ホスピタリティの時代

一条真也です。

今日は、早朝から松柏園ホテルの神殿で「月次祭」が行われました。
その後、恒例の「平成心学塾」が開講されました。
今日は土曜日ということもあり、松柏園には結婚式がたくさん入っています。
そのうえ、婚礼の受注会の開催も重なっているということで、いつものバンケットではなく、大広間を会場として使用しました。まるで、寺子屋みたいな雰囲気になりました。


              「GNH」と「隣人祭り」について話しました


まずは、佐久間進サンレー会長が話をしました。
佐久間会長は、南アジアの小国ブータンが提唱し、実践している「GNH(国民総幸福)」の話題を取り上げ、「日本型GNH」を打ち出す段階に来ており、それこそ「隣人祭り」に代表されるわが社の一連の取り組みが重要な意味を持つと述べました。
そして、「隣人祭り」の推進をさらに強化し、その内容をより一層充実させるために「隣人祭り推進プロジェクトチーム」をサンレー社内に設置すことを発表しました。
チーム・リーダーとしては営業推進本部の岸克行課長が任命されました。岸課長の上司である橋本洋介常務も「最高の人選だと思います」と笑みを浮かべていました。


                「ホスピタリティ」について話しました


佐久間会長に続いて、わたしが話しました。最初に、島田紳助引退以来クローズアップされている「暴力団排除条例」について説明しました。
そして、「互助会というのは公共性があるため、もし暴力団と付き合いのある経営者は今後、互助会には一切関われなくなるのではないか」という見解を示しました。
それから、リッツ・カールトン大阪をはじめ最近宿泊したいくつかのホテルの実例をあげながら、「ホスピタリティとは何か」という話をしました。
ブログ「冠婚・衣装責任者会議」ブログ「葬祭責任者会議」などに書いた、最近の社員への訓話の中でも一貫して「ホスピタリティ」について語ってきました。



               「ホスピタリティ」は「思いやり」のかたち


「ホスピタリティ」とは、何よりも「思いやり」のかたちです。
企業とはつまるところ人間の集団ですが、「思いやり」こそは、人間として生きるうえで一番大切なものだと多くの人々が語っています。
たとえばダライ・ラマ14世は、人を思いやることが自分の幸せにつながっているのだと強調した上で、「消えることのない幸せと喜びは、すべて思いやりから生まれます。思いやりがあればこそ良心も生まれます」と語っています。
あのマザー・テレサも、「私にとって、神と思いやりはひとつであり、同じものです。思いやりは分け与える喜びです。それはお互いに対する愛から小さなことをすることなのです」と語っていました。

                 

ここで注目すべきなのは、ダライ・ラマブッダの教えを、マザー・テレサはイエスの教えを信仰する者であるということです。異なる宗教に属する2人が、「思いやり」という言葉を使って、まったく同じことを語っています。
キリスト教の「愛」、仏教の「慈悲」、また儒教の「仁」…すべての人類を幸福にするための思想における最大公約数とは、おそらく「思いやり」の一語に集約されます。
そして、その「思いやり」を形にしたものが「礼」や「ホスピタリティ」なのです。
わたしは、5年前に「思いやり形にすれば礼となり横文字ならばホスピタリティ」という短歌を詠みました。2つとも、佐久間会長が長年にわたって説き続けてきた言葉であり、わが社のキーワードになっています。


                サービスを提供することは喜びである


洋の東西の違いはあれど、「礼」も「ホスピタリティ」もともに、「思いやり」という人間の心の働きで最も価値のあるものを形にすることに他ならないのです。茶道において「礼」は、「しつらい」「もてなし」「ふるまい」として形に表れますが、人との出逢いを一生に一度のものと思って最善を尽くしながら茶を点てる「一期一会」の精神も含め、まさにジャパニーズ・ホスピタリティとでもいうべき世界をつくっていると言えます。21世紀の姿を予言したダニエル・ベルは、脱・工業社会とは「人間が人間を相手に働く社会」だと言いましたが、ホスピタリティは21世紀における最重要テーマなのです。
サービスを提供する者は、提供される者に喜びを与え、それらを自分の喜びとしています。両者の立場は常に平等であり、その関係は「ヨコの関係」です。
ゲストとホストは、ともに相互信頼、共存共栄、あるいは共生の中に存在します。
その意味で真の奉仕とは、「タテの関係」としてのサービスではなく、「ヨコの関係」としてのホスピタリティの中から生まれてくるのです。


              奉仕とは、自分自身と他人を大切にすること


奉仕とは、自分自身を大切にし、そのうえで他人のことも大切にしてあげたくなるといったものです。自分が愛や幸福感にあふれていたら、自然にそれを他人にも注ぎかけたくなります。「情けは人のためならず」と日本でも言いますが、他人のためになることが自分のためにもなっていることを知りましょう。
「ホスピタリティ」こそは、わたしたちがハートフル・ソサエティをつくるための最大のキーワードです。ホテル、結婚式、葬儀、写真、司会、コンパニオン派遣、清掃、そして介護…わが社が関わるすべての事業は、ホスピタリティを必要とします。


                ホスピタリティ・カンパニーをめざして


最後に、ブログ「サンレーCM」で紹介した新しいTVコマーシャルを披露しました。
おくりびと”としての葬祭スタッフ、“むすびびと”としての冠婚スタッフ・・・・・それぞれが、なぜこの仕事を選び、なぜサンレーという会社を選んだのかを語る内容となっています。そして、そこには、やはり「ホスピタリティ」への熱い想いがあります。
サンレーグループは、これからもホスピタリティ・カンパニーをめざします。
そして、大いなる「ホスピタリティの時代」を開きたいと願っています。


2011年9月17日 一条真也