「隣人祭り」世界同時開催

一条真也です。

今日は、「隣人祭り」の日です。
隣人祭り」が、フランス・イギリス・ドイツ・イタリアをはじめとした世界各国で同時に開催されます。日本では、北九州のサンレーグランドホテルなどで開催されました。
今年のテーマは「がんばれ、東北!! つながろう、日本!!」です。
わたしも松葉杖をついて行ってきました。


                    やって来ました、隣人祭り

                   『隣人の時代』コーナーの前で


会場には、200人以上の方々が集まっていました。
拙著『隣人の時代』(三五館)を読んだ方や、昨日のブログ「明日は、隣人祭り!」を読んで来たという方もいらっしゃいました。会場前には『隣人の時代』も並べられ、お買い上げ下さった方々にはサインをさせていただきました。


                      主催者あいさつ

                   「隣人祭り」についての説明

                    熱心に説明を聞く参加者


最初に、今回の「隣人祭り」開催の主催者であるの首藤事務局長が「主催者あいさつ」をしました。それから、パワーポイントを使って「隣人祭り」の歴史と意義についての説明がされました。みなさん、まったく私語をしないで、真剣に聞いておられました。
隣人祭り」は、今やヨーロッパを中心に世界30カ国以上、1000万人もの人々が参加するそうです。その発祥の地はフランスで、パリ17区の助役アタナーズ・ペリファン氏が提唱者です。きっかけは、パリのアパートで1人暮らしの女性が孤独死し、1ヵ月後に発見されたことでした。ペリファン氏が駆けつけると、部屋には死後1ヵ月の臭気が満ち、老女の変わり果てた姿がありました。
同じ階に住む住民に話を聞くと、「1度も姿を見かけたことがなかった」と答えました。
大きなショックを受けたペリファン氏は、「もう少し住民の間に触れ合いがあれば、悲劇は起こらなかったのではないか」と考えました。
そして、NPO活動を通じて1999年に「隣人祭り」を人々に呼びかけたのです。


                    世界同時開催でした


第1回目の「隣人祭り」は、悲劇の起こったアパートに住む青年が中庭でパーティーを開催し、多くの住民が参加し、語り合いました。そのとき初めて知り合い自己紹介をした男女が、その後、結婚するという素敵なエピソードも生まれました。
最初の年は約1万人がフランス各地の「隣人祭り」に参加しましたが、2003年にはヨーロッパ全域に広がり、2008年には約800万人が参加するまでに発展しました。同年5月にはついに日本にも上陸しました。
4日間、新宿御苑で開催され、200人以上が集まったそうです。
その後、10月15日に北九州市八幡西区のサンレーグランドホテルで開催された「隣人祭り」のサポートをさせていただきました。
サンレーグランドホテルの恒例行事である「秋の観月会」とタイアップして行われたのですが、これが九州では最初の「隣人祭り」となりました。
日本で最も高齢化が進行し、孤独死も増えている北九州市での「隣人祭り」開催とあって、マスコミの取材もたくさん受け、大きな話題となりました。
その後も、わが社はNPO法人ハートウェル21と連動しながら、「隣人祭り」を中心とした隣人交流イベントのお手伝いを各地で行ってゆくことにしました。
今年も、500回以上の開催サポートを予定しています。


                    熱唱する斉藤美智子さん


隣人祭り」の説明が終わった後は、オペラ歌手の斉藤美智子さんのステージです。
斉藤さんは北九州市門司区出身で、藤原歌劇団オペラワークショップを経てコンサート活動に入られました。1997年オペラ「日本の夜明け」の仲居役でカーネギーホールで米国デビュー。現在、多くの舞台やリサイタルでその美しい歌声を披露されています。
今日は、まず「ふるさと」と「みかんの花咲く丘」を歌った後、ミュージカル「マイ・フェア・レディ」の名曲「踊り明かそう」を歌われました。
続いて東日本大震災の犠牲者を悼んだ「千の風になって」、最後はプッチーニ作曲のオペラ「蝶々夫人」からオペラ「ある晴れた日に」を熱唱されました。
盛大な拍手が会場から起こったのは言うまでもありません。


                     ラテンダンスステージ

                     フラダンスステージ


斉藤さんのステージの後は、みなさんが持ち寄った料理やお菓子などを食べながら、談話を楽しみました。わたしも、おにぎり、野菜の煮物、玉子焼きなどをいただきました。
いやあ、素朴な味で、大変おいしかったです!
続いて、サンレーグランドホテル で開かれているグランドカルチャー教室の生徒さんによる「ラテンダンスステージ」と「フラダンスステージ」が行われました。
舞台狭しと踊る美女たちのパフォーマンスに会場は熱気ムンムン!
客席の人たちも我慢できずに踊り出すほど、大いに盛り上がりました。


                     参加者全員で大合唱!

                     わたしも歌いました♪


最後は、「隣人大歌声喫茶」のコーナーです。歌声喫茶倶楽部講師である川上きよこさんのリードで、なつかしのメロディーをみんなで歌いました。
みなさん、遠慮してあまり歌われないかと心配していたのですが、そんな心配は無用。
最初から大きな声でガンガン歌われるので、驚きました。
わたしも自分の席で、佐久間進会長や出番を終えられた斉藤美智子さんと一緒に歌いました。斉藤さんはプロのオペラ歌手なので、「合唱されるかな?」と思いましたが、そんな心配も無用。楽しそうに素晴らしい歌声を惜しみなく聴かせて下さいました。
本当に歌が好きな方なのですね。カラオケにもよく行かれるそうです。
ニューヨークでは、カラオケは「キャラオケ」と発音されるとか。
今度ぜひ、斉藤美智子さんとキャラオケに御一緒したいですね。


「隣人大歌声喫茶」では、最初に「上を向いて歩こう」、それから「忘れな草をあなたに」、「うさぎのダンス」、「四季の歌」、「東京ブギウギ」を歌いました。
そして最後は、「りんごの唄」を参加者全員で大合唱しました。
わたしも骨折以来初めて大声で歌い、スッキリしました。
やはり、一緒に歌うと隣席の人に親しみが湧いてきます。
まさに、その人が“となりびと”だという実感がしますね。
「いま」「ここに」居合わせるだけで、大いなる「縁」を感じます。



そもそも「縁」とは、いったい何か。
この世にあるすべての物事や現象は、みなそれぞれ孤立したり、単独であるものは一つもありません。他と無関係では何も存在できないのです。すべてはバラバラであるのではなく、緻密な関わり合いがあります。この緻密な関わり合いを「縁」と言うのです。
縁ある者の集まりを「社会」といいます。ですから、「無縁社会」という言葉は本当はおかしいのであり、明らかな形容矛盾なのです。「社会」とは最初から「有縁社会」でしかないのです。最初から「無縁社会」などというのは、ありえないのです。

               
                   「無縁社会」など、ありえない


もともと、「縁」という言葉は仏教用語です。
仏教には、「縁尋機妙」という語があります。
縁が尋ねめぐって、そこここに不思議な作用をなすことです。
縁が縁を産み、新しい結縁の世界を展開させるのです。
人間が善い縁、勝れた縁に逢うことは大変大事なことなのです。
これを『地蔵経』では「聖縁」「勝縁」といいます。



仏教を開いたのは、“釈迦”ことゴータマ・ブッダです。
ブッダの教えの根幹には、「縁起」の思想があります。
すべてのものは、原因(因)と条件(縁)とによってこの世にあらわれ(生起)ます。
この「因縁生起」を略したものが「縁起」です。「縁起」こそは、森羅万象すべての性格であり、そこには何ら永続すべき実体性などないのですね。
その「縁」の不思議さ、偉大さ、有り難さを人類に説いたブッダの生涯を描いたアニメ映画が、いよいよ今日、5月28日からロードショー公開されます。
そうです、「手塚治虫ブッダ〜赤い砂漠よ!美しく」です。
全国のシネコン東映系映画館で公開中ですので、ぜひ御覧下さい!


2011年5月28日 一条真也