『夢のある部屋』

一条真也です。

今朝、わが家の庭でウグイスが鳴きました。
今年、初めてのウグイスの鳴き声でした。
また、桜は散りはじめましたが、色とりどりの春の花々が咲いています。
本当に、庭というものは心を和ませてくれる場所です。
もう一つ、心を和ませてくれる場所があります。書斎です。
本書『夢のある部屋』(河出文庫)は、書斎と庭園を愛してやまなかった澁澤龍彦による極上のエッセイ集です。
表紙には彼の書斎や応接間の一部を撮影した写真が使われています。
いわゆる「ドラコニア・ワールド」の光景ですね。



             部屋を飾るとは、そこに物語を見出すこと


本書は、書斎、オブジェ、、ファッション、酒、食べ物、そして庭など、多彩な話題を取り上げながら、一貫して「遊び」について語っています。
「遊び」の本質は、「心を自由にすること」に他なりません。書斎を中心とする彼が愛した「夢のある部屋」とは、「心を自由にする部屋」のことだったのですね。



    澁澤邸の応接間から書斎を望む:『澁澤龍彦をもとめて』(美術出版社)より


わたしは築80年以上の超ボロ家に住んでいます。
もともとは、戦前に中国の大連でホテル業をされていた方の自宅でした。
アール・ヌーヴォーを基調としたデザインで、古いながらも人目見て気に入り、もう15年くらい住んでいます。
わたしが大の澁澤龍彦好きとあって、わが家の玄関ホールや応接間や書斎などにも、なんとなくドラコニア・ワールドの香りが漂っているような気がします。


                     わが家の玄関ホール


                     わが家の応接間


                        わが書斎



わが書斎の写真は、『あらゆる本が面白く読める方法』(三五館)で初公開して以来、かなりの話題になったようです。多くの書評サイトなどで紹介されました。
わが書斎は、初めて訪れた人がギョッとするくらい、神秘的なムードが漂っています。
わたしとしては、愛してやまない三島由紀夫澁澤龍彦の書斎をイメージしたのです。
世界各地の神像や仮面やタロットカードなどのグッズがたくさん揃っていて、呪術空間とか魔法部屋みたいです。
クラッシックな地球儀に月球儀、天球儀、ホームプラネタリウム天体望遠鏡、各種のルーペに万華鏡、日時計に月時計に砂時計、貝やサンゴに化石の標本、茶汲みのからくり人形にゴジラ、きわめつけはツタンカーメンのCDラック・・・・・自分ではこれからもっともっと不思議なグッズを集めて、魔人の部屋みたいにしたいとも思っています。
なお、わたしの書斎の詳細は、HPで公開しています。
興味がある方は、わたしのオフィシャルサイトの「書斎公開」を御覧下さい。


2010年4月6日 一条真也