四国八十八ヶ所

一条真也です。

社員旅行で四国各地をバスで巡りました。
かの四国遍路のコースに重なります。
今回は行程の都合で訪れなかったのですが、昨年は四国八十八ヶ所霊場の第七十五番札所である善通寺を参拝しました。
かの弘法大師こと空海が誕生した場所とされているお寺ですね。


                  弘法大師空海生誕の地

                  第七十五番札所の善通寺


かつて、わたしは『リゾートの思想』(河出書房新社)という本を書いたことがあります。
その中で、空海こそは日本最高のリゾート・プロデューサーではないかと述べました。
そして、そのリゾートとは四国八十八ヶ所のことでした。
四国遍路は、空海がかつて修行をしながら歩いたといわれる八十八ヶ所の霊場をめぐる巡礼です。じつに、全長1400キロメートルにものぼる長大な巡礼ルートは、綿密に考えられ、つくられています。
もうこれ以上歩けないと思うと、次の札所に着く。
のどが渇いてたまらなくなると、ちょうど水飲み場がある。
景色に飽きて退屈してくると、急にすばらしい眺望が開ける。
ほどよく苦行させて、解放させるのです。
四国遍路のゴールである第八十八番札所の医王山大窪寺に辿り着いたころには、すっかりお遍路さんの心のアカが洗い流されて、悩みも消えてしまっているというわけです。
しかも、道中には名高い観光地も少なくありません。
黒潮洗う室戸、足摺、海亀の来る日和佐の浜や宇和海の景観もあります。
屋島、石鎚、そして道後の湯もありますね。
もし、これらの四国霊場が計算されてつくられたとしたら、空海は超一流のリゾート・プロデューサーであると思います。
菅直人新首相も自身の年金未納問題が取り沙汰されたとき、四国遍路の旅に出たことは記憶に新しいですね。
あのときは「パフォーマンスだ」などと、けっして評判は良くありませんでした。
でも菅さんは、意外とあの四国遍路でリフレッシュしたのかもしれません。
わたしも、なかなか時間が取れませんが、一度は四国八十八ヶ所を自分の足で巡ってみたいと願っています。
「四国」は「死国」にも通じるとされ、全体的にスピリチュアルな感じがします。
参拝した大山祇神社にも、神秘的なムードが漂っていました。


                       大山祇神社                

                       御神木の前で


                 空海はリゾート・プロデューサーか


2010年6月11日 一条真也