎氏から西宮伸一氏に交代するようです。
大変な苦労続きだった丹羽大使には、心から「お疲れ様でした」と言いたいです。
今年は、日中国交正常化40周年のアニバーサリー・イヤーです。
そんなに記念すべき年に、わたしは「孔子文化賞」を受賞させていただきました。
それだけに、一連の中国からの挑発行為は本当に残念でなりません。


産経新聞」8月20日朝刊



無法国家なのは、中国だけではありません。19日、なんと韓国は島根県竹島(韓国名は独島)で李明博大統領直筆の石碑の除幕式を行いました。
これは、もう悪質な挑発行為以外の何物でもありません。それにしても、こんな時でさえ、韓流ドラマやK−POPに夢中になっている日本人が多いのは情けない!
日本には軍事力がないので、諸外国から完全に舐められています。
加えて、基本的な外交方針を持たない現政権のていたらく。
いくら軍事力がなくても、日本は国際社会に対して「間違っていることは間違っている。正しいことは正しい」と言い続けなければなりません。
もうすぐ銀座で五輪メダリストの凱旋パレードが行われますが、オリンピックのときしか愛国心を自覚できない日本人が多いのは不幸なことですね。


2012年8月20日 一条真也