いざとなったら玉を出せ!

一条真也です。

「新・八犬伝」を知っていますか?
1973年4月2日から1975年3月38日までNHK総合テレビで放送された人形劇です。辻村ジュザブローの人形が魅力的でした。

わたしはこの番組が大好きで、全464話のほとんどを観た記憶があります。
たしか小学4年生から6年生にかけてのことです。
塾などにも行かず、今から思えば良き時代でした。
原作は滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』です。
坂本九の名調子による口上、「因果は巡る糸車、巡り巡って風車」や、番組終了時の「本日、これまで!」が流行したことを記憶しています。
口上人気にあやかって、「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」という挿入歌も作られました。


その歌詞の中に「いざとなったら玉を出せ!」というフレーズが出てきます。
その後には「力のあふれる不思議な玉を」というフレーズが続くのですが、伏姫が生んだ八犬士は、それぞれが「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「孝」「悌」の文字が浮き出て霊力を発揮する不思議な玉を持っているのです
その玉を出せば、たいていの危機は乗り越えられる。
わたしと同い年の作家である重松清の『青春夜明け前』(講談社文庫)にも、この歌詞が出てきます。小学生の悪ガキたちが、いたずらをして見つかりそうになったり、とにかくピンチになったときには、「いざとなったら玉を出せ!」を合言葉にするのです。
そして、彼らは本当に玉を出すのです。でも、それは八犬士が持っている不思議な玉ではなく、半ズボンを素早く下げてキ○タマを出すのでした(笑)。



それはともかく、わたしは、テレビを観るたびに、その八つの玉が欲しくて仕方がありませんでした。誕生日やクリスマスのプレゼントに「八犬伝の玉が欲しい!」と親にねだりましたが、もちろん、そんなもの、どこにも売っていません。
大人になったら、なんとか、その玉を探して手に入れたいと心の底から願っていました。
母が知り合いの洋裁店から透明な球形のボタンを買ってきてくれて、錐を使ってそれに八つの文字を彫り込んだこともあります。



このたび、念願の「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「孝」「悌」の文字が浮き出る八つの玉を復元・作成しました。玉には水晶を使い、ブレスレットと数珠を作りました。
ブレスレットは、親しい方々にもお贈りし、大変喜んでいただきました。
同時に、解説書としてブックレット『仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌』を本名の佐久間庸和の名で書きました。



わたしは、わが社の全社員の誕生カードを直筆で書いているのですが、このブレスレット&ブックレットを今年から誕生プレゼントとして添えることにしました。
社員のみなさんも、とても喜んでくれています。
なにより、このブレスレットには八つのハートフル・キーワードが刻まれています。
いずれも、孔子からの大切なメッセージです。
このブレスレットを身につけていれば、きっと「人の道」を迷わずに歩める気がします。
いつか、このブレスレットを本ブログを愛読して下さるみなさんにもプレゼントしたいと考えています。どうぞ、お楽しみに!


                  左が数珠で、右がブレスレット


2010年2月22日 一条真也