読書の達人

一条真也です。

東京に来ています。
東京出張中の一日は忙しいです。
まず午前中は業界関係の打ち合わせをこなしましたが、東京があまりに寒いので震えあがりました。ブルブル。
昨日の朝、北九州の気温が20度もあり、とても暖かかったのです。
そのため、コートを持ってきませんでした。
でも、それでは耐えられない寒さです。風邪を引きそうです。ブルル。
急遽、ランチ・ミーティングで訪れた六本木ヒルズにあるセレクト・ショップ「エストネーション」で、マッキントッシュの茶色のスプリングコートを求めました。
ちょっと若者向けのデザインかとも思いましたが、まあいいでしょう。
午後からは飯田橋にある双葉社へと向かいました。
双葉社は『クレヨンしんちゃん』の版元としても知られる老舗の出版社で、昨年、わたしは『本当は面白い世界の神々』という監修書を出しました。
その双葉社が「双葉新書」という新書を創刊し、わたしも一冊書き下ろすことになったのです。タイトルは、ずばり、『葬式は必要!』。このブログをいつも読まれている方には、もう説明の必要はないでしょうが、わたしは「人間には絶対に葬式が必要である」と心の底から思っていますので、万難を排して、この書を書きます。3月15日までに脱稿し、4月中旬には店頭に並べるという緊急出版ですが、自分の使命と思って頑張ります。いまの日本には、『葬式は必要!』が必要だからです。



双葉社からの帰り、地下鉄に乗ったら、わたしがインタビューを受けた雑誌の車内吊りが大々的に出ていて、驚きました。「一条真也」の名もバッチリ出ています。
じつは、この雑誌を刊行している出版社は、某宗教団体の系列であり、その団体は最近、政党を結成したことで話題となっています。
何人かの人からこの団体との関係を訊ねられました。
神道、仏教、儒教のいずれをも「こころ」の支えとしていますが、わたし自身はどの宗教団体の会員でも信者でもありません。
ましてや関係する政党から出馬することなど、まったく考えておりません。
ただ単に「人間関係」を特集記事とするその雑誌の編集方針に共感し賛同したため、インタビューをお受けした次第です。
その後、外苑前の伊藤忠商事を訪れました。

昨日のブログで書いた『クオリティ・リーディング』の著者である三輪裕範さんにお会いするためです。三輪さんが部長を務められる調査情報部の応接室でお会いしました。

               伊藤忠商事の本社を訪れました


伊藤忠の調査情報部長などというと、なんだか「不毛地帯」的な参謀本部長のようなイメージもあったのですが、ご本人はとても温厚で優しい方でした。
いろいろと読書の話をさせていただき、大いに盛り上がりました。
読書や執筆の時間を創出する方法や知恵も交換させていただきました。
三輪さんは、いま、人生論の名著についての著書を書かれる計画があるとか。
わたしも決定したばかりの『葬式は必要!』についてお話しました。
三輪さんは昨年お父上を亡くされたばかりであり、「わたしも、葬式は必要だと思いますよ」とおっしゃってくれました。
そして、三輪さんが懐刀を務める丹羽宇一郎会長のお話を聞かせていただきました。
わたしは、丹羽会長を心からリスペクトしています。
丹羽会長は国連WFP協会の会長も務められています。
飢餓と貧困の撲滅を使命とする団体ですが、丹羽会長のメッセージに感銘を受け、わが社も加盟させていただきました。
正式名称は「特定非営利活動法人 国際連合世界食糧計画WFP協会」です。
わが社は評議員メンバーとして認めていただき、現在、世界の子どもたちの命を救うお手伝いをさせていただいています。



丹羽会長はまた大変な読書家としても知られ、三輪さんに「最近、こんな面白い本を読んだ」と言って、いろんな本を紹介してくれるそうです。
たとえば、モンテーニュの『エセー』(白水社)、アレキシス・カレルの『人間 この未知なるもの』(三笠書房)、張養浩の『為政三部書』(明徳出版社)、イザべラ・バードの『イザベラ・バード日本紀行』(講談社学術文庫)などで、じつにバラエティに富んでいます。
それにしても上司が薦めてくれた本を読める部下というのは幸せですね。
三輪さんは、また、拙著『あらゆる本が面白く読める方法』(三五館)に出てくるわたしの書斎に興味をお持ちでした。いつか、書斎についての本も書いてみたくなりました。
とにかく、ビジネス界を代表する読書の達人とたっぷり読書論を交わさせていただき、至福の時間を過ごしました。


                    三輪裕範さんと


その後、わたしは同じ伊藤忠本社内にある建設・不動産部門へと足を運びました。
ここで、極秘のビッグ・プロジェクトについて打ち合わせするためです。
その内容ですか?
それは、ちょっと企業ヒ・ミ・ツです。
また、お話できる時がきたら、報告しますね。


2010年3月4日 一条真也