ほんとうの宝石

一条真也です。

昨日から、サンレーグループの冠婚部門と衣装部門の責任者たちが一堂に会しています。会場となっている松柏園ホテルでは、現在、「THE JEWEL BOX」という新しいバンケットが人気を呼んでいます。
「宝石箱」という意味ですね。
昨年秋のオープン以来、順調に披露宴の件数を増やしています。
 
                  宝石箱の中に何を入れる?
この宝石箱の中に入る宝石とは何でしょうか?
もちろん、強い愛で結ばれた新郎新婦です。
しかし、それと同じく、あるいはそれ以上の宝石を忘れてはなりません。
それは、新郎と新婦それぞれの家族です。
“むすびびと”は、男女の魂を結んで「夫婦」という名の完成品を作ります。
でも、彼らが結ぶものは男女の魂だけではなく、両家の家族の絆をも強く結びます。
現在では、新郎新婦お二人の名前で披露宴が行なわれるケースがほとんどです。
少し以前までは「○○家、△△家、結婚披露宴」というふうに、両家の結びつきが結婚式、披露宴のメインテーマでした。
この20年で日本人の結婚式や披露宴は大きく変化しました。
仲人、結納、金屏風といったものがどんどん消え、和装を着る花嫁さんも減る一方です。
結婚式や披露宴のキーワードも「自由」「個人」「合理主義」に集約されてきました。
その結果、30万組を超えるほど離婚が増加しました。
この20年間で、なんと日本人の離婚は2倍になったのです。 
どんなに時代が変わろうとも、わたしは結婚式や披露宴のキーワードは「家族」であると思います。
昔の日本の婚礼は「家」がキーワードでしたが、それはなくなりました。
でも、今でも「家族」はキーワードです。
最近、社会がどんどん悪くなっていますね。
凶悪犯罪はさらに増加し、より残虐になっている。親が子を殺し、子が親を殺すような事件も多くなっています。
まさに「ありえないことなどありえない」状況ですが、日本の家族というものがドロドロに溶け出していることが最大の原因でしょう。
未曾有の不況による貧困社会を迎えた現代の日本。
日本人の心はますます荒廃するばかりです。
その心を救うものは、やはり家族しかないのではないでしょうか。

結婚式で生まれる「夫婦」は最初の「家族」です。
でも、その「家族」にはそれぞれの母体となった「親・家族」がいます。
多くの「家族」がつながって「親族」を形作ります。
「夫婦」も「親子」も「家族」も「親族」も、何かというと「面倒くさい」とか「うざい」とか「束縛するもの」といったふうにネガティブにとらえられ、やたらと「自由」や「個人」や「合理主義」がもてはやされる。
このままでは、日本は「無縁社会」を通り越して、「不幸大国」になってしまいます。
結婚式の主役は、「家」から「個人」へ。そして、いま、「個人」から「家族」へ。
新会場「THE JEWEL BOX」で、たくさんの「家族」という宝石たちがキラキラ輝いてほしいと願っています。

THE JEWEL BOX

2010年2月25日 一条真也