「スライヴ」

一条真也です。

映画「スライヴ(THRIVE)」を観ました。タイトルは「繁栄」という意味です。
ブログ「矢作先生との再会」に書いたように、東京大学医学部教授の矢作直樹先生に先日お会いしましたが、そのときにこの映画の話題になりました。
わたしはDVDを持ってはいましたが、未見でした。ようやく、この盆休みに観ました。


スライヴ」のDVD



DVDのパッケージには、片目を包帯で覆われた女性の顔が描かれています。
なんだかブログ「アイズ」で紹介したような眼球にまつわるホラー映画のようにも思えますが、そうではありません。「スライヴ」は世界を支配している陰謀について暴露するという、いわゆるドキュメンタリー映画です。パッケージの顔は、片目を包帯で覆われたのではなく、両目を覆われていた包帯を解かれたのでした。
目隠しされていた彼女は、少しづつ真実を見つめ始めたわけです。



アマゾンのDVD「スライヴ」のページには、次のような内容紹介があります。
「今、世界は目覚めようとしている 。
人類史上最大の陰謀を暴く、衝撃のドキュメンタリー!
環境破壊、飢餓、戦争、天災、そして経済破綻と、次々に世界を襲う危機は、とどまることがない。これらの危機に対し、人類はなんら有効な解決策を手にすることができていない。しかし本当に何も手立てがないのだろうか?
はたして、我々は常に真実を知らされているのだろうか?
グローバル企業、P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)社の創業一族の息子 として生まれ育ったフォスター・ギャンブルは、若き日にそのような疑問を抱く。彼は、実業家になる道を捨て、科学者となり、この問題解決の追及に生涯を費やす決心をする。長い探求の旅の果てに彼が見つけ出した真実は、メディアでは絶対に語られることのない、
全ての人類を支配する驚愕すべきシステムの存在だった。あらゆる産業、農業、医療、経済、軍事、マスコミにまで及ぶ、完璧とも言える支配体制が世界規模で構築されていた。この支配の真の姿を白日のもとに晒し出し、人類を解放し、真の繁栄(THRIVE)を奪還するため、彼は私財480万ドルを投じ、本作『THRIVE』を製作した。
2011年11月11日「リセットの日」に、『THRIVE』は全世界に向けて公開された。
その衝撃と感動は大きなうねりとなって、全人類へと確実に広がっている」



また、《日本の皆さまへ》として、映画の制作者であるフォスター・ギャンブル氏が以下のようなメッセージを送っています。
「3・11東北関東大震災福島原発事故から1年が過ぎた今、映画スライヴの製作チーム、妻のキンバリーと私は、健康、環境そして経済における逆境、史上無比な惨事に瀕して立ち向かう皆さま方の尽力を想い、皆さまがたが身を以て示された勇気を心から讃えます。そして、原子力を否認するため立ち上がってくださったことに感謝しています。
人類がクリーン・エネルギーへと転向して行くために、また、エリートたちによる破滅的な中央集権銀行システムから脱していくうえで、日本が世界の手本となるために、この作品が少しでもお役に立ちますよう願っています。合気道が、私の人生に多大な影響を及ぼしたように、今、あなた達が示してくださるお手本を通して、世界中の人々もまた日本から多く学ぶことでしょう。映画スライヴが、今日の日本の皆さまのためになればと願っています。私たち万人のため、そして互いの子孫のために皆が望む、真に繁栄し合う世界を共に構築して行きましょう」


現在、YouTubeにおいて「スライヴ」全篇が日本語で視聴できます。(上の動画)
また、英語での「THRIVE公式サイト」あるいは日本語での「THRIVE MOVEMENT in Japan」でも無料視聴することができ、さらに詳しい内容を知ることもできます。 



日本人に向けられたフォスター・ギャンブル氏のメッセージには「クリーン・エネルギー」という言葉が登場しますが、これは「フリーエネルギー」のことです。
新刊『死ぬことが怖くなくなるたったひとつの方法』(徳間書店)で、矢作先生は「フリーエネルギーを利用する未来もあるかもしれない」として、次のように述べています。
アメリカの企業プロクター&ギャンブル社のギャンブル家の御曹司フォスター・ギャンブルが制作した衝撃の映画『THRIVE(スライヴ)』では、フリーエネルギーについて詳細に報告されています。このフリーエネルギーを利用できれば誰でもどこでも電力を得られます。このフリーエネルギーの流れの形をトーラスと言い、このトーラスはベクトル平衡体という骨格構造を呈しています。宇宙や原子などの自立的に運動しているものは皆この形です。そしてこれらの構造はエジプトのオシリス神殿の壁、紫禁城の唐獅子の乗る球、現在時々畑に出現する謎のミステリーサークルなどにも見られます。
この映画では、この素晴らしいフリーエネルギーが普及できない理由として完全な世界支配を企てている国際銀行家たちの存在に勇気を持って言及しています。
彼らにとって世界支配のための方便であるエネルギーが誰でもどこでも自由に得られては具合が悪いからです。しかしこれからは万難を排してこの方面の研究を進めていかなければならなくなるでしょう」



スライヴ」を観たわたしの感想は、「大変な労作だ」と思いながらも、その内容に関しては、正直言って「すべてが真実ではないが、すべてが嘘でもない」です。
ブログ『陰謀論にダマされるな!』ブログ『世界の陰謀論を読む』ブログ『陰謀史観』にも書いたように、わたしはいわゆる「陰謀論者」に対しては批判的な見方を持っています。その点、この「スライヴ」では、世界支配を企む陰謀集団の頂点を「イルミナティ」としており、そこには落胆しました。また、古代文明の由来を安易に地球外生命に求めたり、爬虫類人類(レプティリアン)の実在を被害妄想的に唱え続けるディヴィッド・アイクのインタビュー映像を何度も流すことにも違和感を感じました。
ただし、「トーラス」についての説明、世界の金融システムの仕組みなどの解説は、じつに見事であると思いました。金融の解説など、そのへんの経済番組でのエコノミストの解説などよりもずっとわかりやすく、本質を衝いています。
もちろん、安易に陰謀論に組することは避けなければいけません。
しかし、「陰謀論の中には必ず真実がある」と主張する人もいます。
作家の五木寛之氏などもその1人で、ブログ『下山の思想』で紹介した本の中で、五木氏は「真実は必ず一種の怪しさを漂わせて世にあらわれる」と述べています。


最後には、合気道の開祖である植芝盛平が登場したので、驚きました。
なんでも、フォスター・ギャンブル氏は合気道をたしなんでいるそうです。
同氏は合気道を「暴力に拠らない現代武術」として紹介し、「合気道は世界支配勢力に対して効果的で非攻撃的な対処をする上で強力な指針となります」と述べます。
植芝盛平は、「合気道を実践するには、原子や銀河の動きを真似なければならない」と教えたそうです。フォスター・ギャンブル氏は、非暴力を実践したガンジーキング牧師の名を挙げながら、「世界支配勢力に対しては攻撃的であってはならない。そうすれば、相手の警察機能を強化するだけで逆効果である」として、モラル的にも戦略的にも「非攻撃的」が重要であると訴えます。


合気道といえば内田樹氏の顔が思い浮かびますが、大阪市橋下徹市長との確執が話題になりました。内田氏が、理想の行政を合気道道場の経営になぞらえて発言したことが橋下市長の逆鱗に触れたのです。
その後、橋下市長はツイッターや記者会見で著者を批判しています。
でも、内田氏の言いたかったのは単なる行政のモデルとしてではなく、フォスター・ギャンブル氏の言う合気道の本質だったのかもしれないなどと思いました。


フォスター・ギャンブル氏の目指す社会は、わたしが『ハートフル・ソサエティ』(三五館)で描いた社会とも共通する部分が多いと感じました。みなさんは、この驚愕のメッセージに満ちたドキュメント映画「スライヴ」をどのように見るでしょうか?
特に、ゴアの「不都合な真実」を観てショックを受けた方は、ぜひ御覧下さい。
きっと、あの映画を遥かに超える衝撃を受けることでしょう。


2012年8月18日 一条真也

秋季例大祭

一条真也です。

今朝、松柏園ホテルの顕斎殿で秋季例大祭を行いました。
わたしは、参列者を代表して玉串奉奠しました。
参列者のみなさんの健康・幸福、それから社業の発展を祈願しました。
この秋季例大祭でいよいよ秋の訪れを感じるはずですが、現実にはまだまだ暑い日が続いていますね。いやはや、「秋は遠し」といった感じです。


秋季例大祭のようす

朝粥会のようす


それから、参列者全員で朝粥会を開きました。
佐久間進会長の挨拶に続き、戸上神社の是則宮司による音頭で、食事がスタートしました。社長のわたしが言うのも何ですが、松柏園のお粥は非常においしいです。
塩鮭、明太子、玉子焼き、ホウレン草のおひたしなどをおかずに、みんな黙々とお粥をすすっていました。「共食信仰」という言葉がありますが、社員のみなさんと一緒に食事をすると、「こころ」が一つになるような気がします。


平成心学塾」のようす

「霊」と「礼」の話を中心に話しました



朝粥会の後は、「平成心学塾」を開催しました。
今日は、ブログ「怪力乱神を語り、無記に反す」で述べたような死者の霊に関する話などをしました。まずは最近、お手紙と著書を送って下さった池田邦吉さんという方についてお話しました。池田さんは、日本を代表するノストラダムス研究家だそうです。
晦日ビートたけしのオカルト特番などによく出演されています。
東日本大震災の後、東京から小倉へ移住されたそうです。
最近、身内の方の葬儀をわが社の沼紫雲閣で行われたそうですが、故人が入ったお棺のもとに神々が集結して光り輝いておられたとか。葬儀の場面というのは、神々が集う神聖な瞬間であると著書『神様がいるぞ!』(明窓出版)に書かれていました。
お手紙には、わたしの正体がイザナギ神の分霊であり、今回で6回目の生だとも書かれていました。池田さんはあの船井幸雄氏とも共著を数冊出されており、その本も贈呈して下さいました。このような方が小倉におられるとは知らず、非常に驚きました。


また、ブログ「礼なき国々」で述べた韓国や中国における「礼」の不在の問題、さらには国際社会の中での日本の針路などについて話しました。
大津のいじめ事件ではありませんが、日本が国際社会のいじめられっ子にならないためにも、現政権は毅然とした対処を取る必要があります。
みんな、わたしの話に何かを感じたようで、一心不乱にメモを取っていました。
平成心学塾」を終えた後は、採用面接、会議、訪問者との面談などをこなしました。
一息ついてホテルの外に出ると、まぶしい陽射しが照りつけてきました。
やはり、まだまだ秋は遠いようです。


2012年8月18日 一条真也

先祖に見守られて

一条真也です。

今日の午後、サンレーの社長室に大型郵便が届きました。開封すると、東京都民銀行・とみん経営研究所が発行する「とみん経営ビジネス21」の最新号が入っていました。


「とみん経営ビジネス21」No.284号の表紙



この雑誌には、わたしのインタビュー記事が3ページにわたって掲載されています。
もともと、「世間師」こと清家遊歩さんの紹介でお受けしたインタビューでした。
タイトルは、「先祖に見守られ支えられる生き方」です。
その中で、わたしは「自分の葬儀をイメージしてみましょう」「遺された人が、迷わないために」「先祖と共生してきた日本社会」などのテーマで発言しています。


「とみん経営ビジネス21」No.284号より



拙著『葬式は必要!』『ご先祖さまとのつきあい方』(ともに双葉新書)の内容をベースにしたインタビューとなっています。そう、お盆のシーズンにぴったりですね。
この「とみんビジネス」最新号は、お盆に入る直前に刊行されました。
そして、東京都民銀行の顧客のみなさんに広く配布されたそうです。


「とみん経営ビジネス21」No.284号



無縁社会」が叫ばれ、血縁が崩壊しつつある今こそ、日本社会のモラルをつくってきたはずの「先祖を敬う」という意識を復権しなければなりません。わたしたちは、先祖、そして子孫という連続性の中で生きている存在です。遠い過去の先祖、遠い未来の子孫、その大きな河の流れの「あいだ」に漂うもの、それが現在のわたしたちに他なりません。
その流れを意識したとき、何かの行動に取りかかる際、またその行動によって自分の良心がとがめるような場合、わたしたちは次のように考えるのです。
「こんなことをすれば、ご先祖様に対して恥ずかしい」
「これをやってしまったら、子孫が困るかもしれない」
こういった先祖や子孫に対する「恥」や「責任」の意識が日本人の心の中にずっと生き続けてきました。いま、わたしたちに必要なのは先祖を意識し、先祖とくらす生活です。
別に、ことさら特別なことをすることではありません。
日常生活の中で、「先祖とつながっている」ことを意識してほしいということです。




インタビューの最後に、わたしは次のように言いました。
「あなたの『おくりびと』になってくれるのは、血縁、地縁をはじめとした様々な縁でつながった人たちです。今こそ、これらの絆をもう一度強く結び直し、安心して老いることができる社会、安心して死ぬことができる社会、そして安心して葬儀があげられる社会、そんな『有縁社会』を実現するお手伝いを、私はしたいと思っています」
東京は血縁・地縁の希薄化、つまり社会の「無縁化」が日本で最も進行しているとされます。このインタビュー記事を読んだ方が1人でも多く、「葬儀」や「先祖供養」の意義や重要性を知っていただければ嬉しいです。


2012年8月18日 一条真也