オリンポスの神々に見守られて

一条真也です。

映画「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」、本当に面白かったですよ!

さて、オリンポスの神々といえば、松柏園ホテルです。
同ホテルのガーデンには、オリンポス12神の等身大像が一同に揃っているからです。
これまでも12神のうちいくつかの像が揃うことはありましたが、すべての神々が、しかも平均180センチという等身大で揃うことは、全国でも初めてであり、大きな話題となりました。サンレーでは、メソポタミア神話や日本神話とのコラボも視野に入れた「パンテオン・プロジェクト」を進めているのです。

               松柏園ホテルのオリンポス12神の前で
 

オリンポス12神について簡単に説明します。
まずは、ゼウス。最高神にして父なる神です。
ホメロスは『イリアス』の中で、「ゼウスが自分の宮殿に帰ってきた。父なる神が近づくのを見て神々はみな席から立ち上がった」と書いています。
ゼウスは天空を支配し、あらゆる気象現象を司り、他の神々すべてを合わせたより強い力を持ちます。オリンポスの玉座から神と人間を支配するのがゼウスなのです。
次に、ヘラ。ゼウスの妻で、結婚と誕生の女神です。
ポセイドンはゼウスの兄弟で、海神として有名です。泉を湧き出させ、馬や雄牛を造り出したとも言われます。
へパイトスはゼウスとヘラの息子で、火と火山の神です。鍛冶屋で魔術師でもあります。アレスも同じくゼウスとヘラの息子で、軍神です。
ディオ二ソスはゼウスの息子で、酒、植物、豊饒、演劇の神です。
太陽神として知られるアポロンはゼウスの息子で、光、予言、詩、音楽の神です。
疫病をもたらし、かつ癒す神でもあります。
ヘルメスはゼウスの息子で、雄弁家、商人、盗賊の神です。神々の使者で、死者の霊魂を導きます。
アテナはゼウスの娘で、芸術、技術、平和、戦の神です。一般には手工芸品と家政学の神として知られています。アルテミスもゼウスの娘で、野性味あふれる狩猟の女神です。子どもの守護神でもあります。
デメテルはゼウスの姉妹で、農業と豊作の女神。生命の再生を司ります。
そして最後に、アフロディーテ。愛と美と微笑みの女神です。
サンレーグループの衣装店のシンボルでもありますね。以上が、オリュンポス12神のオールスターキャストです。



古代ギリシャ人はヨーロッパの中でもとりわけ素晴らしい神話を創造しました。
そして、神々や英雄や人間や動物についての驚くばかりの物語を指すときに現在用いられている「神話」(ミス)という呼び名を生み出したのも、古代ギリシャ人です。
ギリシャ神話はまことに驚異とドラマに満ちており、その影響力は現代人の心の奥底の無意識にまで及んでいます。
神話は架空の物語ではあっても、明らかに真実を描き出しているからです。


ローマ人もやはり、ギリシャ神話の多彩さと力強さに感銘を受けました。それどころか、ギリシャ神話をそっくり借用して、自分たちのイタリアの神をギリシャの神と同一視することが多かったうえ、ローマ川に相当する神がなくてもギリシャの神を取り入れたことまでありました。ギリシャ神話とローマ神話の融合は進み、紀元前2世紀にはそのプロセスが完了したと言われています。 


現在、一時に比べればブームにやや翳りが見えてきたとはいえ、ヨーロッパ風の結婚式を売り物にするハウスウェディングがまだまだ頑張っています。
そこで打ち出しているのはイギリス、フランス、イタリアなどですが、それらヨーロッパ諸国の源流はいずれも古代ローマです。そして、その古代ローマの文化とは、「神話の継承」に象徴されるように古代ギリシャから受け継いだものです。
いわば、ギリシャ→ローマ→ヨーロッパ諸国と、文化は下ってきたわけです。
ハウスウエディングによってヨーロッパの香りをかいだ日本の若者たちが、さらなる本物志向にめざめて、ローマ、そしてギリシャへと関心が向かうのではないかと思います。
映画「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」が、そのきっかけになるかも。


2010年3月15日 一条真也