先祖に見守られて

一条真也です。

今日の午後、サンレーの社長室に大型郵便が届きました。開封すると、東京都民銀行・とみん経営研究所が発行する「とみん経営ビジネス21」の最新号が入っていました。


「とみん経営ビジネス21」No.284号の表紙



この雑誌には、わたしのインタビュー記事が3ページにわたって掲載されています。
もともと、「世間師」こと清家遊歩さんの紹介でお受けしたインタビューでした。
タイトルは、「先祖に見守られ支えられる生き方」です。
その中で、わたしは「自分の葬儀をイメージしてみましょう」「遺された人が、迷わないために」「先祖と共生してきた日本社会」などのテーマで発言しています。


「とみん経営ビジネス21」No.284号より



拙著『葬式は必要!』『ご先祖さまとのつきあい方』(ともに双葉新書)の内容をベースにしたインタビューとなっています。そう、お盆のシーズンにぴったりですね。
この「とみんビジネス」最新号は、お盆に入る直前に刊行されました。
そして、東京都民銀行の顧客のみなさんに広く配布されたそうです。


「とみん経営ビジネス21」No.284号



無縁社会」が叫ばれ、血縁が崩壊しつつある今こそ、日本社会のモラルをつくってきたはずの「先祖を敬う」という意識を復権しなければなりません。わたしたちは、先祖、そして子孫という連続性の中で生きている存在です。遠い過去の先祖、遠い未来の子孫、その大きな河の流れの「あいだ」に漂うもの、それが現在のわたしたちに他なりません。
その流れを意識したとき、何かの行動に取りかかる際、またその行動によって自分の良心がとがめるような場合、わたしたちは次のように考えるのです。
「こんなことをすれば、ご先祖様に対して恥ずかしい」
「これをやってしまったら、子孫が困るかもしれない」
こういった先祖や子孫に対する「恥」や「責任」の意識が日本人の心の中にずっと生き続けてきました。いま、わたしたちに必要なのは先祖を意識し、先祖とくらす生活です。
別に、ことさら特別なことをすることではありません。
日常生活の中で、「先祖とつながっている」ことを意識してほしいということです。




インタビューの最後に、わたしは次のように言いました。
「あなたの『おくりびと』になってくれるのは、血縁、地縁をはじめとした様々な縁でつながった人たちです。今こそ、これらの絆をもう一度強く結び直し、安心して老いることができる社会、安心して死ぬことができる社会、そして安心して葬儀があげられる社会、そんな『有縁社会』を実現するお手伝いを、私はしたいと思っています」
東京は血縁・地縁の希薄化、つまり社会の「無縁化」が日本で最も進行しているとされます。このインタビュー記事を読んだ方が1人でも多く、「葬儀」や「先祖供養」の意義や重要性を知っていただければ嬉しいです。


2012年8月18日 一条真也