WORLD ORDER

一条真也です。

アマゾンに注文していた「WORLD ORDER」が届きました。
元格闘家の須藤元気が率いるダンス・パフォーマンスユニット「WORLD ORDER」のCD&DVDです。数日前にブログ「すげえぞ、須藤元気!」で「WORLD ORDER」のことを紹介したところ、多数のアクセスが寄せられました。


「WORLD ORDER」のCD&DVD



D&DVDのパッケージには、以下のようなコピーが添えられていました。
「集団睡眠に陥った世界を覚醒に導くために誕生!
独自の音楽表現と身体表現で新たな世界を創造する衝撃のパフォーマンスユニット。」
日曜日の午後、じっくり観賞しました。CDのほうには、「WORLD ORDER」「MIND SHIFT」「A BRAVE NEW GIRL」「BOY MEETS GIRL」「BLUE BOUNDARY」「LOVE AND EVERYTHING」の6曲が収録されています。
また、DVDのほうには、「WORLD ORDER」「MIND SHIFT」「BOY MEETS GIRL」の3曲のプロモーションビデオが納められています。


DVDの3曲の中で、「MIND SHIFT」はすでにブログ「すげえぞ、須藤元気!」で紹介しました。ユニットの名前と同じ「WORLD ORDER」は、彼らの代表作です。
「なにが善くてなにが悪いのか 
真実はいつもパラドックス 
ひとつの時代が終わりを告げて
眠りのなかで目を覚ます」
といった哲学的な歌詞が、いかにも須藤元気らしいですね。
プロモーションビデオの舞台は、オフィス街をはじめ、きわめて日常の風景です。
日常の風景の中で、非日常的なパフォーマンスを繰り広げるからシュールな空気が漂うわけですな。でも、考えてみれば、ストリート・パフォーマンスというのはすべて日常の中に非日常を現出させるもの。ただ、須藤元気ら「WORLD ORDER」の場合はコスチュームが会社員を連想させるスーツ姿であり、いわば日常そのままの格好です。
そのために、さらにパフォーマンスの非日常性が強まるのだと思います。
服装で非日常性を出せないぶん、肉体だけで勝負しなければなりません。
あと、路上で一緒に踊っている小学生たちには笑いました。
しかも、けっこう、みんな上手です。いやはや、子どもは無敵ですな(笑)。


「BOY MEETS GIRL」は、TRFの往年の名曲をカバーした作品です。
サラリーマン軍団が居酒屋でOL軍団と出会い、一緒にカラオケに行く・・・・・。
たったそれだけのストーリーですが、例によって奇妙なダンスが面白いです。
特に、酒瓶を持って数人で行うパフォーマンスは新鮮に感じました。
それにしても、よくこんなアイデアを思いつくものですね(笑)。
また、須藤元気がこれほどスーツ姿が似合うというのも意外でした。



ところで、ブログ「天国からの感謝状」でわたしに感謝状を下さった大浦郁代さんのお母さんである大浦静子さんから、須藤元気つながりのメールが来て驚きました。
なんでも、ブログ「すげえぞ、須藤元気!」を読んで感銘を受けたという方が、大浦さんのブログ「 mikutyanの日記」の読者になられたばかりの方だというのです。
大浦さんは、メールに「一条さんに関するとても素敵なコメントを、chamy−bonnyさんが今日の私のブログのコメント欄で書いてくださいました。直接一条さんに感動のメールしたかったみたいです」と書かれていました。



chamy−bonnyさんは、大浦さんの1月12日の「サプライズ」というブログ記事のコメント欄に次のように書かれていました。
「本日のブログの一条真也さんの件ですが、これは僕が驚きました。
僕が一条さんを知ったのは、mikutyanさんとは、まったく別のルートで、しかも2日前の1/10のことです。たまたま少数派日記で元格闘家の須藤元気さんの率いるパフォーマンスユニットWORLD ORDERを取り上げました。
須藤さんは格闘家時代に常に「世界はひとつ」というスローガンを掲げた慈愛平和主義者です。WORLD ORDERにもそんな思いが込められています。
で、そんなブログを書いたあと、須藤さんを検索している過程で一条さんのブログに本当に偶然に出会いました。再度書きますが2日前のことです。
今思い返せば、mikutyanさんのブログにたびたび登場するお名前ですが、2日前は気付かず、本日も最初は気付かず、二度読みして、初めて「ハートフル」・・・?あれ、ちょっと、待てよ・・・という感じで驚いた次第です。一条さんの須藤さんのブログが素晴らしく、僕が書きたかったことを映像付で、完全に網羅されていたので、書く前に知っていれば、僕のブログから直接飛んでもらった方がいいな・・・と思ったくらいです」
chamy−bonnyさんは小生にメッセージを送信してくれようとされたそうですが、わがブログにはコメント欄がないため、「まっ、いいか、またパソコンに詳しい人にコンタクトの仕方を教えてもらえれば」と思っていたそうです。
それが、「まさかこんなカタチで・・・というわけです。これも間違いなく郁代さんからの贈り物ですね。びっくりしました」と書かれていました。



なんでも、chamy−bonnyさんは元スポーツ紙の記者だそうです。
ヤクルト時代の野村克也監督を取材した経験もあるとか。
コメントを見ると、プロ野球だけではなく、格闘技にも詳しい方のようですね。
また、元記者だけあって、文章もしっかりされています。この方のブログ「少数派日記」には、「WORLD ORDER」という記事がアップされています。
わたしのブログにはコメント欄はありませんが、オフィシャルサイト「ハートフルムーン」からはわたし宛のメッセージが送れますので、よろしくお願いいたします。


また、chamy−bonnyさんのコメントには、「世界はひとつ」というスローガンが紹介されています。須藤元気の現役時代には「WE ARE ALL ONE」という言葉で表現されていました。たしかに、「WORLD ORDER」というユニット名にもそんな慈愛平和主義者としての思想が込められているようですね。
いわばスピリチュアルなメッセージですが、須藤元気はスピリチュアルな性向を持つ人々の間でカリスマ的存在になっているのです。
最近は、宇宙精神体として有名なバシャールとチャネリングによって会話も行っているそうです。バシャールのチャネラーであるダリル・アンカとの共著も出しています。



しかし、須藤元気のスピリチュアルな世界を好む人ばかりではありません。
やはりブログを読んだ某編集者が、わたしにメールを送ってきました。
大の格闘技マニアである彼に、わたしが「須藤元気をどう思う?」と質問したのです。
その問いに対して、彼は次のように書いていました。
「私は軽量級についての興味は薄いのですが、それでも格闘家時代の活躍には多少興味を持っていました。トリッキーな闘い方は自分の弱点を隠すための自己防衛術でしょうが、それを『魅せるため』という言辞でコーティングしたあたりは自己プロデュース力の優れた選手なのでしょうね。実際にK−1の数試合とバタービーンとの試合はとても面白かったですし。ただ、一条さんに問われて記憶をたどってみると、主戦場である総合格闘技の試合ではほとんど記憶に残っていないのですね。
本質的に強い選手ではなかった、ということもいえるのかなとも思います。
引退後は、その後の自己啓発臭や精神世界臭が強すぎて、私のカテゴリ分けで『そっち系の人』と分別されたため、まったく関心を払っていませんでした。彼の考え方や主張の変遷が現在どこにたどり着いたかわかりませんが、Youtubeを見る限り、パフォーマーとしては格闘家時代のそれをみごとに昇華させたなと感心しました」



うーん、これを須藤元気のファンが読めば激怒するかもしれませんね。
でも、一面の真実、あるいは多くの真実を含んでいるのではないでしょうか。
わたしは、chamy−bonnyさん、某編集者、その両者の意見ともに共感できます。
このように賛否両論を巻き起こすほどに個性の輝きが大きい選手だったのでしょう。
総合格闘家としての評価や、「その後の自己啓発臭や精神世界臭が強すぎて」といったくだりにも納得できました。しかしながら、最後の「パフォーマーとしては格闘家時代のそれをみごとに昇華させた」という言葉はまさにその通りです。さすがに、一流の編集者だけあって、この人の分析力の鋭さ、表現力の豊かさには感心しました。


某編集者は、「バタービーンとの試合はとても面白かった」と書いていました。
まったく、同感です。あれは、最高にファンタスティックな試合でした。
須藤元気 vs バタービーン」は、2003年12月31日に開催された「K−1 Dynamite!! PREMIUM 2003 人類史上最強王決定戦」で実現しました。
バタービーンとは、アメリカのプロボクシングの選手です。ただし、彼は身長180センチ、体重185キロの「世界最重量ボクサー」で、当時は35歳でした。
一方の須藤元気は、身長175センチ、体重75キロで、当時は25歳でした。
じつに体重差110キロ(!)という異次元対決だったのです。
あの試合こそは須藤元気の魅力が最大限に発揮された最高のエンターテインメントだったと思います。彼が活躍していた頃の「K−1 MAX」は本当に面白かったです。
エンターテインメントにおける天才ぶりは、いま、パフォーマンスの世界で見事に花開きました。やっぱり、すげえぞ、須藤元気


2012年1月15日 一条真也