BOOK

『柔らかな犀の角』

一条真也です。『柔らかな犀の角』山崎努著(文藝春秋)を読みました。 日本映画界を代表する名優として知られる山崎努さんの読書日記です。 「週刊文春」に好評連載された「私の読書日記」6年分が収録されています。 山崎努の読書日記 表紙には犀の部分イ…

『すべては今日から』

一条真也です。『すべては今日から』児玉清著(新潮社)を読みました。 2011年5月16日に逝去した俳優の児玉清さんの遺稿集です。 児玉さんは大の読書家として知られ、本への熱き想いを綴った著書『寝ても覚めても本の虫』(新潮文庫)はわが愛読書で…

『読書の技法』

一条真也です。『読書の技法』佐藤優著(東洋経済新報社)を読みました。 著者は、「知の怪物」として知られる作家・元外務省主任分析官です。 ブログ『野蛮人の図書室』で紹介した本の著者でもあります。本書には、「誰でも本物の知識が身につく熟読術・速…

読書コミック

一条真也です。 ブログ「図書館コミック」で、図書館をテーマにしたさまざまなコミックを紹介しましたが、本そのものをテーマにしたコミックも存在します。 わたしは「読書コミック」と呼んでいるのですが、なかなかの名作です。 運命の本との邂逅を描く傑作…

図書館コミック

一条真也です。いま、コミックの世界では「図書館コミック」というジャンルが生まれつつあります。 ブログ『鞄図書館』で紹介したコミックもそうですが、その他にもあります。 その代表作ともいえる名作が、『夜明けの図書館』埜納タオ著(双葉社)です。 ほ…

『鞄 図書館』

一条真也です。『鞄図書館』第1巻、芳崎せいむ著(東京創元社)を読みました。 ブログ『金魚屋古書店』シリーズで紹介したコミックと同じ作者による作品です。 主役は、あらゆる書物を所蔵するという、幻の「鞄図書館〉」です。 不思議な鞄と司書の2人が世…

『金魚屋古書店』シリーズ

一条真也です。『金魚屋古書店出納帳』上・下巻、芳崎せいむ著(小学館)を再読しました。 知る人ぞ知る「漫画」がテーマの「漫画」です。 現在も月刊「IKKI」に連載中の「金魚屋古書店」が有名ですが、本書はその前に発表された、いわば序論であり、前…

『テレキネシス』

一条真也です。『テレキネシス』全4巻、東周斎雅楽作、芳崎せいむ画(小学館)を読みました。 「山手テレビキネマ室」というサブタイトルがついていますが、山手テレビというテレビ局で「金曜深夜テレビキネマ館」という番組を作る人々の物語で、古今東西の…

『映画は父を殺すためにある』

一条真也です。『映画は父を殺すためにある』島田裕巳著(ちくま文庫)を読みました。 これまで、このブログで著者の本を何冊か紹介してきました。正直言って批判した本もありましたが、本書はまことに読み応えのある好著でした。 通過儀礼という見方 サブタ…

『雪男は向こうからやって来た』

一条真也です。『雪男は向こうからやって来た』角幡唯介著(集英社)を読みました。 著者は、1976年北海道生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業ということで、わたしの後輩に当たります。また、早大探検部のOBということで、辺境作家にしてUMAハンタ…

『未来国家ブータン』

一条真也です。『未来国家ブータン』高野秀行著(集英社)を読みました。 著者は、ブログ『幻獣ムベンベを追え』、ブログ『怪獣記』で紹介した作家です。 UMA(未確認動物)を求めて、世界中を駆け巡る人物です。 最新作である本書は、「世界でいちばん幸…

『怪獣記』

一条真也です。『怪獣記』高野秀行著(講談社文庫)を読みました。 ブログ『幻獣ムベンベを追え』で紹介した本と同じく、UMA研究家でもある著者が謎の水棲生物を探すエキサイティングなノンフィクションです。 100%ガチンコ・ノンフィクション 表紙カ…

『幻獣ムベンベを追え』

一条真也です。『幻獣ムベンベを追え』高野秀行著(集英社文庫)を読みました。 アフリカ大陸・コンゴの奥地には、太古の昔より謎の怪獣モケーレ・ムベンベが生息するといわれています。そのムベンベ発見に挑む、早稲田大学探検部11名の密林サバイバル78…

『エリア51』

一条真也です。『エリア51』アニー・ジェイコブセン著、田口俊樹訳(太田出版)を読みました。 「世界でもっとも有名な秘密基地の真実」というサブタイトルがついています。 著者のアニー・ジェイコブセンは、アメリカの調査報道ジャーナリストです。 「ロ…

『死ぬことが怖くなくなるたったひとつの方法』

一条真也です。『死ぬことが怖くなくなるたったひとつの方法』矢作直樹・坂本政道著(徳間書店)を読みました。「『あの世』をめぐる対話」というサブタイトルがついています。 「勇気の人」こと矢作直樹氏は、1956年生まれの東大医学部教授です。 ブロ…

『人は死なない。では、どうする?』

一条真也です。今年のお盆は終わりました。でも、死者はつねに生者とともにいます。 『人は死なない。では、どうする?』矢作直樹・中健次郎著(マキノ出版)を読みました。 「東大医学部教授と気功の泰斗の対論」というサブタイトルがついています。 東大医…

『オカルト』

一条真也です。8月15日は、67回目の「終戦の日」です。 『オカルト』森達也著(角川書店)を読みました。 著者は、ドキュメンタリー映画監督、テレビ・ドキュメンタリー・ディレクターです。特に「A」や「A2」などのオウム真理教関連のドキュメンタ…

『オカルト「超」入門』

一条真也です。『オカルト「超」入門』原田実著(星海社新書)を読みました。 さまざまなジャンルのオカルトの歴史を作った重大事件について、その成り立ちと背景を歴史研究家の視点から解説した本です。 歴史と背景から学ぶ決定版! 著者は、ブログ『ものの…

『もののけの正体』

一条真也です。『もののけの正体』原田実著(新潮新書)を読みました。 著者は1961年生まれ、広島県出身。龍谷大学を卒業して、古神道や日本の霊学関係の専門出版社である八幡書店に勤務したこともある歴史研究家です。 また、トンデモ本を批判的に楽し…

『怪談文芸ハンドブック』

一条真也です。『怪談文芸ハンドブック』東雅夫著(メディアファクトリー)を読みました。 ブログ『遠野物語と怪談の時代』、ブログ『なぜ怪談は百年ごとに流行るのか』で紹介した本の著者による本格的な怪談入門書です。 愉しく読む、書く、蒐める 「愉しく…

『なぜ怪談は百年ごとに流行るのか』

一条真也です。夏真っ盛りです。お盆も近く、怪談の季節ですね。 『なぜ怪談は百年ごとに流行るのか』東雅夫著(学研新書)を読みました。著者は当代一の「怪談スペシャリスト」で、ブログ『遠野物語と怪談の時代』でも紹介しました。 最新日本怪談入門 本書…

『災害と妖怪』

一条真也です。『災害と妖怪』畑中章宏著(亜紀書房)を読みました。 著者は、1962年生れの著述家・編集者です。中沢新一氏が所長を務める多摩大学芸術人類学研究所の特別研究員で、日本大学芸術学部写真学科の講師だそうです。 柳田国男と歩く日本の天…

『恐山』

一条真也です。8月9日になりました。「長崎原爆の日」です。 67年前、本当は小倉に落ちるはずの原爆でした。 小倉に落ちていたら、わたしはこの世に生まれてきませんでした。 長崎の多くの犠牲者を想わずにはいられません。 死者のいる場所 『恐山』南直…

『トーチソング・エコロジー』

一条真也です。『トーチソング・エコロジー』第1巻、いくえみ綾著(幻冬舎コミックス)を読みました。 朝日新聞の書評で知って興味を持ち、購入しました。平凡な役者志望の若者の前に、自分にしか見えない不思議な少女が現れるというファンタジー漫画です。…

『死者は生きている』

一条真也です。『死者は生きている』和田惟一郎著(PHP研究所)を読みました。帯には「死者の霊魂は実在し、生者と交信したがっている!」と赤字で大書され、続いて「心霊現象に懐疑的だったドイルは、なぜ心霊主義者になったのか。医師として科学的な態…

『近代スピリチュアリズムの歴史』

一条真也です。『近代スピリチュアリズムの歴史』三浦清宏著(講談社)を読みました。 1848年のアメリカで忽然と生まれた近代スピリチュアリズム。 それは、死者と生者との交信は可能であるという思想運動でした。本書は、19世紀の「心霊研究」から2…

『超常現象を科学にした男』

一条真也です。『超常現象を科学にした男』ステイシー・ホーン著、ナカイサカヤ訳、石川幹人監修(紀伊國屋書店)を読みました。ブログ『幽霊を捕まえようとした科学者たち』で紹介した本の続編という印象を受けました。同書はアメリカの心理学者ウイリアム…

『幽霊を捕まえようとした科学者たち』

一条真也です。8月になりました。「夏は死者の季節」ですね。 『幽霊を捕まえようとした科学者たち』デボラ・ブラム著、鈴木恵訳(文春文庫)を読みました。文春文庫の海外ノンフィクションの1冊です。このシリーズは『フロイト先生のウソ』(R・デーケン…

『幽霊学入門』

一条真也です。「サロンの達人」こと佐藤修さんが、ご自身のブログで「幽霊とグリーフケア」という記事を書かれています。そこで、わたしのことにも言及されています。 そう、わたしは、いま、「幽霊」について考え続けているのです。 グリーフケアの問題を…

『超常現象の科学』

一条真也です。『超常現象の科学』リチャード・ワイズマン著、木村博江訳(文藝春秋)を読みました。 ブログ『運のいい人の法則』で紹介した本と同じ著者ですね。 なぜ人は幽霊が見えるのか 本書には、「なぜ人は幽霊が見えるのか」というサブタイトルがつい…