冠婚・衣装責任者会議

一条真也です。

今日は、サンレーグループ「全国冠婚・衣装責任者会議」を松柏園ホテルで開催。
各地から、わが社の誇る“むすびびと”たちが集結しました。
わたしは、恒例の社長訓話を1時間ほど行いました。


                     社長訓示のようす


今日は、初めて会議に参加するスタッフも多いようでした。
そこで基本に立ち返り、「ホスピタリティ」について話しました。
キリスト教の「愛」、仏教の「慈悲」、また儒教の「仁」・・・すべての人類を幸福にするための思想における最大公約数とは、おそらく「思いやり」の一語に集約されます。
そして、その「思いやり」を形にしたものが「礼」や「ホスピタリティ」です。
わたしは、5年前に「思いやり形にすれば礼となり横文字ならばホスピタリティ」という短歌を詠みました。洋の東西の違いはあれど、「礼」も「ホスピタリティ」もともに、「思いやり」という人間の心の働きで最も価値のあるものを形にすることに他ならないのです。
茶道において「礼」は、「しつらい」「もてなし」「ふるまい」として形に表れますが、人との出会いを一生に一度のものと思って最善を尽くしながら茶を点てる「一期一会」の精神も含め、まさにジャパニーズ・ホスピタリティとでもいうべき世界をつくっていると言えます。
21世紀の姿を予言したダニエル・ベルは、脱・工業社会とは「人間が人間を相手に働く社会」だと言いましたが、ホスピタリティは21世紀における最重要テーマなのです。


                ホスピタリティについて説きました


もともと「ホスピタリティ」hospitalityの語源は、ラテン語のhospes(客人の保護者)に由来します。本来の意味は、巡礼者や旅人を寺院に泊めて手厚くもてなすという意味なのです。この「客人の保護」という意味のhospesから派生して、長い年月をかけて英語のhospital(病院)、hospice(ホスピス)、hotel(ホテル)、host(ホスト)、hostess(ホステス)などが次々に生まれていきました。
こういった言葉からもわかるように、それらの施設や人を提供する側は、利用者に喜びを与え、それらを自分の喜びとしています。両者の立場は常に平等であり、その関係は「ヨコの関係」です。ゲストとホストは、ともに相互信頼、共存共栄、あるいは共生の中に存在しているのです。その意味で真の奉仕とは、「タテの関係」としてのサービスではなく、ホスピタリティの中から生まれてくるのです。
集団意識や家族意識という強い絆を持つ原始社会においては、ホスピタリティを核とした人間関係が社会の基本原理でした。
しかし、社会が発展し、技術的革新が達成された近代社会においては、ホスピタリティの意義は社会的なレベルから個人的な対人関係へと変ってきました。



「ホスピタリティ」こそは、わたしたちがハートフル・ソサエティをつくるための最大のキーワードです。ホテル、結婚式、葬儀、写真、司会、コンパニオン派遣、清掃、そして、これから取り組む介護・・・わが社が関わるすべての事業は、ホスピタリティを必要とします。
サンレーグループは、今後もホスピタリティ・カンパニーをめざします。
さて、ホスピタリティ産業における人材レベルの高さといえば、リッツカールトンとディズニーが有名です。ところが、この2社には決定的な違いがあります。
リッツカールトンは、人の「素質」を見極める、すなわち社員の「ポテンシャル重視」の企業です。ディズニーは、どんな人材でも育てることを重視する、すなわち「教育重視」の企業です。今日は、両社の具体的なマネジメントの実例も多く紹介しました。
今後、わが社は新しい結婚式場をオープンさせていく予定ですが、いくらハードが整っても大事なのはハート、すなわちホスピタリティ・マインドであると訴えました。


                   末広がりの五本締め


その後は、総勢50名での懇親会を開催し、親睦を深めました。
最後は、サンレー・オリジナルの「末広がりの五本締め」で締めました。
わが社オリジナルの文化は色々とありますが、この「末広がりの五本締め」もそのひとつです。今夜は、マリエールオークパイン金沢の大塚総支配人が音頭を取り、全国の“むすびびと”たちの心が結ばれました。
さらに懇親会の後は、松柏園のラウンジで二次会も開かれました。
大いに交流の輪を広げた夜となりました。



2011年8月24日 一条真也